1. 企業情報
- 企業名: ピーエス・コンストラクション株式会社（旧：P.S.三菱建設株式会社）
- 設立: 1952年3月1日
- 本社所在地: 東京都港区東新橋1-9-1 東京汐留ビルディング
- 従業員数: 1,615人
- 事業内容:
プレストレストコンクリート（PC）技術を活用した橋梁や建築物の設計・施工を主力とし、土木・建築工事の請負、コンクリート製品の製造・販売、不動産事業、保険代理業などを展開。大成建設の子会社であり、PCコンクリート橋梁分野で国内トップクラスの実績を持つ。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界内ポジション:
PC（プレストレストコンクリート）橋梁分野で国内首位級。大成建設グループの中核子会社として、土木・建築両分野で安定した受注基盤を持つ。
– 競争優位性:
高度なPC技術、長年の施工実績、グループシナジーによる安定受注が強み。特に高速道路や大規模インフラの更新・修繕工事で高いシェアを維持。
– 課題:
建設業界全体の課題として、労働力不足、人件費・資材費の高騰、環境対応などが挙げられる。
3. 経営戦略と重点分野
- 経営ビジョン:
「PC技術を中核とした高度な技術力により、地球にやさしく安全で快適な社会の実現に貢献する」
– 中期経営計画（2025～2027年度）:
– PC技術の深化と新領域への展開
– 建設DX推進による生産性向上
– 多様な人材活用と働き方改革
– 環境負荷低減への取り組み
– 収益性重視の選別受注
– 重点分野:
高速道路会社の大規模更新・修繕工事、環境対応型建築、原価低減・生産性向上
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:
インフラ更新・修繕需要や公共投資の継続、民間設備投資の回復などに支えられている。PC技術の独自性が差別化要素。
– 市場ニーズ変化への適応:
建設DXや環境配慮型工法の導入、働き方改革などに積極的。事業ポートフォリオも土木・建築両輪でバランスを図る。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発:
PC（プレストレストコンクリート）技術の深化、複合構造橋梁、長大橋梁、耐震技術などに強み。建設DX（デジタル化）も推進。
– 主力製品・サービス:
PC橋梁、複合トラス橋、アーチ橋、PCデッキスラブ、建築用PC部材（梁・柱・床等）
6. 株価の評価
- 株価: 1,874円（2025-08-05時点）
- EPS（1株当たり利益）: 175.92円（2025年3月期実績）
- BPS（1株当たり純資産）: 1,237.91円（直近四半期）
- PER（株価収益率）:
1,874円 ÷ 175.92円 ≈ 10.65倍（業界平均14.0倍）
– PBR（株価純資産倍率）:
1,874円 ÷ 1,237.91円 ≈ 1.51倍（業界平均1.1倍）
7. テクニカル分析
- 直近高値: 1,874円（52週高値・本日高値）
- 直近安値: 828円（52週安値）
- 50日移動平均: 1,775.46円
- 200日移動平均: 1,406.84円
- 直近10日間の推移:
1,750円台から1,870円台まで上昇し、直近で高値を更新。出来高も増加傾向。
– 評価:
株価は52週高値圏・短期的な上昇トレンドの中にある。
8. 財務諸表分析
- 売上高:
2025年3月期 135,627百万円（前期比+4.9%）
– 営業利益:
12,315百万円（前期比+57.3%）
– 純利益:
8,217百万円（前期比+62.6%）
– ROE: 14.93%（過去12か月）
– ROA: 6.09%（過去12か月）
– 営業キャッシュフロー: 15,952百万円
– 自己資本比率: 44.2%
– 財務安全性:
現金22,100百万円、総負債18,560百万円、Debt/Equity 32.07%、流動比率1.69と健全。
– 成長性:
2025年3月期は大幅増益だが、2026年3月期は減益予想（売上+4.7%、営業利益-22.9%、純利益-24.6%）。
9. 株主還元と配当方針
- 配当実績:
- 2024年3月期：50円
- 2025年3月期：72円
- 2026年3月期（予想）：80円
- 配当利回り:
- 32%（予想、2025-08-05株価ベース）
- 配当性向:
40.93%
– 自社株買い:
直近で大きな自社株買いの実施は確認できない。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価モメンタム:
直近10日間で約6%上昇し、52週高値を更新。出来高も増加。
– 信用取引動向:
信用買残は減少傾向（-20,800株）、信用倍率6.47倍でやや買い長。
– 投資家関心:
大成建設グループによる安定株主構成（インサイダー保有率69.24%）、配当利回りの高さ、株価上昇トレンドが注目材料。
11. 総評
ピーエス・コンストラクションは、PC橋梁分野で国内首位級の地位を持ち、安定した受注基盤と高度な技術力を背景に、2025年3月期は大幅増益を達成しました。財務体質も健全で、配当利回りも高水準です。今後は建設業界全体の課題（人件費・資材費高騰、労働力不足）や2026年3月期の減益予想がリスク要因となりますが、長期的にはインフラ更新需要や環境対応型事業の拡大が期待されます。株価は直近高値圏にあり、投資家の関心も高まっています。
企業情報
| 銘柄コード | 1871 |
| 企業名 | ピーエス・コンストラクション |
| URL | https://www.psc.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 建設・資材 – 建設業 |
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