大東港運(証券コード: 9367)の企業分析レポートを以下の通りご報告いたします。

1. 企業情報

大東港運株式会社は、1957年設立の東京に本社を置く運輸・物流企業です。主に港湾運送事業を展開しており、東京港における中堅の事業者としての地位を確立しています。事業内容は多岐にわたり、輸出入貨物の取り扱い、港湾荷役、一般トラック運送、倉庫業、通関業務などを手掛けています。特に、畜産物や冷凍食品といった輸入貨物の取り扱いを主力としており、その売上比率は約8割を占めています。国内においては鋼材運送・荷役も行っています。連結事業セグメント別では「輸出入貨物取扱」が売上高の大部分を占め、「鉄鋼物流」「海外」「国内不動産賃貸」なども展開しています。従業員数は402名、平均年齢は41.1歳、平均年収は650万円です。

2. 業界のポジションと市場シェア

同社は、東京港における港湾運送の中堅企業であり、倉庫・運輸関連業界に属しています。畜産物や冷凍食品を軸とした輸入貨物取扱いに強みを持つ点が競争優位性の一つと考えられます。これは特定のニッチ市場における専門性と経験に裏打ちされたものです。しかしながら、事業の特性上、外注比率が高いことや、世界経済の動向、円安、地政学的リスク、各国の関税政策といった外部環境の変化に影響を受けやすい側面があります。

3. 経営戦略と重点分野

同社の経営ビジョンは「Be Sustainable 〜サステナブルを目指して〜」であり、これに基づいた「第8次中期経営計画」を推進しています。中期経営計画の2年目にあたる2025年3月期も計画に沿った取り組みを堅実に展開したと報告されています。主な重点分野として、持続的価値の拡大、営業組織力・人財力・IT力の強化、環境・社会課題への配慮、グループの成長と発展が挙げられています。特に、商船三井ロジスティクス株式会社との戦略的提携は、将来的なサービス提供能力向上を目指す施策の一つと考えられます。2026年3月期には、連結営業収益175億円、連結営業利益9.2億円、連結経常利益10億円、親会社株主に帰属する当期純利益6.7億円を目指すとしています。

4. 事業モデルの持続可能性

同社の事業モデルは、港湾運送を基盤としつつ、貨物取扱、トラック運送、倉庫、通関、不動産賃貸といった多角的な物流サービスを提供することで収益を上げています。特に輸入貨物(食品、畜産)の取り扱いに強みを持つ点が特徴です。市場ニーズの変化に対しては、中期経営計画に「IT力の強化」を掲げていることから、デジタル化や効率化への意識が見られます。また、商船三井ロジスティクスとの提携を通じて、新たなサービス展開や事業機会の創出を目指す姿勢も持続可能性を高める要素と考えられます。しかし、世界経済の減速や円安傾向が輸入量に与える影響、さらには国際的な関税政策の動向など、外部環境によって収益が変動するリスクも存在します。

5. 技術革新と主力製品

同社に関する情報の中では、具体的な画期的な技術革新についての記述は限られています。しかし、中期経営計画において「IT力の強化」を重点分野に挙げていることから、業務効率化やサービス向上に向けたIT活用を進める意向が示唆されています。現在の主力製品・サービスは、売上の大部分を占める「輸出入貨物取扱事業」(特に畜産・食品輸入貨物)、および国内向けの「鉄鋼物流事業」が挙げられます。

6. 株価の評価

2025年7月25日時点の株価は780.0円です。
各種指標は以下の通りです。
– EPS(会社予想): 77.65円
– PER(会社予想): 10.05倍
– BPS(実績): 1,089.32円
– PBR(実績): 0.72倍
– 配当利回り(会社予想): 3.08%

業界平均PERは11.8倍、業界平均PBRは0.5倍です。
現在のPER(10.05倍)は業界平均PER(11.8倍)と比較して低く、利益面から見た株価は割安と評価される可能性があります。
一方、PBR(0.72倍)は業界平均PBR(0.5倍)よりは高い水準ですが、1倍を下回っており、純資産価値に比べて株価は低い状態にあることを示しています。
EPSと業界平均PERに基づいた理論株価は、77.65円 × 11.8倍 = 約916円となります。
BPSと業界平均PBRに基づいた理論株価は、1,089.32円 × 0.5倍 = 約545円となります。
現在の株価780.0円は、PERに基づく理論株価より低く、PBRに基づく理論株価より高い位置にあります。

7. テクニカル分析

現在の株価780.0円は、年初来高値830円、年初来安値650円の範囲内で推移しています。直近の株価推移を見ると、7月15日の830円から徐々に下落し、7月25日には780円となっています。50日移動平均線(735.16円)と200日移動平均線(725.34円)を上回っているものの、直近では高値圏から調整局面に入り、下降傾向が見られます。

8. 財務諸表分析

売上・利益の推移:

  • 売上収益(Total Revenue)は、過去数年(2022年3月期〜2025年3月期)160億円台で推移しており、比較的安定しています。2025年3月期は167億6,149万円と前期比4.4%増となり、増加に転じました。
  • 営業利益(Operating Income)は、2022年3月期の10億7,315万円をピークに減少傾向にありましたが、2025年3月期は6億6,070万円と前期比3.0%増となりました。
  • 親会社株主に帰属する当期純利益(Net Income Common Stockholders)は、2022年3月期の8億3,289万円から減少傾向にありましたが、2025年3月期は6億1,726万円と前期比15.5%増と大幅に回復しました。

収益性指標:

  • 売上高営業利益率は3.9%(前期は4.0%)、売上高経常利益率は4.9%(前期は4.9%)、売上高純利益率は3.7%(前期は3.3%)であり、純利益率が改善傾向にあります。
  • ROE(Return on Equity)は過去12か月で6.66%、2025年3月期実績で6.70%と、前期(5.89%)から改善が見られます。
  • ROA(Return on Assets)は過去12か月で2.76%です。

財務安全性・キャッシュフロー:

  • 自己資本比率は61.9%と高い水準を維持しており、財務基盤は安定していると考えられます。
  • 総資産は151億9,009万円、純資産は95億6,953万円といずれも増加しています。
  • 営業活動によるキャッシュフロー(Operating Cash Flow)は9億1,990万円とプラスを維持していますが、前期比では10.9%減少しました。
  • 投資活動によるキャッシュフロー(Investing Cash Flow)は△15億2,684万円と大幅なマイナスとなり、設備投資などを積極的に行っていることが示唆されます。これにより、現金及び現金同等物期末残高は前期比で8億2,636万円減少しました。
  • 総負債(Total Debt)は24億9,000万円に対し、流動比率(Current Ratio)は2.32倍と高く、短期的な支払能力に問題はないと考えられます。総負債に対する自己資本の比率を示すD/Eレシオ(Total Debt/Equity)は25.99%と低く、負債負担が小さいことを示しています。

9. 株主還元と配当方針

同社の配当利回り(会社予想)は3.08%であり、1株配当(会社予想)は24.00円です。配当性向は33.53%と、無理のない水準で安定した配当方針を継続していると見られます。過去の配当実績を見ると、2024年3月期も年間24.00円であり、2025年3月期および2026年3月期(予想)も同額の24.00円を計画しています。自己株買いに関しては、株主情報に自己株式(760,600株)の保有が示されているものの、直近の決算短信において具体的な自社株買いの実施や方針についての言及はありません。

10. 株価モメンタムと投資家関心

直近10日間の株価推移を見ると、7月15日の830円から徐々に下落し、7月25日には780円と下降傾向にあります。直近の出来高は1,100株と低い水準であり、投資家の関心は限定的である可能性があります。信用倍率は0.00倍(信用売残が0株のため)となっています。
株価に影響を与える要因としては、グローバル経済の動向、特に米国経済や中国経済の景気減速、そして円安の進行やエネルギー価格・物価の変動といった外部環境要因が挙げられます。また、今後のトランプ政権の関税政策の動向や、同社の主力である畜産・食品輸入貨物の需要の変動も、株価に影響を及ぼす可能性があります。今後の決算発表(次の配当落ち日は2025年9月29日)が投資家の注目を集める可能性があります。

11. 総評

大東港運は、東京港での港湾運送中堅企業として、特に食品や畜産物などの輸入貨物取扱いに強みを持つ企業です。財務基盤は自己資本比率が高く安定しており、親会社株主に帰属する当期純利益も前期比で大幅に改善を見せています。株価指標を見ると、PERは業界平均を下回っており、利益面から見れば割安感がある可能性があります。一方、PBRは業界平均を上回るものの、1倍を下回っており、純資産と比較して株価は低い位置にあります。配当は安定しており、配当性向も無理のない水準で株主還元意識がうかがえます。短期的な株価は年初来高値から調整局面に入り、下降傾向にあります。今後は、中期経営計画で掲げた「サステナブルな成長」に向けた取り組みの進捗や、世界経済・為替の動向、そして特定の輸入貨物市場の変動が業績と株価に与える影響が注目されます。


企業情報

銘柄コード 9367
企業名 大東港運
URL http://www.daito-koun.co.jp/
市場区分 スタンダード市場
業種 運輸・物流 – 倉庫・運輸関連業

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.1)」によって自動生成されました。

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By ジニー

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