1. 企業情報
- 企業名：野村不動産ホールディングス株式会社
- 設立：2004年6月1日
- 所在地：東京都新宿区西新宿1-26-2
- 従業員数：8,732人（平均年齢41.7歳、平均年収1,180万円）
- 事業内容：
- 総合不動産業。主力は「プラウド」ブランドの分譲マンション開発・販売。
- 賃貸ビル・ホテルの開発・運営、不動産投資信託（REIT）、資産運用、仲介・CRE（企業不動産戦略）、運営管理など幅広い不動産関連サービスを展開。
- 連結事業構成（2025.3）：住宅48%、都市開発28%、海外1%、資産運用2%、仲介・CRE7%、運営管理13%、他0%。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界内ポジション：
- 国内大手不動産デベロッパーの一角。マンション分譲に強みを持ち、都市開発やビル賃貸でも存在感。
- 不動産投資信託（REIT）運用も手掛け、アセットマネジメント分野でも一定の地位。
- 競争優位性・課題：
- ブランド力（「プラウド」等）と、都市開発・賃貸ビルの長期安定収益基盤が強み。
- 住宅事業の市況変動、海外展開の遅れ、資産効率・財務健全性の維持が課題。
3. 経営戦略と重点分野
- 経営ビジョン・戦略：
- 「都市・社会の持続的成長への貢献」を掲げ、住宅・都市開発・運営管理・資産運用のバランス成長を目指す。
- 既存事業の深化と新規事業・海外展開の拡大を両立。
- 中期経営計画の重点施策：
- 都市開発や運営管理、仲介・CRE事業の強化。
- 海外事業は選択と集中でリスク管理重視。
- DX（デジタル変革）による業務効率化・新サービス創出。
- サステナビリティ経営の推進（環境配慮型開発、ESG投資対応）。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル：
- 住宅分譲による売上型収益と、都市開発・賃貸ビル・運営管理によるストック型収益の両輪。
- 不動産市況や金利動向に左右されやすいが、賃貸・管理収入の安定性が下支え。
- 市場ニーズ適応力：
- 都市部の再開発や高付加価値住宅需要、オフィス・物流施設の需要変化に対応。
- 海外事業は慎重姿勢でリスク管理を強化。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発の動向：
- スマートホーム、環境配慮型建築、DX推進（不動産テック活用）などを推進。
- 主力製品・サービス：
- 「プラウド」シリーズ（分譲マンション）、都市型オフィスビル、ホテル開発。
- 不動産投資信託（REIT）の運用、CREコンサルティング、プロパティマネジメント。
6. 株価の評価
- 株価：859.1円（2025年8月1日終値）
- EPS（会社予想）：87.27円
- BPS（実績）：870.09円
- PER（会社予想）：9.84倍（業界平均13.6倍）
- PBR（実績）：0.99倍（業界平均1.6倍）
- 配当利回り（会社予想）：4.19%
- 評価：
- 業界平均と比較してPER・PBRともに割安水準。
- 配当利回りも高め。
7. テクニカル分析
- 株価推移：
- 年初来高値：909円、年初来安値：751円
- 直近10日間は830円～860円台で推移し、高値圏に接近。
- 50日移動平均：848.59円、200日移動平均：822.45円
- 現在値は移動平均線を上回り、やや強含みの展開。
8. 財務諸表分析
- 売上・利益推移（年度別）：
- 売上高：2022年6450億円→2025年7576億円（着実な増加傾向）
- 営業利益：2022年912億円→2025年1,189億円
- 純利益：2022年553億円→2025年748億円
- EPS：2022年61.56円→2025年86.77円
- キャッシュフロー：
- 営業活動CFはマイナス傾向だが、投資・財務活動で調整。
- 現金残高は安定的。
- ROE/ROA：
- ROE：10.39%、ROA：2.97%（不動産業としては標準的～やや高め）
- 自己資本比率：
- 27.9%（直近四半期28.2%）で、業界水準。
- 負債：
- 総負債は高めだが、流動比率2.82と短期的な資金繰りは良好。
9. 株主還元と配当方針
- 配当実績・予想：
- 2026年3月期予想：年間36円（分割前180円）、配当性向約39.2%
- 配当利回り4.19%（業界平均を上回る水準）
- 株主還元策：
- 自社株買いも実施。
- 安定配当・累進配当を基本方針とする。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価変動傾向：
- 直近では上昇基調が続き、年初来高値圏に接近。
- 出来高も増加傾向で、投資家の関心は高い。
- 信用取引動向：
- 信用買残は増加、信用倍率5.85倍とやや買い長。
- 影響要因：
- 不動産市況、金利動向、政策（金利・住宅ローン減税等）、業績見通し、配当政策などが株価に影響。
11. 総評
野村不動産ホールディングスは、分譲マンション「プラウド」など住宅事業を主力としつつ、都市開発・賃貸ビル・運営管理・資産運用など幅広い不動産関連事業を展開する大手企業です。近年は売上・利益ともに堅調に推移し、財務の安定性も維持しています。株価指標（PER・PBR）は業界平均と比べて割安水準にあり、配当利回りも高めです。株価は年初来高値圏にあり、投資家の注目度も高い状況です。
一方、住宅事業の市況変動や海外事業の収益性、負債水準の管理などが今後の課題となります。中期経営計画では、都市開発や運営管理、DX推進、サステナビリティ経営を重視しており、今後の成長戦略の進捗が注目されます。
企業情報
| 銘柄コード | 3231 |
| 企業名 | 野村不動産ホールディングス |
| URL | http://www.nomura-re-hd.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 不動産 – 不動産業 |
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