1. 企業情報
- 企業名: ビジョナル株式会社（Visional, Inc.）
- 設立: 2020年2月3日
- 所在地: 東京都渋谷区渋谷2-15-1
- 代表者: 南 壮一郎
- 従業員数: 1,857人（平均年齢38.5歳、平均年収854万円）
- 事業内容:
- HR Tech事業（売上の約97%）：「ビズリーチ」（ハイクラス人材向け会員制転職サイト）、人材管理クラウド「HRMOS」シリーズ（採用管理・タレント管理・経費精算・給与・勤怠管理等）
- Incubation事業（売上の約3%）：M&Aマッチング「M&Aサクシード」、物流DX「トラボックス」、脆弱性管理クラウド「yamory」、セキュリティプラットフォーム「ASSURED」等
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界内ポジション: HR Tech分野で国内有数の規模。特に「ビズリーチ」はハイクラス転職市場で高いブランド力を持つ。HRMOSも大手・中堅企業への導入が進む。
- 競争優位性:
- ハイクラス人材に特化した会員制モデル
- クラウド型の一気通貫HRプラットフォーム
- データドリブンな人材活用支援
- 課題:
- Incubation事業は赤字が継続
- 新規事業の収益化が今後の課題
3. 経営戦略と重点分野
- 経営ビジョン: 「新しい可能性を、次々と。」を掲げ、テクノロジーで人材領域の課題解決を目指す。
- 戦略・重点分野:
- HR Tech事業のKPI（導入企業数・会員数・ヘッドハンター数等）拡大
- HRMOSの機能強化と拡販
- Incubation事業での新規プロダクト開発・将来の収益源探索
- 広告宣伝や人材投資による成長ドライブ
- 中期経営計画: 具体的な数値目標や進捗開示は現時点でなし
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: サブスクリプション型（HRMOS）、掲載・成功報酬型（ビズリーチ）、マッチング手数料型（M&Aサクシード等）
- 市場ニーズへの適応力:
- DX・人材流動化・人材管理の高度化ニーズに対応
- クラウドサービスの拡充で継続的な収益基盤を構築
- 新規事業で多角化を図るが、収益化には時間を要する傾向
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発の動向:
- クラウド技術・AI活用によるサービス高度化
- データ解析による人材マッチング精度向上
- 主力製品・サービス:
- 「ビズリーチ」：ハイクラス人材向け会員制転職サイト
- 「HRMOS」シリーズ：採用・人材管理のクラウドサービス
- 新規事業：「M&Aサクシード」「トラボックス」等
6. 株価の評価
- 株価: 12,145円（2025年8月1日終値）
- EPS（直近12か月・希薄化後）: 349.13円
- BPS（直近四半期）: 1,609.27円
- PER（株価収益率）: 12,145円 ÷ 349.13円 ≒ 34.8倍
- PBR（株価純資産倍率）: 12,145円 ÷ 1,609.27円 ≒ 7.6倍
- 業界平均との比較:
- 業界平均PER: 23.2倍
- 業界平均PBR: 2.3倍
→ 業界平均と比べて高い水準
7. テクニカル分析
- 株価推移: 直近10日間で12,145円まで上昇し、52週高値（12,185円）を更新。50日移動平均（10,352.94円）、200日移動平均（8,510.53円）を大きく上回る。
- 現在の株価水準: 52週高値圏に位置し、モメンタムは強い。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去4年で大きく成長（28,698百万円→66,146百万円、CAGR約32%）
- 営業利益・純利益: 営業利益率は約27～33%、純利益も右肩上がり
- キャッシュフロー: 詳細は未開示だが、現預金残高は豊富（62,000百万円）
- ROE: 25.32%（高水準）
- ROA: 15.93%
- 自己資本比率: 73.7%（財務健全）
- 負債: 低水準（Debt/Equity 0.20%）
- 成長性: 売上・利益ともに2桁成長を継続
9. 株主還元と配当方針
- 配当実績: なし（0円）
- 配当性向: 0%
- 自社株買い: 実施実績なし
- 方針: 成長投資を優先
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価モメンタム: 直近1年で約59%上昇。出来高も増加傾向。信用倍率は0.40倍と低く、売り残が買い残を大きく上回る。
- 投資家関心:
- インサイダー保有率高い（36.18%）
- 機関投資家保有も一定割合（32.62%）
- 業績成長・高収益性・人材DX需要への期待で関心高い
11. 総評
ビジョナルは、HR Tech領域で高い成長性と収益性を両立している企業です。主力の「ビズリーチ」「HRMOS」シリーズが市場の人材流動化・DX需要を背景に拡大を続けており、財務基盤も非常に健全です。一方、株価は業界平均と比べて割高な水準にあり、成長期待が強く織り込まれています。配当や自社株買いによる株主還元は現状実施しておらず、成長投資を優先しています。新規事業の収益化や競争環境の変化が今後の注目点となります。
※本レポートは公開情報に基づき、個人投資家向けに分かりやすく整理したものです。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
企業情報
| 銘柄コード | 4194 |
| 企業名 | ビジョナル |
| URL | https://www.visional.inc/ja/index.html |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
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