以下は、rakumo(証券コード:4060)の企業分析レポートです。

1. 企業情報

rakumo株式会社は、企業向けのクラウド型グループウェア「rakumo」シリーズの開発・販売を主に行うSaaS(Software as a Service)企業です。主な製品として、Google WorkspaceやSalesforceといった大手クラウドツールと連携・拡張する機能を提供しています。具体的には、カレンダー・アドレス帳共有、電子承認、掲示板、経費精算、勤怠管理といったビジネスに必要な多様な業務ツールをクラウド上で提供することで、企業の業務効率化を支援しています。低価格帯の製品ラインナップに強みを持つ点が特徴です。連結事業売上の97%をSaaSサービスが占めており、安定した収益モデルを確立しています。

2. 業界のポジションと市場シェア

同社は、企業向けクラウド型グループウェア市場において、特にGoogle WorkspaceやSalesforceの拡張ツールというニッチな市場で存在感を示しています。低価格かつ導入しやすいサービスを提供することで、中小企業から大企業まで幅広い顧客層を獲得しています。SaaSビジネスは一度導入されると継続利用される傾向が強く、安定的な収益が見込めます。市場シェアに関する具体的な数値は提供されていませんが、既存のプラットフォームとの連携に特化することで、市場の特定セグメントで競争優位性を築いています。しかしながら、SaaS市場全体としては競合が多く、継続的な機能改善や新規顧客獲得が課題となり得ます。

3. 経営戦略と重点分野

rakumoの経営陣は、クラウド型サービスを軸とした企業向けITソリューションの提供を継続的に強化する戦略を掲げています。直近の決算短信では中期経営計画を策定したことが示されており、詳細については別途発表される決算補足説明資料などで開示されると見られます。特に、少子高齢化による生産年齢人口の減少という社会課題に対応するため、HRテック分野(人事・労務管理)への注力を強化しています。株式会社パソナとの業務提携を通じて、新たなソリューションサービス「aloop」を2025年5月19日より開始予定であり、2026年度の黒字化を目指すとしています。この取り組みは、事業ポートフォリオの拡大と新たな収益源の確立を目的としていると考えられます。

4. 事業モデルの持続可能性

同社の主力事業であるSaaSモデルは、月額課金などの継続利用を前提とするストック型収益が特徴であり、比較的安定した収益基盤を持っています。Google WorkspaceやSalesforceといった広く普及しているクラウドプラットフォームの拡張ツールとして機能することで、プラットフォーム自身の成長に連動して顧客基盤を拡大できるという強みがあります。また、市場ニーズの変化への適応力として、HRテック分野への進出が挙げられます。労働人口の減少という社会構造の変化に対応したサービスを提供することで、長期的な事業成長と持続可能性を高めようとしています。ただし、主要プラットフォームの仕様変更や競合他社の参入がリスク要因となり得るため、迅速な対応力と技術開発が求められます。

5. 技術革新と主力製品

同社は、クラウド基盤技術を活用し、既存のGoogle WorkspaceやSalesforceといったプラットフォームとシームレスに連携する独自の技術を強みとしています。これにより、ユーザーは使い慣れた環境で「rakumo」の様々な機能を利用できます。主力製品は以下の通りです。
* rakumo for Google Workspace: カレンダー、アドレス帳、電子承認、掲示板、経費精算、勤怠管理など、Google Workspaceをより便利にする拡張ツール群。
* rakumo for Salesforce: Salesforceのカレンダーとの同期・連携や、顧客・営業データとの連携機能を提供。
* gamba!: 社内SNS型の日報アプリで、日報作成、労働生産性管理、社内コミュニケーション活性化を支援。

これらのSaaSサービスが収益の大部分を牽引しており、特に「rakumo for Google Workspace」が主要な収益源と考えられます。

6. 株価の評価

現在の株価1,014.0円に対し、会社予想EPSは44.58円です。これにより算出されるPER(株価収益率)は22.75倍となります。同業である情報・通信業の業界平均PERが66.2倍であることを考慮すると、同社のPERは業界平均と比較して低い水準にあります。
また、実績BPS(1株あたり純資産)は285.13円であり、これに基づくPBR(株価純資産倍率)は3.56倍です。業界平均PBRが3.5倍であることから、PBRの観点では業界平均とほぼ同水準に位置しています。
これらの指標は、現在の市場が同社の収益成長性に対して業界平均よりも控えめな評価をしている可能性や、資産価値に対しては妥当な評価をしている可能性を示唆していると考えられます。

7. テクニカル分析

現在の株価1,014.0円は、直近10日間の株価推移を見ると、7月23日に年初来高値の1,080円を記録した後、一時的に調整局面に入り、現在の水準にあります。しかし、株価は年初来安値723円(52週安値697円)から大きく上昇しており、50日移動平均線(897.38円)および200日移動平均線(865.17円)を上回って推移しています。これは、短期および中期の株価トレンドが上昇基調にあることを示唆しています。現在の株価水準は、年初来高値に比較的近く、高値圏にあると評価できます。

8. 財務諸表分析

同社の連結損益計算書を見ると、過去数年にわたり売上高は着実に増加傾向にあります。
* 売上高: 2021年の963,779千円から、直近12ヶ月では1,443,455千円へと成長しています。
* 営業利益: 同様に、2021年の227,909千円から直近12ヶ月で383,469千円と増加しており、利益率も健全な水準を維持しています。
* 純利益: 過去の純利益は変動があるものの、直近12ヶ月では253,026千円と堅調です。
* ROE(自己資本利益率): 直近12ヶ月で17.27%と高い水準にあり、効率的な資本活用ができていることを示しています。
* ROA(総資産利益率): 直近12ヶ月で8.73%であり、総資産に対する収益性も良好です。
* 自己資本比率: 直近四半期で53.9%と過半数を占めており、財務の安定性を示唆しています。
* 流動比率: 直近四半期で2.92倍と高く、短期的な支払い能力に問題がない健全な財務状況です。

貸借対照表の総現金は23億2千万円と潤沢であり、負債総額5億円と比較しても財務上の安定性が伺えます。
なお、2025年12月期第1四半期において、ソフトウエアの耐用年数を見直した会計方針の変更があり、これにより減価償却費が減少し、利益を押し上げる要因となっています。

9. 株主還元と配当方針

会社予想の1株配当は9.00円であり、現在の株価1,014.0円に基づく配当利回りは0.89%です。
会社予想EPS 44.58円に対する配当性向は約20.2%となります(9.00円 ÷ 44.58円)。提供されているPayout Ratioは15.48%と比較的低い水準であり、利益を内部留保し、事業投資に充てる方針である可能性があります。自社株買いなどの追加的な株主還元策に関する情報は、今回のデータからは確認できません。

10. 株価モメンタムと投資家関心

株価は直近で年初来高値を更新するなど一時的な上昇局面を見せましたが、その後はやや調整しています。しかし、移動平均線から見て短期・中期的な上昇トレンドは継続しています。
出来高は直近で数千から数万株程度で推移しており、大きく急増しているわけではありません。
信用取引の状況を見ると、信用買残が50万株を超え、信用倍率が50.43倍と高い水準にあります。これは、将来的な株価上昇を期待して買い建てている投資家が多いことを示唆しています。
また、2025年5月には四半期決算発表や個人投資家向け説明会の開催が予定されており、これらのイベントが投資家の関心を高め、株価に影響を与える可能性があります。

11. 総評

rakumoは、安定的なSaaSビジネスモデルを基盤に、売上・利益ともに着実に成長を続ける情報・通信業の企業です。主力事業である「rakumo」シリーズの低価格戦略と、Google Workspace、Salesforceといった既存プラットフォームとの連携により、顧客基盤を拡大してきました。財務健全性も高く、ROEも効率的な資本活用を示しています。
今後もHRテック分野への事業拡大といった新たな成長戦略を推進しており、社会課題に対応したソリューション提供により、市場ニーズの変化への適応と中長期的な成長を目指しています。
株価は年初来高値圏にあり、PERは業界平均を下回る一方で、PBRは業界平均と同水準です。信用買残が多いことから投資家の関心は一定程度高いと見られますが、出来高は比較的小規模です。
全体的に見ると、SaaS企業としての安定した収益性と成長性を持ちつつ、新たな事業領域への挑戦も進めていると評価できます。


企業情報

銘柄コード 4060
企業名 rakumo
URL https://corporate.rakumo.com/
市場区分 グロース市場
業種 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.1)」によって自動生成されました。

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By ジニー

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