パシフィックシステム(3847)企業分析レポート
個人投資家の皆様へ、パシフィックシステム(証券コード:3847)の企業分析レポートをお届けします。
1. 企業情報
パシフィックシステムは、独立系情報サービス会社で、システム販売、システム運用・管理、ソフトウェア開発、機器販売を主な事業としています。特に自社開発ソフトウェアや画像処理技術に強みを持っています。親会社である太平洋セメントグループ向けのITサービス提供が売上全体の約3割を占めており、安定した顧客基盤を有しています。
2025年3月期の連結事業別売上構成比と利益貢献度(2025年3月期セグメント利益比率)は以下の通りです。
* 機器等販売: 売上高比率 22%、利益貢献度 11%
* ソフトウェア開発: 売上高比率 13%、利益貢献度 23%
* システム販売: 売上高比率 31%、利益貢献度 15%
* システム運用・管理等: 売上高比率 35%、利益貢献度 29%
2. 業界のポジションと市場シェア
パシフィックシステムは情報サービス業界に属し、特に特定の業界向けソリューションや親会社向けのITサービスを強みとしています。親会社である太平洋セメントグループ向けの売上が約3割を占めることから、特定の顧客との関係が深く、一定の安定性がありますが、同時にグループ外の顧客開拓が今後の成長における課題として認識されています。画像処理や生コンクリート業界向けシステムといったニッチな分野での専門性を構築している点が特徴です。
3. 経営戦略と重点分野
同社は2024年5月に「PACIFIC SYSTEMS VISION 2032」を策定し、その最初の段階として「26中期経営計画(2024-2026年度)」を進めています。この中期経営計画では、「強みを知り、強化する」「既存技術の展開」「新規技術の獲得」が基本方針として掲げられています。各事業セグメントにおいてこれらの基本方針に則った事業推進が行われています。
4. 事業モデルの持続可能性
パシフィックシステムの収益モデルは、機器等の販売に加え、システム開発、システム販売、システム運用・管理といった継続的なサービスによるものが中心です。特にシステム運用・管理等は安定的な収益源となっています。市場としては、DX(デジタルトランスフォーメーション)投資の継続やAI・IoT技術の拡大、情報セキュリティへの投資意欲の高まりといった良好な環境にあり、これらの市場ニーズに対応することで事業の持続性を確保しようとしています。一方で、親会社への依存度が高い点は、リスク要因として考慮される可能性があります。
5. 技術革新と主力製品
同社は「自社開発ソフトに強み」を持ち、「画像処理」技術を特徴としています。提供している主な製品・サービスには、画像処理関連システム、営業支援システム、CRMパッケージ、会議システムソリューション、生コンクリート業界向けシステム、贈答券管理システム、農産物生産支援システム、写真測量サービス(デジタルカメラ/ドローン)、生コン関連システム、ERP、グループウェアソリューションなどがあります。特に「システム運用・管理等」セグメントの伸びが大きく、データセンターや保守サービスが収益を牽引しています。
6. 株価の評価
現在の株価は4,940.0円です。
* PER(会社予想): 12.00倍
* PBR(実績): 1.09倍
* EPS(会社予想): 411.61円
* BPS(実績): 4,517.44円
類似企業のPERやPBRと比較すると、以下のようになります。
* 業界平均PER: 17.6倍
* 業界平均PBR: 1.6倍
仮に業界平均の評価水準を適用した場合、以下の計算が可能です。
* EPSに基づく理論株価: 411.61円 × 17.6倍 = 約7,244円
* BPSに基づく理論株価: 4,517.44円 × 1.6倍 = 約7,228円
現在の株価は、これらの計算値と比較して低い水準にあります。ただし、同社は親会社が筆頭株主であり、発行済株式の多くを保有しているため、市場での流通量が限定的である点も考慮が必要です。
7. テクニカル分析
現在の株価は4,940円です。
* 年初来高値(52週高値): 4,995円
* 年初来安値(52週安値): 3,070円
* 50日移動平均線: 4,748.90円
* 200日移動平均線: 4,402.62円
現在の株価は、年初来高値の5,000円近辺に位置しており、50日移動平均線および200日移動平均線を上回っています。直近10日間の株価推移を見ると、4,750円から4,940円の範囲で推移しており、やや上昇傾向にあるものの、4,940円付近では横ばいの動きも見られます。全体として、株価は比較的高値圏で推移している状況です。
8. 財務諸表分析
2025年3月期の連結決算は以下の通りです。
* 売上高: 11,354百万円(前期比 +3.9%)
* 営業利益: 867百万円(前期比 +1.8%)
* 経常利益: 890百万円(前期比 +2.8%)
* 親会社株主に帰属する当期純利益: 654百万円(前期比 +12.9%)
収益性:
- 売上はPCやライセンスの更新需要、教育用機器販売、システム運用・管理の好調により増加しました。
- 親会社株主に帰属する当期純利益は、売上増に加え、賃上げ促進税制等の適用による税負担軽減が寄与しました。
- 有形固定資産の減価償却方法を定率法から定額法へ変更したことにより、営業利益、経常利益、税金等調整前当期純利益がそれぞれ増加しています。
財務安全性と効率性:
- 自己資本比率: 68.5%(前期 66.9%)と高く、財務基盤の安定性を示しています。
- ROE(実績): 10.16%
- ROA(実績): 5.71%
- 流動比率: 2.62と高く、短期的な支払能力に問題はないと見られます。
- 総負債対自己資本比率: 6.28%と低く、負債依存度が低い状況です。
キャッシュフロー:
- 営業活動によるキャッシュ・フロー: 663百万円(前期比 -49.2%)と前期から減少しました。これは、消費税の還付額の減少や法人税等の支払額の増加などが影響しています。
- 投資活動によるキャッシュ・フロー: -254百万円の支出。
- 財務活動によるキャッシュ・フロー: -368百万円の支出。
- 期末現金及び現金同等物: 2,783百万円。
9. 株主還元と配当方針
パシフィックシステムは、株主への利益還元を重要な経営課題と位置付けています。
* 1株配当(会社予想): 140.00円
* 配当利回り(会社予想): 2.83%
* 配当性向: 31.64%
配当実績は、2024年3月期が年間134.00円、2025年3月期が年間140.00円の予想。2026年3月期も年間140.00円を予想しており、安定的な配当維持の姿勢が見られます。自社株買いに関する情報は今回提供されたデータには含まれていません。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は4,940円で、年初来高値圏で推移しています。
* 信用買残: 6,500株(前週比 +600株)
* 信用売残: 0株
* 信用倍率: 0.00倍
信用倍率が0.00倍(売残がないため)であることから、売り圧力は小さいと見られます。一方、日々の出来高は平均で3ヶ月平均209株、10日平均350株と非常に少なく、市場での流動性は限定的です。これは、親会社(太平洋セメント)が発行済株式の65.68%を保有していることに加え、役員や従業員持株会が一定の株式を保有しているため、流通株式数が少ないことに起因すると考えられます。機関投資家の保有割合も2.03%と低く、現状では個人や特定の少数株主による取引が中心となっている可能性があります。
11. 総評
パシフィックシステムは、情報サービス業界において自社開発ソフトや画像処理技術に強みを持ち、親会社である太平洋セメントグループを主要顧客とする安定した事業基盤を持つ企業です。市場のDX推進や情報セキュリティ投資の高まりを背景に、売上・利益ともに成長を続けています。財務安全性は高く、自己資本比率も良好です。
株価は年初来高値圏で推移しており、過去の業績と現在の株価指標(PER、PBR)を業界平均と比較すると、現在の株価は業界平均の水準と比較して低い水準にあります。ただし、同社は親会社が大株主であり、市場での流通量が少ないため、取引の流動性には注意が必要です。配当性向は3割程度で推移しており、安定的な配当を継続する方針が見られます。
企業情報
銘柄コード | 3847 |
企業名 | パシフィックシステム |
URL | http://www.pacific-systems.co.jp/ |
市場区分 | スタンダード市場 |
業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.1)」によって自動生成されました。
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