1. 企業情報

  • 事業内容

オリエンタル白石は、プレストレストコンクリート(PC)を用いた土木構造物や橋梁の建設、鋼構造物の設計・製作・架設、港湾工事などを手掛ける総合建設会社です。特にニューマチックケーソン工法による工事で高いシェアを持っています。また、橋梁の補修・補強工事、耐震補強、建設機械の設計・製作、太陽光発電事業なども展開しています。伊藤忠商事が筆頭株主です。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • 競争優位性

ニューマチックケーソン工事で国内シェア約7割と圧倒的な強みを有します。橋梁分野ではコンクリート橋・鋼橋の両方を手がけ、総合力が高い点が特徴です。
課題

建設資材価格の高騰、人手不足、労働時間規制など建設業界共通の課題に直面しています。また、公共工事の発注動向や大型案件の有無に業績が左右されやすい構造です。

3. 経営戦略と重点分野

  • 経営ビジョン・戦略

中期経営計画(2023-2025年度)では、2026年3月期に新規・周辺事業売上高90億円を目指し、2030年に向けてグループの将来像を描いています。
重点施策
– ニューマチックケーソン工事など得意分野の選別受注
– グループシナジー活用による高難度工事への挑戦
– DX推進による生産性向上
– 新規・周辺事業の拡大
– 資本効率向上のための自己株式取得

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル

主力の建設事業が売上の8割以上を占める一方、鋼構造物・港湾事業など複数セグメントで安定した収益基盤を構築しています。
市場ニーズへの適応力

防災・減災、インフラ老朽化対策など公共投資の需要が底堅い一方、資材高騰・人手不足など環境変化への対応が求められます。技術力と施工実績を活かした高付加価値受注がカギとなっています。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術開発の動向・独自性

ニューマチックケーソン工法やPC橋梁技術など独自の施工ノウハウが強み。DX推進や耐震補強技術の高度化にも注力しています。
収益を牽引する主力分野

プレストレストコンクリート橋梁、鋼橋、ケーソン工事が主力。補修・補強分野や太陽光発電事業など新規・周辺事業の拡大も進めています。

6. 株価の評価

  • EPS(会社予想): 21.34円
  • BPS(実績): 390.68円
  • PER(会社予想): 17.76倍(業界平均14.0倍よりやや高い)
  • PBR(実績): 0.97倍(業界平均1.1倍より低い)
  • 株価: 379円
  • 理論株価目安
    • EPS×業界平均PER=21.34×14.0=約299円
    • BPS×業界平均PBR=390.68×1.1=約430円

現在の株価は業界平均PERからみるとやや割高、PBR基準ではやや割安な水準です。

7. テクニカル分析

  • 年初来高値: 401円
  • 年初来安値: 323円
  • 直近株価推移: 7月中旬以降370円台後半での推移が続き、直近10日間は379円前後で横ばい。年初来高値圏に近い水準です。
  • モメンタム: 直近は大きな上昇も下落もなく、方向感に乏しいボックス圏。

8. 財務諸表分析

  • 売上高: 645億円(前期比4.2%減)
  • 営業利益: 54億円(前期比16.8%減)
  • 純利益: 37億円(前期比19.8%減)
  • 営業利益率: 8.4%(前期9.7%から低下)
  • ROE: 7.34%
  • ROA: (記載なし)
  • 自己資本比率: 66.1%(財務健全性は高い)
  • キャッシュフロー: 営業CFは増加(+48%)、投資CF・財務CFはマイナス
  • 過去数年の傾向: 売上・利益とも2024年度がピークで、2025年度は減少傾向

9. 株主還元と配当方針

  • 配当実績・予想: 年間配当14.5円(配当性向68.6%予想)
  • 配当利回り: 3.83%(株価379円基準)
  • 自社株買い: 2025年5月に自己株式取得を決議
  • 株主還元方針: 配当性向は高め、安定配当を重視しつつ資本効率向上も意識

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 株価の変動傾向: 直近10日間は379円前後で安定推移、出来高は一定水準を維持
  • 信用倍率: 4.31倍(やや買い長)
  • 投資家関心: 伊藤忠商事を筆頭株主とし、機関投資家の保有も目立つ。自己株買い発表など資本政策への注目も。

11. 総評

オリエンタル白石は、橋梁・ケーソン工事等で高い技術力とシェアを持つ建設会社です。2025年3月期は売上・利益ともに減少しましたが、自己資本比率が高く財務基盤は安定しています。配当利回りも高く、安定した株主還元策が取られています。今後は、得意分野の選別受注やDX推進、新規事業拡大が成長のカギとなります。一方で、建設業界共通の課題(資材高騰・人手不足等)や大型案件の進捗状況による業績変動リスクには注意が必要です。株価は年初来高値圏にあり、業界平均PER・PBRと比較して中立的な水準に位置しています。
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企業情報

銘柄コード 1786
企業名 オリエンタル白石
URL http://www.orsc.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 建設・資材 – 建設業

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By シャーロット

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