カゴメ (2811) 企業分析レポート

個人投資家の皆様へ、カゴメ株式会社(証券コード: 2811)の企業分析レポートをお届けします。

1. 企業情報

カゴメは、1899年創業の長い歴史を持つ食品メーカーです。主にトマトを主原料とした加工食品や飲料の製造・販売を手掛けており、国内のトマト加工品市場では最大手のポジションを確立しています。
事業は以下の3つのセグメントに分かれています。
* 国内加工食品事業: 野菜ジュース、トマトケチャップ、パスタソースなどの飲料・調味料・食品全般を製造・販売しています。通信販売やギフト商品の提供も行っています。
* 国内アグリ事業: 新鮮なトマトやベビーリーフなどの農産物の生産・販売を手掛けています。
* 国際事業: 海外において、種苗開発からトマト等の農産物の加工・販売を行っており、特に業務用トマト加工品を積極的に展開しています。

特に飲料ブランドが収益の柱であり、農産品事業の育成にも注力しています。

2. 業界のポジションと市場シェア

カゴメは、長年の歴史と「トマト加工品で首位」「国内最大手」という情報が示す通り、国内のトマト加工品市場において強い競争優位性を確立しています。広範な製品ラインナップと高いブランド認知度も特徴です。
しかし、食品業界全体としては、原材料価格の変動、為替変動、消費者の節約志向の高まりといった外部要因の影響を受けやすい課題を抱えています。特に国際事業においては、トマトペーストの市況下降が直近の業績に影響を与えています。

3. 経営戦略と重点分野

カゴメは、「食を通じて社会課題の解決に取り組み、持続的に成長できる強い企業」を目指すことをビジョンに掲げています。このビジョンを実現するための基本戦略として、以下を重視しています。
* 野菜摂取に対する行動変容の促進: 野菜不足という社会課題に対し、製品を通じた解決を目指します。
* ファンベースドマーケティングへの変革: 消費者とのより深い関係構築に注力し、ロイヤリティを高めます。
* オーガニック・インオーガニック、両面での成長追求: 有機栽培と慣行栽培の両方で事業を拡大し、多様なニーズに応えます。
* グループ経営基盤の強化と挑戦する風土の醸成: グループ全体のシナジーを高め、変化に対応できる組織を目指します。

これらの戦略は、中期経営計画に沿ったものであり、有機的な連携を通じて持続的な成長を図る方針です。

4. 事業モデルの持続可能性

カゴメの事業モデルは、国内外でのトマト・野菜を基盤とした加工食品と飲料の製造・販売が核です。国内加工食品事業と国際事業が収益の多くの部分を占めています。
市場ニーズの変化への適応力としては、健康志向の高まりに対応する「野菜摂取」推進の取り組みや、直接顧客に届けるD to C(Direct to Consumer)チャネルの活用、海外での業務用事業の展開など、多角的なアプローチが見られます。一方で、特定の原材料(トマト)の市況や天候による影響、為替変動リスクなどは事業特性上、常に存在します。直近ではトマトペーストの市況下降が国際事業の収益に影響を与えています。

5. 技術革新と主力製品

カゴメは、種苗生産・販売や新品種・栽培技術の研究開発に注力しており、これは高品質な原料確保と製品開発の源泉となっています。
収益を牽引している主力製品は、主に「飲料」と「トマト加工品」です。特に「野菜生活」などのブランドで知られる飲料カテゴリーは、安定した収益基盤となっています。また、海外における業務用トマト加工品も重要な収益源です。

6. 株価の評価

現在の株価2,918.5円に対し、各種指標は以下の通りです。
* PER(株価収益率): 19.29倍(会社予想)
* 業界平均PER(食料品):19.5倍と比較すると、ほぼ同水準にあります。
* PBR(株価純資産倍率): 1.55倍(実績)
* 業界平均PBR(食料品):1.3倍と比較すると、やや高い水準にあります。
* EPS(1株当たり当期純利益): 151.33円(会社予想)
* BPS(1株当たり純資産): 1,877.04円(実績)

これらの指標から見ると、カゴメの株価は業界平均と比較して、PERは同程度、PBRはやや高い水準に位置していると言えます。

7. テクニカル分析

直近10日間の株価推移を見ると、概ね2,800円台後半から2,900円台前半での取引が中心です。
* 現在の株価: 2,918.5円
* 年初来高値: 3,076円
* 年初来安値: 2,668円
* 52週高値: 3,255.00円
* 52週安値: 2,668.50円

現在の株価は、年初来高値や52週高値からは下回る水準にあり、年初来安値や52週安値からは上昇した水準にあります。
移動平均線を見ると、50日移動平均線(2,891.99円)を上回っていますが、200日移動平均線(2,942.72円)は下回っています。このことから、短期的な視点では強含みが見られるものの、中長期的なトレンドでは上値が重い状況にあると捉えることができます。直近の出来高は、一時的に増加した時期を除くと、平均的に数百千株レベルで推移しています。

8. 財務諸表分析

過去数年間の財務状況を比較分析します。

指標(単位:百万円/円) 過去12ヶ月(2024.12期) 2023年12月期 2022年12月期 2021年12月期
売上収益 306,869 224,730 205,618 189,652
営業利益 35,952 15,255 11,852 13,595
最終利益(親会社所有者帰属) 25,015 10,432 9,116 9,763
EPS(Basic) 278.52 121.17 105.11 109.37
  • 売上収益: 過去数年間で一貫して増加傾向にあります。特に過去12か月および2024年12月期は大きく売り上げを伸ばしています。
  • 利益: 営業利益と最終利益も、2024年12月期(過去12ヶ月)において前年を大きく上回る水準となっています。これは業績が大きく改善したことを示唆しています。
  • キャッシュフロー: 過去12ヶ月の営業活動によるキャッシュフローは28.47B百万円と安定的にプラスを確保しており、事業で着実に資金を生み出していることがわかります。レバードフリーキャッシュフローも12.03B百万円とプラスです。中間期の営業キャッシュフローもプラスです。
  • 収益性(実績、過去12か月):
    • 売上高利益率 (Profit Margin): 4.51%
    • 営業利益率 (Operating Margin): 8.02%
    • ROE (Return on Equity): 7.92%
    • ROA (Return on Assets): 2.16%
    • 自己資本比率は51.3%と堅調で、財務の安定性を示しています。

2025年12月期 第2四半期(中間期)決算の状況:

直近の中間期決算では、売上収益は138,681百万円(前年同期比6.4%減)、事業利益10,400百万円(同32.7%減)、営業利益10,563百万円(同57.2%減)、中間利益6,181百万円(同64.0%減)と、前年同期比で大幅な減収減益となりました。これは、主に国際事業でのトマトペースト市況下降に伴う販売価格引き下げと、国内加工食品事業での原材料費上昇が影響しています。ただし、会社は通期連結業績予想については変更しないとしています。

9. 株主還元と配当方針

カゴメは株主への還元として、配当を実施しています。
* 1株配当(会社予想): 48.00円
* 配当利回り(会社予想): 1.64%
* Forward Annual Dividend Yield: 1.65%
* Trailing Annual Dividend Yield: 1.62%
* 5 Year Average Dividend Yield: 1.24%と比較すると、現在の配当利回りは過去5年平均よりも高い水準にあります。
* 配当性向: 33.86%
* 配当性向は30%台で安定しており、利益を考慮した上で無理のない範囲で配当を実施していると考えられます。

自社株買いに関する具体的な情報提供はありませんでした。

10. 株価モメンタムと投資家関心

株価の直近の変動傾向は、一時的な急騰を伴う場面も見られますが、全体としては特定のトレンドが明確ではなく、もみ合いの動きが見られます。
* 信用取引状況: 信用倍率は3.61倍で、信用買い残が売り残を上回っています。これは、現時点では買い方が優勢ではあるものの、将来の売り圧力に繋がる可能性も示唆しています。
* 出来高: 直近3ヶ月平均出来高は35万株程度ですが、直近10日平均では62万株と関心が高まっているタイミングも散見されます。
* 株価への影響を与える要因:
* 直近の業績(特に国際事業の不調)や通期予想の達成状況
* 原材料価格や為替の動向
* 消費者の健康志向の変化や食品業界のトレンド
* 中期経営計画の進捗と具体的な成果

11. 総評

カゴメ(2811)は、国内トマト加工品市場で確固たる地位を築き、飲料ブランドを収益の柱とする安定した事業基盤を持つ企業です。
中期経営計画では、「食を通じて社会課題の解決」と「持続的成長」を掲げ、野菜摂取促進、ファンベースドマーケティング強化、国内外での成長追求など、多角的な戦略を展開しています。財務基盤は自己資本比率が50%超と安定しており、営業キャッシュフローも継続的にプラスを確保しています。
一方で、直近の2025年12月期第2四半期決算では、国際事業におけるトマトペースト市況の下降や国内事業での原材料費高騰により大幅な減収減益を計上しました。しかし、会社は通期業績予想を変更しておらず、今後の巻き返しに注目が集まります。
株価は、PERでは業界平均と同水準、PBRではやや高い水準にありますが、配当利回りは過去5年平均よりも改善傾向にあります。直近の株価は、中長期的な移動平均線を下回る水準で推移しており、今後の業績回復や市場環境の変化が株価にどのような影響を与えるかが注目されます。


企業情報

銘柄コード 2811
企業名 カゴメ
URL http://www.kagome.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 食品 – 食料品

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.1)」によって自動生成されました。

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By ジニー

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