1. 企業情報
- 企業名: 株式会社朝日ネット
- 所在地: 東京都中央区銀座4-12-15 歌舞伎座タワー
- 設立: 1990年4月2日
- 代表者: 土方 次郎
- 事業内容:
- 主力はインターネットサービスプロバイダ（ISP）「ASAHIネット」の運営。
- 法人・個人向けのFTTH（光回線）サービス、IPv6接続サービス「v6コネクト」。
- 教育機関向けクラウド型LMS（学習管理システム）「manaba」。
- クラウドカメラ「AiSTRIX」やアンケートアプリ「respon」などの関連サービスも展開。
- 従業員数: 非開示（平均年齢: 40.2歳、平均年収: 4,980千円）
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界内ポジション:
- 独立系ISP大手。大手通信キャリア系（NTT、KDDI、ソフトバンク等）と比較し、中堅規模。
- FTTHやIPv6接続に強み。法人向けサービスや利用者満足度の高さが特徴。
- 競争優位性・課題:
- 「ASAHIネット 光」は利用者満足度が高く、法人向けアワード受賞歴あり。
- 通信品質維持やトラフィック増加への対応が業界全体の課題。
- 教育支援サービス分野ではLMS「manaba」のシェアを持つが、契約ID数減少傾向。
3. 経営戦略と重点分野
- 経営ビジョン・戦略:
- FTTHサービスの契約数拡大、法人チャネルの強化。
- VNE「v6コネクト」では提携拡大と品質維持、コストコントロールに注力。
- 教育支援サービス「manaba」では教育DX化に対応した機能強化を推進。
- 中期経営計画:
- 具体的な中計開示はないが、2026年3月期も増収増益を見込む。
- 株主還元や資本効率向上を重視し、自己株式取得も実施。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:
- 月額課金型のISPサービスが主力。安定したストック型収益が特徴。
- 法人向けサービスや教育支援サービスで新規収益源を模索。
- 市場ニーズ変化への適応力:
- FTTH・IPv6等の高速通信、教育DX化など新たな市場ニーズに対応。
- 教育支援分野では契約減少傾向が課題。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発動向・独自性:
- IPv6ネイティブ接続、10Gbps対応FTTHなど先進的な通信技術を導入。
- 教育向けLMS「manaba」はクラウド型で独自機能を開発。
- 主力製品・サービス:
- ISP「ASAHIネット」、VNE「v6コネクト」
- 教育支援「manaba」、クラウドカメラ「AiSTRIX」等
6. 株価の評価
- 株価: 686円
- 予想EPS: 61.79円
- 実績BPS: 487.63円
- PER（予想）: 11.15倍（業界平均23.2倍）
- PBR（実績）: 1.41倍（業界平均2.3倍）
- 配当利回り（予想）: 3.63%
- 評価:
- PER・PBRともに業界平均より低い水準。
- 株主還元（配当・自社株買い）も積極的。
7. テクニカル分析
- 直近株価推移:
- 直近10日間は680～690円台で安定推移。
- 年初来高値: 711円、年初来安値: 622円
- 50日移動平均: 677.38円、200日移動平均: 665.12円
- 現在の株価位置:
- 年初来高値圏に近いが、直近は横ばい傾向。
8. 財務諸表分析
- 売上・利益推移:
- 売上高は3年連続増加（2023年: 12,170百万円 → 2025年: 13,078百万円）。
- 営業利益・純利益も増加傾向。2025年3月期は特別利益計上で純利益大幅増。
- 収益性:
- 営業利益率: 17.9%、ROE: 13.7%、ROA: 11.8%
- 安全性:
- 自己資本比率: 88.5%と極めて高い。
- 流動比率: 約5.3倍、負債比率も低水準。
- キャッシュフロー:
- 営業CFは安定、投資CFは減少傾向、財務CFは自社株買いでマイナス。
- 効率性:
- 総資産回転率: 0.88倍
9. 株主還元と配当方針
- 配当実績・予想:
- 2025年3月期: 年間24.50円、2026年3月期予想: 年間25.00円
- 配当性向: 37.7%、5年平均配当利回り: 3.29%
- 自社株買い:
- 2025年5月に1,000,000株・701百万円を上限に自己株式取得を決議。
- 総合的な株主還元策:
- 配当・自社株買いともに積極的。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価モメンタム:
- 直近10日間は横ばい～やや上昇。
- 信用買残は増加傾向、信用倍率は高い（14.90倍）。
- 投資家関心:
- 配当利回りや安定性を評価する長期投資家の関心が高いと推察。
- 流動性はやや低めだが、安定した値動き。
11. 総評
朝日ネットは、独立系ISP大手として安定した収益基盤を有し、FTTHやIPv6接続など先進的な通信サービスを提供しています。財務体質は極めて健全で、自己資本比率・流動比率ともに高水準。収益性も高く、配当・自社株買いによる株主還元も積極的です。株価指標（PER・PBR）は業界平均と比較して割安感が見られます。今後は、ISP事業の契約数拡大や教育DX分野での新サービス開発が成長の鍵となります。一方で、教育支援サービスの契約減少や通信品質維持などの課題も存在します。全体として、安定性と収益性を兼ね備えた企業といえます。
企業情報
| 銘柄コード | 3834 |
| 企業名 | 朝日ネット |
| URL | http://asahi-net.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
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