株式会社アシロ(証券コード:7378)の企業分析レポートを、個人投資家向けにわかりやすく解説します。
1. 企業情報
アシロは、弁護士業界とITを組み合わせた事業を展開する企業です。主にインターネットを通じて法律サービスに関連する情報提供を行う「メディア事業」、弁護士や公認会計士などの専門職の採用支援を行う「HR事業」、弁護士費用保険を販売する「保険事業」の3つのセグメントで構成されています。特に「ベンナビシリーズ」というリーガルメディアサイトの運営に強みを持っています。
2. 業界のポジションと市場シェア
アシロは、弁護士業界特化型リーガルメディア「ベンナビシリーズ」を主力とし、この分野で独自の地位を築いています。インターネット広告市場が継続的に成長している中、弁護士・士業向けメディア市場においても持続的な成長が見込まれています。特定の分野に特化した複数の相談サイトを展開することで、競争優位性を確立していると考えられます。
3. 経営戦略と重点分野
同社は、2025年10月期に売上収益55億円、営業利益11億円を目標とする中期経営計画を掲げています。これまでの「成長投資期間」から「利益創出期間」へと移行するフェーズにあり、利益効率を重視した経営を進めています。
* メディア事業: 新規顧客獲得と既存顧客の解約率低減、さらに採用意欲の高まりを背景とした転職メディアなどの派生メディアの強化が重点施策です。
* HR事業: 効率性を重視し、売上拡大と黒字化を目指しています。
* 保険事業: 今後は法人向け保険に注力していく方針です。
4. 事業モデルの持続可能性
アシロの収益モデルは、主にリーガルメディアへの広告掲載や弁護士・法律事務所への集客支援が中心です。インターネットを通じた法律相談ニーズは継続的に存在し、市場規模も拡大傾向にあるため、事業モデルの持続可能性は高いと考えられます。HR事業の効率化や保険事業の戦略転換など、事業ポートフォリオの最適化を進めることで、変化する市場ニーズへの適応力を高めています。
5. 技術革新と主力製品
同社の主力は、多数の相談サイトを展開する「ベンナビシリーズ」です。これはITを活用して弁護士とユーザーをつなぐプラットフォームであり、利便性の高いサービスを提供しています。直接的な「技術革新」に関する具体的な記述は限られていますが、利用者の検索ニーズに応じたUI/UXの改善や、SEOを含む集客ノウハウなどが、メディア事業の成長を牽引する重要な要素と考えられます。
6. 株価の評価
現在の株価1,906.0円に基づくと、各種指標は以下の通りです。
* PER(株価収益率): 会社予想EPS114.01円に基づくと、PERは約16.72倍です。業界平均PERが25.7倍であることを踏まえると、PERは業界平均よりも低い水準にあります。
* PBR(株価純資産倍率): 実績BPS370.78円に基づくと、PBRは約5.14倍です。業界平均PBRが2.5倍であることを踏まえると、PBRは業界平均よりも高い水準にあります。
PERは割安感を示す一方で、PBRが高い傾向にあるのは、同社が高い成長性を評価されているか、無形固定資産(ブランド力やメディア運営ノウハウなど)が高いことを示唆している可能性があります。
7. テクニカル分析
現在の株価1,906.0円は、年初来高値2,270円と年初来安値1,323円の間に位置しています。より広範な52週間の視点では、52週高値2,270円、52週安値610円となっており、安値からは大きく上昇している状況です。
50日移動平均線1,924.36円をわずかに下回っていますが、200日移動平均線1,603.04円よりは上に位置しており、長期的な上昇トレンドにあると考えられます。直近10日間の株価推移を見ると、概ね1,800円台後半から1,900円台前半での推移が続いており、緩やかな上昇傾向が見られます。
8. 財務諸表分析
- 売上収益: 2021年10月期から2024年10月期にかけて、売上収益は継続的に成長しています(15億円→22億円→31億円→47億円)。特に2025年10月期第2四半期(中間期)の売上収益は33.4億円と、前年同期比で59.0%の大幅な増加を達成しており、成長モメンタムを維持しています。
- 利益: 2023年10月期は営業利益が53百万円、中間利益がマイナスとなるなど一時的に減益・赤字となりましたが、最新の2025年10月期第2四半期では、営業利益8.5億円(前年同期は569千円の利益)、親会社に帰属する中間利益6.0億円(前年同期は12.4億円の損失)と急回復し、大幅な増益を達成しています。これは同社が掲げる「利益創出期間」への移行が順調に進んでいることを示唆しています。
- キャッシュフロー: 営業活動によるキャッシュフローは増加傾向にあり、2025年10月期第2四半期では7.0億円の創出となりました。期末の現金及び現金同等物も増加しており、財務基盤の安定性を示しています。
- 収益性と安全性: 過去12ヶ月のROEは34.18%、ROAは22.02%と非常に高い水準にあり、効率的な資本活用ができています。自己資本比率も直近四半期で59.8%と高く、財務安全性は良好であると評価できます。
9. 株主還元と配当方針
同社は株主還元として配当を行っており、2025年10月期の1株あたりの予想配当金は33.90円です(2024年10月期実績24.18円からの増配予想)。これにより、会社予想配当利回りは1.78%となります。配当性向は66.34%と、利益の一部を株主還元に充てる方針が見られます。自社株買いについては、自己株口として90,600株の保有がありますが、直近の積極的な買い付けの発表はありません。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は緩やかな上昇傾向にありますが、日々の出来高は数万株から10万株台で推移しており、大幅な変動は見られていません。
信用取引の状況を見ると、信用買残が1,027,500株に対し、信用売残が700株と非常に少なく、信用倍率は1,467.86倍と極めて高い水準です。これは、将来的な売却圧力となる可能性を考慮する必要があります。
今後の主要なイベントとしては、2025年10月30日に予定されている配当落ち日があります。
11. 総評
アシロは、弁護士業界向けのリーガルメディア事業を中核に据え、高い成長を遂げている企業です。これまでの積極的な投資から利益創出フェーズへと移行し、直近の決算では売上・利益ともに大幅な改善を見せており、中期経営計画の目標達成に向けて順調に進捗しています。
財務状況も、高いROE・ROAと堅実な自己資本比率に裏打ちされ、健全性が確認できます。PERは業界平均より低いものの、PBRが高い傾向にあることから、市場からの成長期待が高いことが示唆されます。
一方で、信用買残が非常に高く、信用倍率も高水準であるため、需給バランスの変動には注意が必要です。主力であるメディア事業の成長性や、HR事業・保険事業の今後の効率化・黒字化が、持続的な企業価値向上に寄与するか注目されます。
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企業情報
銘柄コード | 7378 |
企業名 | アシロ |
URL | https://asiro.co.jp |
市場区分 | グロース市場 |
業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
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証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.1)」によって自動生成されました。
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