1. 企業情報
- 概要: 環境装置・機械を中核に、メーカー(製造・販売)、エンジニアリング(上下水道の設計・施工)、商社(ポンプ・冷凍機・空調機器等)の3事業を展開。研究開発を行いつつ、生産は外部活用する「ファブレス」色が強い。
- 主力領域・製品:
- オゾン関連(濃度計、適用機器、脱臭)、省エネブロワ、感染症対策機器
- 水処理・上下水道向け設備(浄水場、下水処理場、雨水排水ポンプ場、マンホールポンプ)
- 海水電解殺菌、バイオマス設備、廃棄物処理設備、蓄電池・家庭用蓄エネ
- ポンプ・送風機・空調等の商社販売、据付・保守
- 連結事業構成(売上構成比と想定営業利益率/四季報様式, 2024.12):
- 環境関連 19%(OPM 18%)
- 水処理関連 50%(OPM 13%)
- 風水力・冷熱機器等関連 31%(OPM 15%)
- 上場市場: 東証プライム(機械)
- 本社: 東京都中央区銀座7-14-1
- 従業員: 531人、平均年齢42.6歳、平均年収764万円
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション: 上下水道および防災・減災需要を取り込む中堅エンジニアリング・商社一体型企業。メーカー機能も併せ持つことで差別化。
- 競争環境(例示): 水処理・上下水道ではメタウォーター、クリタ、オルガノ、ポンプでは荏原製作所など大手が存在。荏原実業は公共更新需要と民間設備投資の双方にアクセスできるポートフォリオが特徴。
- 課題: 大型案件の採算管理、公共案件の入札競争、部材価格・労務コスト変動、受注の期ズレに伴う業績変動など。市場シェアの公表値は見当たらず。
3. 経営戦略と重点分野
- 中期経営計画「EJ2027」:
- 注力領域: 防災・減災(雨水排水等のレジリエンス強化)、蓄電池(分散エネルギー/蓄エネ)、水産(海水電解殺菌・微細藻類濃縮等)
- 方針: 3事業の連携強化、メーカー機能の収益性向上、公共更新需要の確実な取り込み、アフターサービス強化
- 2025年中間期の進捗: 売上+11.1%、営業利益+34.3%。特にエンジニアリングと商社が利益拡大。計画に沿った進捗。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益源: 機器販売+設計・施工+保守の組み合わせ。公共インフラの更新・耐災需要は構造的に継続性が高い。一方で、案件偏重による期ズレと採算バラつきには留意が必要。
- 適応力: ファブレス活用により需要変動や技術変更への柔軟性あり。蓄電池・水産など新領域を拡張し、ポートフォリオ分散を進めている。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発: オゾン応用、海水電解殺菌、省エネブロワ、蓄エネシステムなど環境・省エネ分野に注力。メーカー機能を活かし差別化部材・システムを展開。
- 収益牽引: 2025年中間期はエンジニアリング事業の売上+21.0%・利益+38.8%と牽引。商社事業も利益伸長。メーカー事業は受注一服ながら売上・利益は増加。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 株価: 4,170円、時価総額約539億円
- 会社予想EPS: 277.58円(参考:短信記載 276.10円)
- PER(会社予想ベース): 約15.0倍(提示値: 15.02倍)
- BPS: 2,115.79円、PBR: 約1.97倍
- 参考比較(業界平均: PER 16.6倍、PBR 1.4倍)
- PER基準の参考価格: 277.58円 × 16.6倍 ≈ 4,604円
- PBR基準の参考価格: 2,115.79円 × 1.4倍 ≈ 2,962円
- 両者の示唆レンジは開きあり(収益力と資本効率の評価差を反映)
- EV/EBITDA(概算):
- EV ≈ 時価総額539億 − 現金185億 + 有利子負債9.9億 ≈ 364億円
- EBITDA(TTM)≈ 53.6億円
- EV/EBITDA ≈ 6.8倍
- 配当利回り(会社予想): 120円/株で約2.88%(うち記念配当20円)
- 予想配当性向(概算): 120円 ÷ EPS 277.6円 ≈ 43%(TTMベース掲載値: 30.7%)
7. テクニカル分析
- トレンド: 終値4,170円は50日移動平均3,734円、200日移動平均3,821円を上回る上昇基調。年初来高値4,515円、52週高値4,740円に対し約12%下方。
- 直近10日: 決算通過後に出来高増(8/6に出来高7.86万株)を伴い4,000円台を回復、その後は4,100〜4,300円レンジで推移。
- モメンタム: 短期は上向きだが、4,200円台に戻り売り・上値抵抗が意識されやすい価格帯。
8. 財務諸表分析
- 成長性(売上・利益)
- 売上高: 302億円(2022)→ 363億円(2023)→ 375億円(2024)と拡大。TTMは396億円(別データ)。
- 営業利益: 27.6億 → 40.3億 → 42.5億。利益率改善傾向。
- 当期純利益: 21.7億 → 31.4億 → 31.6億。
- 収益性
- 粗利率: 約31%(2024)
- 営業利益率: 約11.3%(2024)、中間期は16.5%(一過性/案件ミックスの影響可能性)
- ROE: 14.2%(実績)、TTMベース 15.7%
- ROA: 7.3%(TTM)
- キャッシュフロー・財務安全性
- 営業CF: TTM -8.35億円だが、2025年中間期は+45.9億円と改善(運転資本の振れ影響)
- 現金等: 185億円、総負債: 約9.9億円、実質ネットキャッシュ
- 流動比率: 1.98倍、自己資本比率: 57.9%(中間期)
- 金利負担は軽微(利息費用年0.7億円規模、EBIT対比十分)
9. 株主還元と配当方針
- 配当実績: 2024年 95円(中間47.5/期末47.5)
- 2025年予想: 年間120円(普通100円+創業80周年記念20円)
- 予想利回り: 約2.88%(株価4,170円)
- 自己株式: 発行株式の約7.9%を保有(現時点で新たな買付方針の開示情報は未記載)
- 配当性向: 2025年は記念配含みで4割超の見込み(TTM掲示値は約31%)
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 52週騰落: +17.9%(ベータ0.71で相対的に低ボラティリティ)
- 出来高: 直近10日平均3.2万株は3カ月平均2.5万株を上回り、決算後の関心上昇を示唆。
- 信用動向: 信用買残2.37万株(前週比-200)、売残0.67万株(+1,100)、信用倍率3.54倍。買い残の伸び鈍化と売り残増加が同時進行。
- イベント: 2025年12月29日が権利落ち予定(配当)。中間決算は8/5公表済み。
11. 総評
- 事業: 公共インフラ更新・防災需要を取り込むエンジニアリングと、商社/メーカーの組み合わせで安定性と成長性を両立。蓄電池・水産等の新規領域も拡大中。
- 業績: 2025年中間期は増収増益。通期会社計画(売上400億円、営業利益45億円、純利益33億円)に変更なし。
- 財務: ネットキャッシュで健全、自己資本比率約58%。ROEは二桁台半ば。CFは期中改善。
- バリュエーション: 予想PER約15倍は業界平均PER(16.6倍)比で中立〜やや割安寄りの水準、PBRは1.97倍で平均1.4倍を上回る。EV/EBITDAは約6.8倍。
- 株価・テクニカル: 50・200日線上で推移し、決算後に上向き。4,200円台の上値抵抗と52週高値(4,740円)とのレンジに留意。
- 留意点: 公共案件の受注環境や原価動向、案件ミックスによる利益率変動、受注高の四半期ブレ、配当の記念要素(2025年)は一時的要因である点。
不明点や未開示事項(市場シェア等)は記載を控えています。さらに詳細なモデル化や同業他社比較は、最新の有価証券報告書・決算説明資料の確認を推奨します。
企業情報
銘柄コード | 6328 |
企業名 | 荏原実業 |
URL | http://www.ejk.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 機械 – 機械 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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