植木組 (1867) 企業分析レポート
東京証券取引所スタンダード市場に上場する植木組(1867)について、個人投資家向けに企業分析レポートをまとめました。
1. 企業情報
植木組は、1885年に創業し、1948年に設立された新潟県を地盤とする中堅の総合建設会社です。主な事業内容は、土木・建築請負工事を行う「建設事業」であり、連結売上高の約88%を占めています。その他に不動産の売買・賃貸を行う「不動産事業」、建設資材の製造販売を行う「建材製造販売事業」、その他(有料老人ホームなど)の事業も手掛けています。近年は新潟県外の中部・東北地方などへの展開にも注力しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
同社は新潟県に本拠を置く中堅建設会社として、地域に根差した事業活動を行っています。建設業界では、公共投資は堅調に推移している一方で、民間設備投資の先行きには不透明感があります。また、業界全体として人手不足や技能労働者の高齢化が課題となっており、同社もこれらの課題に直面していると考えられます。特定の市場シェアに関する具体的なデータは提供されていませんが、県外への事業拡大や有料老人ホーム事業への進出を通じ、事業基盤の強化を図っていると見られます。
3. 経営戦略と重点分野
植木組は、2025年度を初年度とする「中期経営計画(2025~2027年度)」を策定し、その達成に向けて事業を推進しています。この中期経営計画では、「営業力」「技術力」「人財力」の3つを重点テーマとして掲げています。具体的には、省人化の推進、人材育成への取り組み、働きやすい職場環境づくりを通じて、持続的な成長を目指す方針です。
4. 事業モデルの持続可能性
同社の収益の大部分は建設請負工事に依存しており、公共工事や民間設備投資の動向に業績が左右される可能性があります。一方で、不動産事業や有料老人ホーム事業といった多角化は、建設事業の変動リスクを緩和し、高齢化社会といった市場ニーズの変化に対応する柔軟性を示しています。また、資材価格や労務コストの高騰は業界共通のリスク要因として認識されており、これらのコスト管理が持続可能性の鍵となります。
5. 技術革新と主力製品
現在の主力は土木・建築請負工事です。具体的な技術革新に関する記述は提供されていませんが、中期経営計画において「技術力」が重点テーマとして掲げられていることから、今後技術開発や効率化への投資が期待されます。
6. 株価の評価
現在の株価2,249.0円に基づき、主要な株価指標を算出します。
* 1株当たり利益 (EPS): 297.09円 (過去12ヶ月)
* 1株当たり純資産 (BPS): 4419.71円 (直近四半期)
これらをもとに、PER(株価収益率)とPBR(株価純資産倍率)を計算すると、以下のようになります。
* PER: 2,249.0円 ÷ 297.09円 = 約 7.57倍
* PBR: 2,249.0円 ÷ 4419.71円 = 約 0.51倍
業界平均PER 11.3倍、業界平均PBR 0.7倍と比較すると、現在の株価はPER、PBRともに業界平均より低い水準にあります。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価推移を見ると、2025年7月18日の2,003円から2025年8月1日の2,249円まで上昇傾向にあります。現在の株価2,249円は、52週高値2,272円に非常に近く、直近で高値圏に位置していると判断できます。また、現在の株価は、50日移動平均線(2,009.02円)および200日移動平均線(1,767.10円)を大きく上回って推移しています。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 2025年3月期は507億3百万円となり、前年同期比9.3%の減少となりました。これは、建設事業において下期に大型工事の受注が集中したことによる工事進捗率の低下が主な要因です。
- 利益: 売上高は減少したものの、営業利益は28億53百万円(前年同期比10.0%増)、経常利益は29億50百万円(同11.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は19億34百万円(同3.1%増)と、いずれも増益を達成しました。建設事業における期初からの繰越工事の利益率向上が利益増加に寄与しました。
- キャッシュフロー: 営業活動によるキャッシュ・フローは26億49百万円のプラスとなり、前期のマイナスから改善しました。投資活動によるキャッシュ・フローは10億83百万円のマイナス、財務活動によるキャッシュ・フローは7億93百万円のプラスでした。
- 収益性: 売上高営業利益率は5.6%(前期4.6%)に改善しました。ROE(株主資本利益率)は6.89%、ROA(総資産利益率)は3.53%でした。
- 財務安全性: 自己資本比率は57.0%(前期末54.4%)に向上し、強固な財務基盤を維持しています。流動比率は1.91、総負債対株主資本比率(Total Debt/Equity)は13.24%と、財務の健全性は高いと評価できます。
9. 株主還元と配当方針
同社は積極的な株主還元姿勢を示しています。
* 配当実績: 2025年3月期は1株当たり90円(普通配当80円+創業140周年記念配当10円)の実績配当を行いました。
* 配当予想: 2026年3月期についても、1株当たり90円の配当を予想しています。
* 現在の配当利回り: 予想配当180円(※提供データにForward Annual Dividend Rate 180とあるため、年間配当を180円と仮定した場合)に基づくと約8.00%となります。実績配当90円に基づくと約4.09%です。
* 配当性向: 約26.93%と、利益に対する配当の割合は健全な水準にあります。
提供されたデータでは、Forward Annual Dividend Rateが180円とあり、今後の見通しには2026年3月期予想を90円と記載されているため、この差異については注意が必要です。
10. 株価モメンタムと投資家関心
過去1年間の株価変動は57.49%の上昇を示しており、S&P 500の20.28%を大きく上回るパフォーマンスです。直近の株価は52週高値圏で推移しており、上昇の勢いが見られます。しかし、直近の出来高は比較的少なく、本日は8,400株でした。信用取引においては、信用買残が52,600株に対して信用売残が100株と、信用倍率が526.00倍と非常に高い水準にあり、買い残が圧倒的に多い需給状況が見られます。これは、短期的な上値の重さにつながる可能性も考えられます。高い配当利回りと堅実な財務状況は、投資家の関心を引く要因となる可能性があります。
11. 総評
植木組は、新潟県を地盤とする中堅建設会社でありながら、県外展開や多角化を図り、事業領域の拡大に努めています。2025年3月期は、売上高は減少したものの、工事利益率の改善により増益を達成し、財務体質も自己資本比率の向上などで健全性を保っています。
現在の株価は、PER約7.57倍、PBR約0.51倍と、業界平均と比較して割安感があると見られます。配当利回りが高い水準にあり、安定した株主還元を行っている点も特徴です。
株価は直近で52週高値に迫る勢いで上昇しており、市場からの一定の評価を受けていると考えられます。一方で、信用倍率の高さや出来高の水準は今後の株価動向に影響を与える可能性もあります。
同社は、中期経営計画に沿って「営業力」「技術力」「人財力」を強化することで、持続的な成長を目指す方針です。建設業界特有のリスク要因(景気変動、資材価格や労務コストの変動など)は存在しますが、堅実な経営と強固な財務基盤、そして株主還元に対する姿勢は、同社の魅力となり得る要素です。
企業情報
銘柄コード | 1867 |
企業名 | 植木組 |
URL | http://www.uekigumi.co.jp/ |
市場区分 | スタンダード市場 |
業種 | 建設・資材 – 建設業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.1)」によって自動生成されました。
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