3788 GMOグローバルサイン・ホールディングス 分析レポート(プライム)
株価:2,214円(2025-08-08終値)
時価総額:258.9億円/発行株式数:1,169.3万株
1. 企業情報
- 概要
- GMOインターネットグループ傘下。1993年創業、東京・渋谷に本社。
- 事業は「電子認証・印鑑(CA/PKI・電子契約・認証)」「クラウドインフラ(マネージドクラウド、ホスティング)」「DX(アプリ等)」の3本柱。
- 連結売上構成(2024.12期目安):電子認証・印鑑約62%、クラウドインフラ約33%、DX約5%。海外売上比率約41%。
- 特徴
- 自社にルート証明書を持つグローバル認証局(GlobalSign)を中核に、TLS/SSL、企業・デバイス証明書、アイデンティティ関連、電子契約「電子印鑑GMOサイン」、ログイン認証強化「GMOトラスト・ログイン」等を展開。
- クラウドは「CloudCREW byGMO」など、セキュリティ領域とシナジー。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 国内発のグローバル認証局(CA)を保有する点が特徴。ブラウザ/OSが信頼するルートCAを自社で持つことは参入障壁が高く、信頼性・準拠要件(WebTrust、CA/Browser Forum基準など)への継続対応が強み。
- 競争環境
- TLS/SSLは海外大手(DigiCert、Sectigo等)や無償型(Let’s Encrypt)との競争で単価下押し圧力。差別化は企業・デバイス向けのマネージドPKI、ID連携、MFA等の付加価値領域。
- 電子契約は国内で複数競合(クラウドサイン等)との機能・導入事例競争。クラウド運用はAWS等のパートナーや国内事業者との競合。
- 諸課題
- TLSのコモディティ化対応、電子契約の顧客獲得コスト管理、海外大口案件の需要変動、規制・監査対応コスト(証明書有効期限短縮等)への継続対応。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/重点
- 電子認証・印鑑:電子契約「GMOサイン」の認知向上と自治体・行政向け公印サービス拡大、ログイン認証強化「GMOトラスト・ログイン」の拡販。
- クラウドインフラ:「CloudCREW」の拡大、セキュリティサービスとの連携強化、AI活用による運用効率化。
- DX:中小企業向けの集客・業務効率アプリ(GMOおみせアプリ)で協業・機能拡充。
- 投資スタンス
- 成長に向けた人材・マーケティング投資を継続。新興市場(例:インド)や公共領域の深耕。
- 中計
- 公表情報なし(短信に記載なし)。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- 証明書・電子契約・認証、マネージドクラウドはいずれもサブスクリプション比率が高く、一定のストック性を持つ。
- 変化対応力
- TLSの無料化トレンドに対しては、企業・デバイス証明書、ID管理、ゼロトラスト関連など高付加価値領域への比重を高める方向。
- 規制・技術動向(有効期限短縮、量子耐性暗号等)への対応が継続的な要件。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性
- ルートCA運用と国際的な監査・基準準拠の運営実績。認証基盤(PKI)とID連携、MFA領域の拡張。
- 主力
- 電子印鑑GMOサイン、GMOトラスト・ログイン、各種デジタル証明書(TLS/SSL、クライアント・デバイス、コードサイニング等)、CloudCREW。
- 成長ドライバー
- ゼロトラスト・MFA需要、電子契約の行政・自治体導入拡大、生成AI普及に伴うクラウド需要・セキュリティ需要の増加。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 現在値と指標
- 株価:2,214円
- 予想EPS:76.64円 → 予想PER:約28.9倍
- BPS:805.46円 → PBR:約2.75倍
- 予想1株配当:49.84円 → 予想配当利回り:約2.25%
- 売上/株(LTM):約1,700円 → P/S:約1.30倍
- 業界平均との比較(情報・通信業の目安)
- PER:同社約28.9倍 vs 業界平均約23.2倍
- PBR:同社約2.75倍 vs 業界平均約2.3倍
- 相対的には平均よりプレミアム水準。ROE実績は約9.4%。
- 参考
- 純現金(現金8.49B − 有利子負債3.17B)約53億円、自己資本比率約52%。
※指標は提供データに基づく概算です。
7. テクニカル分析(短評)
- トレンド指標
- 50日移動平均:約2,089円、200日移動平均:約2,289円。
- 現在値は50日線の上、200日線の下のレンジ。
- 位置づけ
- 52週高値3,030円/安値1,706円のレンジ内。年初来高値は2,500円。
- 現在値は52週安値からは上方、52週高値からは下方の中間帯。
- 需給
- 信用倍率7.64倍(買い残優位)。直近10日平均出来高は3カ月平均を上回り、売買活況度は上昇。
8. 財務諸表分析
- 成長
- 売上高(百万円):2021 14,046 → 2022 15,960 → 2023 17,500 → LTM 19,166(年平均+約11%)。
- 収益性
- 営業利益(百万円):2021 1,172 → 2022 1,141 → 2023 1,289 → LTM 1,247(横ばい傾向)。
- 営業利益率:LTM約6.5%。EBITDAマージン:約15%。
- 当期純利益(百万円):2021 484 → 2022 847 → 2023 740 → LTM 855。
- 直近期(2025年12月期・上期)
- 売上9,945百万円(前年比+4.0%)、営業利益594百万円(同-20.2%)。
- 電子認証・印鑑は増収も、海外大口の受注減や投資増で減益。クラウドは大型案件・効率化で増益。DXは赤字拡大。
- 通期計画(売上20,397・営業1,434・純利880)は据え置き。下期の回復を見込む計画。
- 安全性・効率性
- 自己資本比率:約52%、流動比率2.11倍。総現金8.49B、総負債(有利子)3.17Bで実質無借金に近い。
- ROE:約9.4%、ROA:約3.8%。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 2024期:期末37.22円。
- 2025期(会社予想):期末49.84円、予想配当性向約50%、予想利回り約2.25%。
- 自己株式
- 発行済の約1.81%を保有(自己株口)。追加の自己株取得方針は開示情報なし。
- 株主構成
- 親会社含むインサイダー保有比率約58.6%。浮動株は相対的に小さく、株価変動に流動性の影響が出やすい可能性。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 直近10営業日終値はやや軟化(2273円→2214円)。短期では上下動を伴うも、50日線上での推移。
- 関心度
- 10日平均出来高が3カ月平均を上回る。信用買残は高めで、売り残は増加。決算発表後のガイダンス維持が注目点。
- 影響要因
- 下期に向けた大口案件動向、電子契約・認証の公共分野展開、AI関連のクラウド需要、為替や海外市場の需要変動、規制・監査対応コスト。
- 短信のリスク要因として、通商・関税政策等による外部環境変化が挙げられている。
11. 総評(要点整理)
- 事業基盤は自社ルートCAと電子契約・認証SaaS、マネージドクラウドの組み合わせ。海外売上比率も4割程度。
- 売上は堅調に伸長する一方、営業利益は投資や案件構成で変動。2025年上期は増収減益だが通期計画は維持。
- バリュエーションはPER・PBRともに業界平均を上回る水準。ROEは一桁台後半~1割弱。実質的にネットキャッシュ。
- テクニカルは50日線上・200日線下のレンジ。浮動株の小ささと信用需給が値動きに影響しやすい。
- 重点テーマは、電子契約・ログイン認証の拡販、公共・新興市場の開拓、クラウド×セキュリティのシナジーによる差別化。TLSのコモディティ化に対し、ID/デバイス証明書やゼロトラスト領域への展開がカギ。
本資料は公開情報に基づく客観的な情報整理を目的としたものであり、投資勧誘を目的とするものではありません。指標は概算であり、実際の開示資料や最新IRでご確認ください。
企業情報
銘柄コード | 3788 |
企業名 | GMOグローバルサイン・ホールディングス |
URL | https://www.gmogshd.com/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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