1. 企業情報
キャリアデザインセンター（CDC）は、主に人材サービス事業を展開する企業です。
具体的には、転職情報サイト「type」やエンジニア向けの「typeエンジニア転職フェア」などのWebメディア運営、人材紹介、IT業界向け派遣、新卒採用支援（就活イベント・マガジン）など、多様な人材ソリューションを提供しています。
エンジニア分野に強みを持ち、Web・IT領域での人材紹介・派遣が主力です。
– 事業構成（2024.9期）：メディア情報34%、人材紹介18%、新卒マーケット6%、IT派遣42%
– 設立：1993年、本社：東京都港区
– プライム市場上場、サービス業
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界内ポジション：人材サービス業界の中堅規模。特にエンジニア領域での転職支援・派遣に強み。
- 競争優位性：自社運営のWebメディア（「type」シリーズ）による集客力、IT・エンジニア分野への特化、無期雇用派遣の強化。
- 課題：エンジニア領域の採用基準が高止まりしており、採用難が続く。新卒領域や一般領域では競争が激化。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・戦略：人材サービス事業の単一セグメントで、エンジニア・IT領域の深耕と新規顧客開拓、無期雇用領域の強化、Webメディアの拡充を推進。
- 中期経営計画：
- IT派遣・人材紹介の拡大
- 新規顧客・登録者獲得の強化
- 採用基準の変化への柔軟な対応
- 広告宣伝・人件費投資とコスト抑制の両立
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル：求人広告・人材紹介手数料・派遣料が主な収益源。IT派遣の伸長により安定収益基盤を形成。
- 市場ニーズ適応力：エンジニア・IT人材需要の高まりに対応。新卒・中途双方のサービスを持ち、景気変動にも一定の耐性。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発動向：Webメディア（typeシリーズ）の機能拡充、AIマッチング等の導入。
- 主力サービス：「type」「typeエンジニア転職フェア」「type女性の転職」「typeIT派遣」など。IT派遣事業が直近で大きく成長。
6. 株価の評価
- PER（予想）：9.40倍（業界平均17.0倍より割安）
- PBR（実績）：2.55倍（業界平均1.8倍より高め）
- EPS（予想）：224.93円
- BPS（実績）：830.12円
- 株価（2025/8/7）：2,115円
参考計算
- 理論株価（EPS×業界平均PER）：224.93円×17.0＝3,823.81円
- 現在株価は理論値より低い水準
7. テクニカル分析
- 年初来高値：2,138円、年初来安値：1,518円
- 直近株価：2,115円（高値圏に接近）
- 50日移動平均：1,887.28円、200日移動平均：1,805.41円
- 直近10日間の株価推移：上昇トレンドが継続し、高値圏で推移
8. 財務諸表分析
- 売上高：直近12ヶ月17,734百万円（前年同期比増加傾向）
- 営業利益：1,432百万円（前年同期比やや減少）
- 純利益：984百万円（前年同期比減少）
- ROE（実績）：25.0%（高水準）
- 自己資本比率：60.5%（健全）
- 営業CF：-109百万円（直近はマイナス）
- 財務傾向：売上・利益ともに中長期で増加傾向。直近はIT派遣事業が牽引。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（予想）：4.49%（高水準）
- 配当性向：約50%（安定的な水準）
- 自社株買い：自己株式保有あり（4.3%）、譲渡制限付株式報酬の活用
- 配当方針：業績に応じた安定配当を継続
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 直近の株価変動：ここ1ヶ月で上昇トレンド。年初来高値圏で推移。
- 出来高：直近10日で平均2万株前後と流動性は中程度。
- 信用倍率：14.10倍と買い残が多い（やや過熱感あり）。
- 投資家関心：配当利回りの高さや業績の安定性から関心が高い。
11. 総評
キャリアデザインセンターは、エンジニア・IT分野に強みを持つ人材サービス企業です。IT派遣の成長が業績を牽引し、財務基盤も堅実です。
株価は年初来高値圏にあり、PERは業界平均を大きく下回る一方、PBRはやや高め。配当利回りが高く、株主還元にも積極的です。
今後もエンジニア人材需要の継続やIT派遣の拡大が期待される一方、採用難や景気変動リスクには注意が必要です。
全体として、安定した収益基盤と成長性を有する企業として位置づけられます。
企業情報
| 銘柄コード | 2410 |
| 企業名 | キャリアデザインセンター |
| URL | https://type.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
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