NTT(9432)企業分析レポート(2025-08-09時点)
> 本レポートは公開情報に基づく客観的な整理であり、投資勧誘や具体的な投資判断の助言を目的とするものではありません。
1. 企業情報
- 社名:NTT, Inc.(2025年7月に Nippon Telegraph and Telephone Corporation から商号変更)
- 概要:国内最大手の通信持株会社。以下の主力セグメントで事業展開
- 総合ICT事業:モバイル(NTTドコモ)、長距離・国際通信、ソリューション、SI 等
- 地域通信事業:府県内の固定通信(NTT東日本・西日本)
- グローバル・ソリューション事業:コンサル、システム/ソフト開発、ネットワーク、クラウド、グローバルDC 等
- その他:不動産、エネルギー 等
- 連結事業構成(2025.3):総合ICT 43%、地域通信 17%、グローバル・ソリューション 32%、その他 7%(カッコ内16/9/7/3はセグメント利益率の目安とみられる)
- 上場市場:東証プライム
- 代表者:島田 明
- 従業員:341,321人
- 所在地:東京都千代田区大手町1-5-1
- 最低購入代金:16,000円(100株単位)
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:国内通信で最大手。モバイル(ドコモ)と光回線で高シェア。地域固定電話は事実上の独占領域。
- 競争優位性
- 巨大な加入者基盤・ネットワーク資産(モバイル/固定/データセンター)
- グループ内にSI/コンサル~運用までの垂直統合(総合ICT×グローバル・ソリューションの補完)
- 政府による安定株主(財務大臣32.25%)の存在による信用力
- 課題
- 料金競争・ARPUプレッシャー、規制対応
- 5G/光/データセンター等の高水準投資と減価償却の増加
- グローバル事業では大手IT/クラウドとの競争激化
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/方向性(推察を含む一般的方針の整理)
- 国内の安定収益(通信)を基盤に、グローバルのソリューション/データセンターを成長軸に据える
- ネットワークの高度化(5G/将来の6G、オープンRAN、ネットワーク仮想化)
- フォトニクス技術(IOWN構想)などの次世代基盤への注力
- アセットリサイクル(DC REIT等)と資本効率向上、継続的な株主還元の両立
- 足元の施策(会社開示事項)
- NTT DC REITの上場およびデータセンター資産保有会社株式の売却(NTTデータグループ)
- 住信SBIネット銀行株式に対する公開買付け(NTTドコモ)
- 無担保社債の発行(資金調達の多様化)
- 通期見通し(2025年度会社予想)
- 営業収益 14.19兆円(+3.5%)
- 営業利益 1.77兆円(+7.3%)
- 当期利益 1.04兆円(+4.0%)
- EPS 12.60円
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:通信(サブスクリプション)を中核に、SI/クラウド/DC等のストック+プロジェクト型収益を組み合わせた分散型ポートフォリオ。
- 安定性と適応力
- 国内通信は安定キャッシュフローを創出。低β(0.07)が示すとおり市場変動耐性が高い傾向。
- グローバル/ソリューション領域で成長機会を取り込みつつ、REIT活用等で資産効率を改善。
- 留意点:投資負担(総有利子負債13.9兆円、D/E 137.9%、流動比率0.89)と減価償却の増加が利益率を圧迫する局面がある。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発動向
- 5G高度化、オープンRAN、ネットワークスライシング
- フォトニクス・エレクトロニクス融合(IOWN)など中長期の基盤技術
- 主力領域
- モバイルサービス(ドコモ)
- 光回線(NTT東西)
- システムインテグレーション/クラウド/運用(グローバル・ソリューション)
- データセンター(グローバルDC)、不動産・エネルギー
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 株価:160.0円、時価総額:約14.49兆円
- 予想EPS:12.57円 ⇒ 予想PER:約12.73倍(会社公表値と一致)
- BPS:113.67円 ⇒ PBR:約1.41倍
- 配当利回り(会社予想):3.31%(年間配当5.30円、予想配当性向43.5%)
- 参考比較(業界平均):PER 23.2倍、PBR 2.3倍
- 相対的にPER・PBRとも業界平均を下回る水準に位置
- 参考指標:EV/EBITDA(概算)≈(時価総額14.5兆+純有利子負債概算約11.9兆)/ EBITDA約3.5兆 ≈ 7~8倍程度
- 注:粗い概算。厳密な算定には詳細なネットデット調整が必要
7. テクニカル分析
- 足元の位置:年初来高値161円、52週高値160.6円に接近(終値160円)
- トレンド指標:50日MA 153.86円、200日MA 151.72円の上に位置(中期~長期は上向き基調)
- 価格モメンタム:直近10営業日で下値切り上げ~高値接近。8/8の出来高2.87億株と3ヵ月平均(1.43億株)を上回る。
- ボラティリティ:β 0.07(低位)
8. 財務諸表分析
- 成長性
- 売上高:12.16兆円(2022)→ 13.14兆(2023)→ 13.37兆(2024)→ 13.70兆円(過去12か月)と緩やかに増加
- 2025年度1Q:売上+0.7%(前年同期比)、純利益-5.3%
- 収益性
- 営業利益:1.94兆円(2024)→ 1.67兆円(過去12か月)
- 営業利益率:13.06%(過去12か月、会社指標)
- 純利益率:7.18%(過去12か月)
- ROE:10.09%、ROA:3.61%(過去12か月)
- 減価償却費:増加傾向(1.72兆円、過去12か月)
- キャッシュフロー
- 営業CF:約2.7兆円、レバードFCF:約5,138億円(過去12か月、プラス)
- 財務安全性
- 自己資本比率:34.0%(実績)、2025年度1Qの株主資本比率30.3%
- 総有利子負債:13.9兆円、D/E 137.9%、流動比率0.89
- セグメント(2025年度1Qセグメント利益)
- 総合ICT:2,396億円、地域通信:979億円、グローバル・ソリューション:578億円、その他:181億円
- 収益貢献は総合ICTが最大
9. 株主還元と配当方針
- 配当:
- 2024年度:年5.20円(中間2.60、期末2.60)
- 2025年度会社予想:年5.30円(期末2.65予定)、予想配当性向 約43.5%
- 権利落ち日(予定):2025/9/29
- 自社株:
- 自己株式保有比率:8.59%
- 発行済株式90.55億株、自己株式7.81億株、期中平均株式数82.74億株(買戻しの進捗が示唆される)
- 安定株主:財務大臣32.25% 他
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:直近で上昇基調が強まり、高値圏へ接近。出来高も増加。
- 信用動向:信用買残 9,836万株(前週比 -1,815万株)、信用売残 744万株(+347万株)、信用倍率 13.22倍
- 買い残減少・売り残増加。高値圏でのポジション調整の動きがうかがえる。
- 流動性/保有構造:浮動株約509億株、インサイダー保有35.17%、機関投資家保有14.98%、β低位
11. 総評
- まとめ
- 国内通信の安定基盤に、グローバル・ソリューションやデータセンター等の成長領域を積み上げる構造。減価償却の増加などで短期的に利益率は伸び悩む一方、営業CFは堅調で、アセットリサイクルや資本政策を併用。
- バリュエーションは業界平均PER/PBRを下回る水準に位置。配当は年5.30円予想、利回り約3.3%。
- テクニカル面では50日・200日線上で推移し、年初来高値圏に接近。出来高増を伴う上昇でモメンタムは強い。
- 財務面ではレバレッジが相対的に高く、流動比率も1倍を下回るため、投資負担と資金繰りのバランス管理が重要。
- 留意事項
- 料金競争・規制動向、設備投資負担と減価償却、グローバル競争環境の変化が業績に影響しうる。
- 本資料は提供データに基づく整理であり、最新の会社開示や有価証券報告書等の一次情報の確認が有用。
企業情報
銘柄コード | 9432 |
企業名 | NTT |
URL | https://group.ntt/jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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