1. 企業情報

  • 企業名:楽天銀行株式会社
  • 設立:2000年1月14日
  • 所在地:東京都港区港南2-16-5 NBF品川タワー
  • 従業員数:1,076人
  • 概要:楽天グループ傘下の日本最大級インターネット専業銀行。個人・法人・個人事業主向けに、預金(普通・定期・外貨)、投資信託、カードローン、住宅ローン、リバースモーゲージ、各種決済サービス、キャッシュレスサービス等を提供。楽天グループの顧客基盤を活かしたクロスセルに強みを持つ。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • 業界内ポジション:ネット銀行最大手。口座数1,683万口座、預金残高約11.5兆円(2025年3月末時点)。
  • 競争優位性
    • 楽天グループのエコシステムとの連携による顧客獲得・クロスセル力
    • デジタルバンキングに特化した効率的な運営
  • 課題
    • 伝統的銀行との競争激化
    • フィンテック新興勢力の台頭
    • セキュリティ・規制対応の強化

3. 経営戦略と重点分野

  • ビジョン:デジタル時代の金融インフラとして、利便性・安全性の高いサービスを提供し続けること
  • 重点施策
    • 「JRE BANK」など新サービスの拡大
    • リバースモーゲージ等の高齢者向け商品強化
    • 楽天グループとの連携深化によるクロスセル推進
    • セキュリティ強化・内部管理体制の充実
  • 中期計画:具体的な数値目標の開示はないが、事業規模の拡大・収益力向上を継続

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル
    • 預金・貸出の利鞘
    • 各種手数料収入(決済・送金・投資信託等)
    • グループシナジーによる顧客基盤拡大
  • 市場ニーズ適応
    • キャッシュレス化・デジタルシフト対応
    • 高齢化社会へのリバースモーゲージ商品
    • 新規サービス(JRE BANK等)で新市場開拓

5. 技術革新と主力製品

  • 技術開発
    • 完全オンラインバンキング基盤
    • API連携による外部サービスとの統合
    • セキュリティ技術の高度化
  • 主力サービス
    • 普通・定期・外貨預金
    • 各種ローン(住宅、カード、リバースモーゲージ等)
    • キャッシュレス決済・デビットカード
    • 「JRE BANK」など新規金融サービス

6. 株価の評価

  • 株価:6,713円(2025-08-05時点)
  • EPS(予想):368.79円
  • BPS(実績):1,729.90円
  • PER(予想):18.19倍(業界平均10.7倍より高い)
  • PBR(実績):3.88倍(業界平均0.4倍より大幅に高い)

コメント
株価は業界平均と比較してPER・PBRともに高い水準。成長期待やグループシナジーへの評価が織り込まれていると考えられる。

7. テクニカル分析

  • 年初来高値:7,909円
  • 年初来安値:4,240円
  • 50日移動平均:6,950円
  • 200日移動平均:5,497円
  • 直近株価推移:7月下旬に7,200円台の高値をつけた後、足元は6,700円台で推移。短期的にはやや調整局面。
  • 現在の株価位置:50日線を下回りつつあり、やや安値圏寄り。ただし年初来安値からは大きく上昇した水準。

8. 財務諸表分析

  • 売上(経常収益):184,534百万円(前年比33.7%増)
  • 経常利益:71,524百万円(前年比47.8%増)
  • 純利益:50,779百万円(前年比47.4%増)
  • EPS:291.03円(前年比46.6%増)
  • ROE(実績):18.06%(前年14.1%)
  • 自己資本比率(連結):10.61%(前年10.93%)
  • 営業CF:183,758百万円(前年比大幅減少)
  • 資産・純資産:総資産1.47兆円、純資産3,191億円
  • 成長性:売上・利益ともに2年連続で大幅増加。高い成長率を維持。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当実績:2024年・2025年・2026年(予想)ともに無配
  • 配当利回り:0.00%
  • 自社株買い:実施記録なし
  • 方針:成長投資優先のため、現時点で配当・還元策は未定

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 直近の株価変動:7月下旬に高値を付けて以降、やや調整傾向。出来高は高水準を維持。
  • 信用取引動向:信用買残減少・売残増加傾向(需給やや悪化)
  • 株価上昇要因:高い成長率・グループシナジーへの期待
  • 下落要因:高バリュエーション、配当なし、需給悪化など

11. 総評

楽天銀行は、ネット銀行最大手として高い成長性と収益性を示しています。楽天グループの顧客基盤やデジタル金融サービスの拡大が強みであり、今後も新サービスや高齢化社会対応商品などを通じて事業拡大が期待されます。一方、株価は業界平均と比較して高いバリュエーションが付与されており、無配当方針や信用需給の悪化などが短期的な株価の重しとなる可能性もあります。財務基盤は堅調ですが、今後の成長戦略や還元方針の動向が注目されます。


企業情報

銘柄コード 5838
企業名 楽天銀行
URL https://www.rakuten-bank.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 銀行 – 銀行業

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By シャーロット

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