鳥羽洋行(証券コード: 7472)企業分析レポート
個人投資家の皆様へ、鳥羽洋行の企業分析レポートをお届けします。
1. 企業情報
鳥羽洋行は、国内外で機械器具や設備の販売・設置を手がける機械工具の専門商社です。特に、製造業の自動化に不可欠な「FA機器(ファクトリーオートメーション機器)」や「産業用ロボット」に強みを持っています。
製品ラインナップは多岐にわたり、空圧・油圧シリンダー、電磁弁などの「制御機器」、各種産業用ロボットやねじ締め・塗布・超音波はんだ付けロボットなどの「FA機器・自動組立装置」、電子基板実装関連製品、画像・測定機器、環境関連機器、物流・運搬機器、その他一般産業機器などを幅広く取り扱っています。
現在の連結事業構成はFA機器が全体の約50%を占め主力となっており、それに制御機器が27%、産業機器が23%と続いています(2025年3月期実績)。
2. 業界のポジションと市場シェア
同社は機械工具の専門商社として、国内外の多種多様なメーカーから製品を仕入れ、製造業の顧客に提供するビジネスモデルを展開しています。FA機器や産業用ロボットに注力している点が特徴であり、これらは人手不足解消や生産性向上を目指す企業のニーズに合致しています。
業界内における具体的な市場シェアの数値は提供されていませんが、幅広い製品ラインナップと国内外での販売ネットワークは、顧客に対して多様なソリューションを提供できるという点で競争上の強みとなり得ます。一方で、市場全体の景気動向、特に半導体や自動車産業、設備投資の動向に業績が左右される側面があります。また、地政学的リスクや原材料価格の変動も事業環境に影響を与える可能性があります。
3. 経営戦略と重点分野
提供された情報からは、経営陣が掲げる具体的な中期経営計画や長期ビジョンについての詳細な記述は確認できませんでした。しかし、事業内容からもわかる通り、「産業用ロボットに注力」している点は明確な戦略方向の一つと考えられます。これは、今後の製造業における自動化・省力化の進展を捉え、成長分野での事業拡大を目指すものと推測されます。
4. 事業モデルの持続可能性
鳥羽洋行の事業モデルは、メーカーと顧客企業を結びつける商社としての役割です。特定の製品やメーカーに偏らず、多様な産業機械や部品を取り扱うことで、広範な顧客ニーズに対応し、安定的な事業運営を目指しています。FA機器や産業用ロボットなど、今後も需要が見込まれる成長市場に注力していることは、事業モデルの持続可能性を高める要因と言えます。市場ニーズの変化に対しては、半導体関連や自動車産業といった活況な分野への販売強化、海外販売の拡大を通じて適応を図っていると見られます。
5. 技術革新と主力製品
同社は自社で製品を製造するメーカーではないため、直接的な技術開発に関する情報は提供されていません。しかし、商社として、国内外の先端技術を持つメーカーの最新製品を顧客に提供することで、技術革新に対応しています。FA機器と産業用ロボットは同社の売上の約半分を占める主力事業分野であり、これらが現在の収益を牽引している主要な製品群と考えられます。
6. 株価の評価
現在の株価は3,675.0円です。
各種指標を基に、株価の評価を確認します。
* 1株当たり当期純利益(EPS):会社予想では連結341.51円です。
* 1株当たり純資産(BPS):実績では連結5,304.55円です。
* 株価収益率(PER):会社予想では連結10.76倍です。
* 株価純資産倍率(PBR):実績では連結0.69倍です。
参考として、業界平均PERは10.1倍、業界平均PBRは0.7倍です。
* PERによる評価:同社のPER10.76倍は、業界平均(10.1倍)と比較してやや高い水準にあります。仮に業界平均PERを適用した場合の理論株価は、EPS 341.51円 × 10.1倍 = 約3,449円となります。
* PBRによる評価:同社のPBR0.69倍は、業界平均(0.7倍)と比較してやや低い水準にあります。仮に業界平均PBRを適用した場合の理論株価は、BPS 5,304.55円 × 0.7倍 = 約3,713円となります。
現在の株価3,675.0円は、PER基準ではやや割高、PBR基準ではやや割安と判断できる水準にあります。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価推移を見ると、3,550円から3,680円のレンジで推移しており、本日の株価3,675円は高値圏にあります。
年初来高値が3,825円、年初来安値が3,000円であることと比較しても、現在の株価は年初来高値に近い水準です。
50日移動平均線(3,610.30円)と200日移動平均線(3,527.90円)を現在の株価が上回っており、短期および中期的なトレンドは上昇基調にあると見られます。
ただし、直近の出来高は800株と少なく、月間平均出来高や10日間平均出来高もそれぞれ1.9千株、1.51千株と低水準にあり、市場での流動性は高くない点に留意が必要です。
8. 財務諸表分析
- 売上・利益の推移:
- 売上高は、2022年3月期から2024年3月期にかけて一時的に減少傾向がありましたが、2025年3月期には31,565百万円(前年同期比11.0%増)と大きく回復しました。
- 営業利益も2024年3月期に一時減少しましたが、2025年3月期には1,684百万円(前年同期比11.2%増)と回復し、親会社株主に帰属する当期純利益も1,231百万円(前年同期比14.6%増)と大幅に増加しています。
- 2026年3月期も増収増益の予想が示されており、業績は堅調に推移する見込みです。
- キャッシュフロー:
- 過去12か月の営業活動によるキャッシュフローは△752百万円、投資活動によるキャッシュフローは△579百万円、財務活動によるキャッシュフローは△950百万円と、全てマイナスとなっています。
- 決算短信によれば、営業活動によるキャッシュフローのマイナスは、売上債権や棚卸資産の増加(事業拡大に伴う運転資金の増加)が主な要因と説明されています。
- 投資活動によるキャッシュフローのマイナスは定期預金の預入、財務活動によるキャッシュフローのマイナスは配当金の支払いや自己株式の取得が主な要因です。
- 期末の現金及び現金同等物は10,472百万円と潤沢であり、財務基盤の安定性を示しています。
- 収益性・安全性:
- 自己資本比率は68.2%と非常に高く、財務の健全性は保たれています。
- ROE(実績)は5.94%、ROA(過去12か月)は3.35%です。自己資本比率の高さは安全性を高める一方で、ROEが5.94%であることから、資本を効率的に活用して利益を上げているかという点では、改善の余地があるとも考えられます。
9. 株主還元と配当方針
同社は株主還元に積極的な姿勢が見られます。
* 配当:2025年3月期の1株配当は130.00円(会社予想)、配当利回りは約3.54%(現在の株価ベース)です。2024年3月期の120円から増配となっており、2026年3月期も130円の配当を予想しています。配当性向は算出情報によると41.84%であり、利益の成長と共に安定した配当の継続が期待されます。
* 自社株買い:決算短信のキャッシュフローの内訳において「自己株式の取得」が財務活動によるキャッシュフローのマイナス要因として挙げられており、自社株買いによる株主還元も実施していると推測されます。
10. 株価モメンタムと投資家関心
株価は直近で上昇傾向にあり、50日移動平均線、200日移動平均線を上回って推移していることから、短期・中期的には上昇の勢いが見られます。しかし、出来高が少ないため、特定の投資家による売買が株価に影響を与えやすい可能性があります。
今後の株価に影響を与える要因としては、製造業の設備投資意欲、特に半導体や自動車関連の景気動向、FA機器・産業用ロボット市場の成長性、以及地政学的リスクや原材料価格の変動などが考えられます。5月9日の決算発表(Earnings Date)も注目されるイベントです。
11. 総評
鳥羽洋行は、FA機器や産業用ロボットを主力とする機械工具専門商社であり、成長分野への注力が見られます。2025年3月期は売上・利益ともに回復し、翌期も増益を見込むなど、業績は堅調な推移が期待されます。高い自己資本比率を保ち、財務基盤は強固です。株主還元にも積極的で、安定した配当と増配傾向が見られます。
現在の株価は年初来高値圏にあり、PERは業界平均よりやや高く、PBRはやや低い水準です。営業キャッシュフローはマイナスですが、これは運転資金の増加によるものであり、現預金残高は潤沢です。一方で、出来高が少なく市場での流動性が高くない点は留意すべき点です。
企業情報
銘柄コード | 7472 |
企業名 | 鳥羽洋行 |
URL | http://www.toba.co.jp/ |
市場区分 | スタンダード市場 |
業種 | 商社・卸売 – 卸売業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.1)」によって自動生成されました。
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