1. 企業情報
カカクコムは、インターネットを介して様々な情報提供サービスを展開する企業です。主な事業としては、生活者の購買をサポートする価格比較サイト「価格.com」と、飲食店情報およびオンライン予約サービスを提供する「食べログ」の運営が挙げられます。これら二つのサービスが収益の柱となっており、掲載店やECサイトからの手数料収入が主な収入源となっています。近年は、求人情報サイト「求人ボックス」も事業の大きな柱へと成長を見せています。その他、不動産、旅行、映画、自動車などの情報サイトも手掛けています。
2. 業界のポジションと市場シェア
カカクコムは「情報通信・サービスその他」および「サービス業」に分類される業界に属しています。主要事業である「価格.com」は家電やPCを中心に幅広い製品・サービスの価格比較で高い知名度と利用実績を持ち、「食べログ」は飲食店の検索・予約サイトとして国内有数の地位を確立しています。これらの事業は、長年の運営により蓄積された膨大な情報量とユーザーからの口コミ、高いブランド認知度によって、業界内での競争優位性を確立していると考えられます。
一方で、「求人ボックス」は急成長を遂げていますが、求人情報市場は競合他社も多く、競争環境は比較的激しいと言えます。各市場での継続的な競争優位性を維持するためには、常にサービスを改善し、新たな市場ニーズに対応していくことが課題となります。
3. 経営戦略と重点分野
同社は2025年3月期から中期経営計画(FY26.3-FY30.3)を公表しており、「中核事業の成長と成長領域への投資、M&Aを通じた二桁成長」を経営戦略の柱として掲げています。
具体的な施策としては、以下の点が挙げられます。
* 中核事業の成長: 「価格.com」および「食べログ」におけるユーザー体験の向上、加盟店支援の強化を通じて収益基盤のさらなる強化を目指しています。
* 成長領域への投資: 特に「求人ボックス」事業に対して積極的なブランド投資や営業体制の強化を行っており、利用者数および売上の拡大を推進しています。直近の決算では、売上が大幅に増加した一方で、成長投資に伴う費用増が利益を一時的に圧迫する局面も見られます。
* M&Aを通じた事業拡大: 不動産や暮らしの領域など、新たな生活関連サービスへの進出をM&Aも活用しながら進めています。「LiPLUSホールディングス」の連結がその一例です。
4. 事業モデルの持続可能性
カカクコムの事業モデルは、ユーザーが無料でサービスを利用し、そこから得られる高い集客力を背景に、掲載企業や広告主から手数料や広告料を得るというものです。「価格.com」や「食べログ」は、ユーザーと企業を効率的に結びつけるプラットフォームとして機能しており、ネットワーク効果によって利用者が増えるほど価値が高まる構造です。
「食べログ」におけるオンライン予約の拡大や、「求人ボックス」事業の立ち上げ・成長は、市場ニーズの変化への適応力と新たな収益源の開拓を示しています。特に求人ボックスは求職者と企業双方のニーズに応えるべく進化しており、今後の更なる成長が期待されます。多岐にわたる事業展開は、特定の市場変動リスクを分散し、事業全体の持続可能性を高める可能性があります。
5. 技術革新と主力製品
提供情報からは、具体的な技術革新に関する詳細な記述は確認できません。しかし、カカクコムの主力製品である「価格.com」「食べログ」「求人ボックス」といったインターネットプラットフォームは、常にユーザーインターフェースの改善、レコメンデーション機能の強化、データ分析に基づくサービス最適化など、技術的な進化を継続的に行っていると考えられます。これらがユーザーの利便性を高め、集客力と収益を牽引する重要な要素となっています。
6. 株価の評価
現在の株価は2,942.5円です。
* PER(株価収益率): 会社予想EPS(連結)96.07円に基づくと、PERは約30.63倍となります。業界平均PER17.0倍と比較すると、高水準にあります。
* PBR(株価純資産倍率): 実績BPS(連結)282.27円に基づくと、PBRは約10.42倍となります。業界平均PBR1.8倍と比較すると、高水準にあります。
これらの指標は、現在の株価が業界平均と比較して、同社の将来の成長性や収益性に対する投資家の高い期待を織り込んでいる可能性を示唆しています。
7. テクニカル分析
現在の株価2,942.5円は、年初来高値2,978円(52週高値2,977.50円)に非常に近い水準で推移しており、年初来安値2,023円と比較すると大幅に上昇しています。
50日移動平均線(2,662.33円)および200日移動平均線(2,458.14円)を明確に上回って推移しており、株価は上昇トレンドにあると見られます。直近10日間の株価推移を見ると、特に8月6日には大幅な出来高を伴って株価が急騰し、その後も高値圏で推移していることが確認できます。
8. 財務諸表分析
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売上・利益の推移:
過去数年間の損益計算書を見ると、総売上収益、営業利益、親会社株主に帰属する純利益は一貫して増加傾向にあります。
* 総売上収益:2022年3月期 51,723百万円 → 2025年3月期(予想)78,435百万円
* 営業利益:2022年3月期 19,147百万円 → 2025年3月期(予想)29,882百万円
* 純利益:2022年3月期 14,294百万円 → 2025年3月期(予想)20,032百万円
* 直近四半期(2026年3月期第1四半期)の状況:
* 売上収益は21,958百万円(前年同期比24.0%増)と大きく伸びています。特に「食べログ事業」が21.3%増、「求人ボックス事業」が72.4%増と高い成長率です。
* 営業利益は7,318百万円(前年同期比4.9%増)と、売上の伸びに比べて利益の伸びが抑制されています。これは、主に「求人ボックス事業」におけるブランド投資(広告宣伝費・代理店手数料)の増加が要因です。
* 収益性と効率性:
* 営業利益率は過去12か月で33.33%と高い水準を維持しています。
* ROE(実績)は35.40%(過去12か月は37.39%)、ROA(実績)は21.64%であり、自己資本や総資産を非常に効率的に活用して利益を創出していることが示されます。
* 財務安全性:
* 自己資本比率は66.1%と高く、財務基盤は非常に安定していると評価できます。
* 総負債/自己資本比率(Total Debt/Equity)は直近四半期で14.35%と低水準であり、負債依存度が低い健全な財務状況です。
* キャッシュフロー:
* 営業活動によるキャッシュ・フローは過去12か月で26.75Bと潤沢であり、事業活動を通じて安定的にキャッシュを生み出しています。
* レバードフリーキャッシュフローも16.47Bとプラスであり、投資や株主還元を行う十分な余力があることを示唆しています。
9. 株主還元と配当方針
同社の配当利回り(会社予想)は1.70%(1株配当予想 50.00円)です。配当性向は約49.36%であり、利益の約半分を株主への配当に充てる方針と見られます。
2025年3月期には、普通配当25円に加え、特別配当30円を実施しました。2026年3月期も年間配当予想は50.00円と増配を見込んでおり、安定的な配当を継続する方針であると考えられます。自社株買いに関する具体的な施策の記述は提供情報にはありませんが、発行済株式数が減少傾向にあることから、過去に自社株買いによる株主還元も行われている可能性があります。
10. 株価モメンタムと投資家関心
株価は直近で強い上昇傾向にあり、52週変化率は25.73%と市場平均を上回っています。これは、同社の堅調な業績、特に求人ボックス事業の成長に対する期待が高まっていることを示唆しています。
信用取引の状況を見ると、信用買残が前週比で増加(+19,100株)しており、買い意欲が継続している可能性があります。一方で、信用売残も増加(+29,100株)しており、今後の株価動向に対する投資家間の見方が交錯している様子も伺えます。
今回の好調な第1四半期決算内容や、中期経営計画で示された二桁成長への意欲が、引き続き投資家の関心を引きつける要因となると考えられます。
11. 総評
カカクコムは、「価格.com」と「食べログ」という強力なブランド力を持つ中核事業に加え、高成長を続ける「求人ボックス」事業を擁するインターネットサービス企業です。プラットフォーム型ビジネスモデルによる安定した手数料収入と、積極的な成長投資による事業拡大の両輪で収益を伸ばしています。
財務面では、売上・利益ともに継続的な成長トレンドにあり、高い収益性と効率性(高ROE、ROA)、そして強固な財務基盤(高自己資本比率、潤沢なキャッシュフロー)を特徴としています。特に直近四半期は、求人ボックスへの投資費用増加により一時的に利益の伸びが鈍化したものの、売上は大きく伸長しており、今後の成長戦略を着実に実行しているものと見られます。
株価は高い成長期待を織り込み、PER、PBRともに業界平均を上回る水準で推移していますが、テクニカルには強い上昇モメンタムを示しています。株主還元は安定配当を継続しつつ、特別配当も実施するなど、株主への配慮も見られます。
全体として、カカクコムは安定した収益基盤と高い成長性を併せ持ち、財務的にも健全な企業であると言えるでしょう。
企業情報
銘柄コード | 2371 |
企業名 | カカクコム |
URL | http://kakaku.com/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.1)」によって自動生成されました。
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