1. 企業情報
- 会社概要
バンダイナムコホールディングスは、総合エンターテインメント企業で、玩具、デジタルゲーム、アニメ・映像、アミューズメント施設など幅広い事業を展開しています。バンダイとナムコが経営統合し、2005年に設立。主な事業セグメントは「デジタル事業」「トイホビー事業」「IPプロデュース事業」「アミューズメント事業」です。世界的な人気IP（知的財産）を活用した商品・サービスが強みです。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 競争優位性
玩具分野では国内トップクラス、デジタルゲーム分野でも有力タイトルを多数保有し、グローバル展開を強化しています。IP（キャラクター・ブランド）活用力が高く、アニメ・映像・ゲーム・玩具を一体で展開する「IP軸戦略」が特徴です。
– 課題
世界的な競争激化や消費者嗜好の変化、IPの陳腐化リスク、グローバル市場での競合他社（任天堂、ソニー、米国大手ゲーム会社等）との競争が課題です。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・戦略
「Fun for All into the Future」「Connect with Fans」を掲げ、IP価値の最大化とグローバル展開を推進。
– 中期経営計画
2022年4月からの3ヵ年計画で「いいものつくる」「もっとひろげる」「そだてつづける」「みがきふかめる」をキーワードに、2028年3月期に売上高1兆4,500億円・営業利益2,000億円を目標としています。
デジタル事業は品質重視のタイトル開発、トイホビー事業はグローバル展開・生産体制強化、IPプロデュース事業は新IP創出、アミューズメント事業はファンとの接点強化を重視。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
IPを軸に、ゲーム・玩具・映像・アミューズメント施設など多面的に収益を上げるモデル。ヒットIPの長期活用やグローバル展開で安定した収益基盤を構築。
– 市場ニーズへの適応力
市場変化に応じて新規IP開発や既存IPの多角的展開を行い、消費者ニーズの変化にも柔軟に対応しています。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発の動向・独自性
ゲーム開発ではグローバルヒット作「ELDEN RING」など高品質タイトルが強み。玩具分野ではプラモデル・フィギュア・カード商材などで独自の開発力を発揮。
– 主力製品・サービス
「ELDEN RING」などの家庭用ゲーム、ガンプラ（プラモデル）、一番くじ、カードダス、アニメ作品（ガンダム、ドラゴンボール等）、アミューズメント施設運営など。
6. 株価の評価
- EPS（会社予想）： 154.51円
- BPS（実績）： 1,225.02円
- PER（会社予想）： 32.24倍（業界平均14.5倍より高い）
- PBR（実績）： 4.07倍（業界平均1.3倍より高い）
- 現在株価： 4,982円
- 理論株価（BPS×業界平均PBR）： 1,225.02 × 1.3 ≒ 1,592円
- 理論株価（EPS×業界平均PER）： 154.51 × 14.5 ≒ 2,240円
現在の株価は業界平均指標と比較して高い水準です。
7. テクニカル分析
- 株価推移
年初来高値：5,300円、年初来安値：3,417円
直近株価は4,982円で、50日移動平均（4,752.96円）、200日移動平均（4,321.83円）を上回っています。
直近10日間で5,000円付近まで上昇後、やや調整気味。年初来高値圏に近い水準です。
8. 財務諸表分析
- 売上・利益推移（過去4期）
- 売上高：889,270百万円（2022/3）→990,089百万円（2023/3）→1,050,210百万円（2024/3）→1,241,513百万円（2025/3）
- 営業利益：125,496百万円（2022/3）→116,473百万円（2023/3）→90,682百万円（2024/3）→180,229百万円（2025/3）
- 当期純利益：92,752百万円（2022/3）→90,345百万円（2023/3）→101,493百万円（2024/3）→129,301百万円（2025/3）
- キャッシュフロー
営業活動によるCFは増加傾向（2025/3期：187,337百万円）。投資・財務活動は資金流出。
– 収益性・効率性
– ROE：17.33%（高水準）
– ROA：10.86%
– 営業利益率：14.5%（前期8.6%から大幅改善）
– 自己資本比率：71.9%（財務健全）
9. 株主還元と配当方針
- 配当実績
- 2024年3月期：年間配当60円
- 2025年3月期：年間配当71円（うち業績連動配当49円）
- 2026年3月期（予想）：中間配当23円、期末配当は未定
- 配当利回り
- 直近実績：1.45%
- 予想：0.92%（会社予想）
- 配当性向
- 11.12%（安定的な水準）
- 自社株買い
- 自己株式消却（10,000,000株）を実施
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価変動傾向
直近1年で約86%上昇し、強いモメンタム。直近は高値圏で推移しつつ調整色も見られる。
– 投資家関心
機関投資家の保有比率が高い（41.17%）、インサイダー保有も14.39%。信用倍率9.04倍と買い長傾向。
11. 総評
バンダイナムコホールディングスは、IPを活用した多角的な事業展開とグローバル戦略を強みとする総合エンターテインメント企業です。近年は全セグメントで増収増益を達成し、財務基盤も堅固です。株価は業界平均指標と比べて高い水準にあり、成長期待が織り込まれていると考えられます。配当や自社株買いなど株主還元策も実施しています。今後はグローバル市場での競争やIPの持続的な創出・活用が鍵となります。
※本レポートは情報提供を目的としたものであり、投資判断を目的としたものではありません。
企業情報
| 銘柄コード | 7832 |
| 企業名 | バンダイナムコホールディングス |
| URL | http://www.bandainamco.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – その他製品 |
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