1. 企業情報

企業概要

トヨタ紡織株式会社は、自動車用シートや内装品、フィルター、パワートレイン部品などをグローバルに開発・製造・販売するトヨタグループの主要部品メーカーです。主力製品は自動車シート、ドアトリム、ヘッドライナー、カーペット、エアフィルターなど。日本国内では自動車シート・エアフィルターで首位、内装品分野では世界4位の規模を誇ります。トヨタ自動車向けが中心ですが、海外自動車メーカーにも納入しています。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • 業界内ポジション

日本国内では自動車シート・エアフィルターで首位、内装品で世界4位。トヨタグループの一角として安定した取引基盤を持ちます。
競争優位性

トヨタ自動車との強固な関係、グローバルな生産体制、品質・コスト競争力が強みです。
課題

自動車業界全体の生産台数減少、BEV市場成長の鈍化、原材料・物流コスト上昇、OEM間の競争激化、海外事業の収益性低下などが課題となっています。

3. 経営戦略と重点分野

  • 経営ビジョン

「快適な移動空間の提供」と「社会課題の解決に貢献する企業」を目指す。
中期経営計画(2030年目標)
– 移動空間企画本部の設置など組織再編
– 事業ポートフォリオの見直し
– 電動化・自動運転・コネクテッドカー対応
– グローバル生産体制の最適化
– サステナビリティ(カーボンニュートラル、資源循環等)推進

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル

自動車メーカーへの部品供給が主軸。トヨタグループとの長期的な取引安定性が特徴。
市場変化への適応

電動化・自動運転・コネクテッドカーなど新技術への対応を進めており、BEV向け部品や新素材開発も強化中。
リスク

OEM依存度の高さ、海外事業の収益性、為替・原材料価格変動などがリスク。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術開発

軽量・高強度素材、快適性・安全性向上技術、電動化対応部品(バッテリー周辺部品、燃料電池関連等)を開発。
主力製品
– 自動車シート(エグゼクティブラウンジ、スポーツシートなど)
– 内装部品(ドアトリム、ヘッドライナー、カーペット)
– 各種フィルター(エア、オイル、キャビンエア)
– パワートレイン部品(モーターコア、燃料電池部品等)

6. 株価の評価

  • EPS(会社予想): 279.89円
  • BPS(実績): 2,504.56円
  • PER(会社予想): 7.81倍(業界平均: 13.3倍)
  • PBR(実績): 0.87倍(業界平均: 0.8倍)
  • 株価: 2,186.5円
  • 配当利回り(会社予想): 3.93%
  • 評価: 業界平均と比較してPERは割安水準、PBRはやや高め。BPSに対して株価はややディスカウント。配当利回りは業界平均を上回る。

7. テクニカル分析

  • 年初来高値: 2,234円
  • 年初来安値: 1,650円
  • 直近株価: 2,186.5円(高値圏に近い水準)
  • 50日移動平均: 2,012.18円
  • 200日移動平均: 1,991.83円
  • 直近10日間の推移: 2,070~2,230円台で上昇傾向
  • モメンタム: 直近は高値圏で推移し、出来高も増加傾向

8. 財務諸表分析

  • 売上高: 1,954,216百万円(前年同期比横ばい)
  • 営業利益: 42,400百万円(前年同期比-46.5%)
  • 純利益: 16,719百万円(前年同期比-71.4%)
  • 営業利益率: 2.2%(前年4.1%から低下)
  • ROE: 3.73%(過去12か月: 5.25%)
  • ROA: 4.04%
  • 自己資本比率: 40.9%
  • キャッシュフロー: 営業CF 121,834百万円、フリーCF 48,760百万円
  • 財務安全性: 現金・現金同等物は潤沢、負債比率も低めで財務健全性は高い
  • 傾向: 2025年3月期は減損損失・コスト増で大幅減益。2026年3月期は業績回復見込み。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当実績・予想: 年間86円(2024~2026年見込み)
  • 配当利回り: 約3.9%(業界平均より高い)
  • 配当性向: 91.85%(利益減少により高水準)
  • 自社株買い: 自己株式保有比率4.81%
  • 方針: 安定配当を重視

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 株価変動: 直近で高値圏、出来高増加
  • 信用取引: 買残増加、信用倍率3.61倍
  • 投資家構成: トヨタグループ・金融機関・自己株式・従業員持株会などが中心
  • 注目材料: 業績回復見通し、安定配当、トヨタ自動車との関係

11. 総評

トヨタ紡織は、トヨタグループの中核部品メーカーとして安定した基盤を持ち、自動車シート・内装品で国内外に強い競争力があります。2025年3月期は減損損失やコスト増で大幅減益となりましたが、2026年3月期には大幅な業績回復を見込んでいます。株価は高値圏にあり、配当利回りも高水準。財務基盤も堅固です。今後は自動車業界の構造変化やグローバル市場での収益性改善が注目されます。


企業情報

銘柄コード 3116
企業名 トヨタ紡織
URL http://www.toyota-boshoku.com
市場区分 プライム市場
業種 自動車・輸送機 – 輸送用機器

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By シャーロット

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