1. 企業情報
- 事業内容
オルガノ株式会社は、水処理エンジニアリング分野を中心に事業を展開しています。主力は純水・超純水製造設備、各種水処理薬品、排水処理設備、有価物回収設備などの設計・製造・保守サービスです。特に電力・半導体関連向けの純水製造装置に強みを持ち、台湾や東南アジアなど海外市場にも積極展開しています。
事業セグメントは「水処理エンジニアリング事業」（売上比率85%）と「機能商品事業」（同15%）に分かれています。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界内ポジション
水処理エンジニアリング分野で国内上位、特に半導体・電子産業向けの超純水装置で高いシェアを誇ります。親会社である東ソーとの連携や、台湾半導体大手（TSMC等）からの受注実績も強みです。
– 競争優位性・課題
技術力・実績・メンテナンス体制で競争優位性を保持。一方、半導体投資サイクルや為替、米中摩擦等の外部環境変化がリスク要因となります。
3. 経営戦略と重点分野
- 経営ビジョン・戦略
プラントエンジニアリングの効率化、DX推進、人材育成、研究開発、基幹システム刷新などによる基盤強化が重点。
半導体・電子産業向け大型プロジェクトの受注拡大、メンテナンス・ソリューションサービスの拡充、機能商品事業の拡大を掲げています。
– 中期経営計画
2026年3月期に受注高18,000億円、売上高1,750億円、営業利益315億円、純利益242億円、ROE18.8%を目標。大型半導体案件の受注拡大と、サービス・機能商品の伸長を想定しています。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
設備販売・据付だけでなく、メンテナンス・消耗品供給・運転管理などストック型収益も確保。半導体・電子産業の成長に連動しやすい構造です。
– 市場ニーズへの適応力
半導体・AI関連の設備投資増加や、環境規制強化による水処理需要の拡大に柔軟に対応。DX・省人化・省エネ等の新技術導入にも積極的です。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発の動向・独自性
超純水製造技術、RO（逆浸透）システム、排水回収・有価物回収技術などで高い技術力。AI・IoTを活用した遠隔監視や運転最適化にも取り組んでいます。
– 収益を牽引する製品・サービス
半導体・電子産業向けの超純水装置、各種水処理薬品、メンテナンス・ソリューションサービスが主力です。
6. 株価の評価
- 指標比較
- 株価：9,430円
- 予想PER：17.91倍（業界平均16.6倍よりやや高め）
- 実績PBR：3.58倍（業界平均1.4倍より高い）
- EPS（予想）：526.48円
- BPS（実績）：2,631.24円
- 評価
業績成長・高ROEを背景に、株価指標は業界平均よりプレミアムがついています。
7. テクニカル分析
- 株価推移
- 年初来高値：9,720円
- 年初来安値：4,770円
- 直近終値：9,430円（高値圏）
- 50日移動平均：8,444円、200日移動平均：7,767.7円
- 現在の位置
- 直近で高値圏にあり、年初来高値付近で推移。短期的にはやや調整気味（直近数日で小幅下落）。
8. 財務諸表分析
- 売上・利益
- 売上高：163,269百万円（前年比+8.6%）
- 営業利益：31,120百万円（前年比+38.0%）
- 純利益：24,150百万円（前年比+39.5%）
- 営業利益率：19.1%、ROE：21.7%、ROA：10.3%
- キャッシュフロー
- 営業CF：+21,100百万円
- 投資CF：△2,130百万円
- 財務CF：△20,821百万円
- 現金等：16,751百万円
- 自己資本比率
- 62.2%と高水準
- 過去数年の傾向
- 売上・利益ともに安定成長、営業利益率・ROEも大幅に改善
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 2025年3月期：年間配当170円（予想）、配当利回り1.8%、配当性向約30%
- 5年平均配当利回り：1.68%
- 株主還元策
- 安定配当を基本方針。自社株買いは限定的（自己株式比率0.73%）。
- その他
- 2022年に株式分割（4:1）実施
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価モメンタム
- 直近1年で約39%上昇、S&P500を大きく上回る
- 直近10日間では高値圏でやや調整
- 投資家関心
- 信用倍率1.14倍と需給は均衡
- インサイダー保有比率45%、機関投資家比率24%と安定株主が多い
11. 総評
- まとめ
- オルガノは半導体・電子産業向け超純水装置を中心に、水処理分野で高い技術力と実績を持つ企業です。業績は過去最高を更新し、ROE・利益率も高水準。株価は業界平均よりプレミアムがついており、高値圏で推移しています。
- 今後も半導体・AI関連の設備投資拡大や、ストック型収益の拡大が期待される一方、外部環境変化や半導体投資サイクルには注意が必要です。財務基盤・株主還元方針も安定しており、長期的な成長が見込まれます。
企業情報
| 銘柄コード | 6368 |
| 企業名 | オルガノ |
| URL | http://www.organo.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 機械 – 機械 |
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