ZACROS(証券コード: 7917)企業分析レポート
株価: 4,280円(2025-08-21 終値)/市場区分: 東証プライム/業種: 化学(素材・化学)
1. 企業情報
- 概要
- 樹脂包装材大手。医薬・食品向け包装から電子材料、産業インフラへ事業を展開。
- 偏光板用保護フィルムで世界首位。海外売上比率は約39%(2025/3期)。
- 2024年10月に社名を藤森工業からZACROSへ変更。
- 主要セグメント
- ウェルネス事業:医薬・医療用包装(非吸着・低溶出IVバッグ「MediTect」)、バイオ医薬製造向けシングルユース製品(「BioPhas」等)、血栓形成解析システム(T-TAS)。
- 環境ソリューション事業:つめかえ用パウチ、液体容器、高機能・高クリーン包装。
- 情報電子事業:偏光板用保護フィルム、粘着・剥離・離型フィルム、コーティング受託、タブシールフィルム、工業ラミネートフィルム、フリースタンディング電極など。
- 産業インフラ事業:土木・建築資材、化成品ほか。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 偏光板用保護フィルムは世界首位。ディスプレイ・半導体用途の高機能フィルムで競争力。
- 包装材では医薬・つめかえ容器など高付加価値領域を保有。
- 競争優位性
- コーティング・ラミネーション・粘着/離型など表面改質技術の積み上げ。
- 医薬・電子・産業インフラの分散ポートフォリオによる需要変動への緩衝。
- 課題
- 原材料・エネルギー・物流コスト上昇の収益圧迫。
- 環境ソリューション(食品包装)の採算是正、海外拠点の収益性改善。
- ディスプレイ市況・半導体サイクルへの感応度。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/方向性(短信・事業紹介からの要旨)
- 高機能フィルムと医薬/バイオ関連での付加価値強化とグローバル展開。
- ディスプレイ関連の競争力強化、半導体関連の回復取り込み。
- 包装分野では詰替え・軽量化など環境負荷低減ニーズに対応。
- 直近の施策・トピック
- 1:4の株式分割(基準日2025/9/30予定)と自己株式の消却予定(2025/10/1)を公表。
- 中国における新会社(賽諾世精密材料(無錫)有限公司)を連結に追加。
- 一部食品包装の事業売却影響を織り込みつつポートフォリオの見直し。
- 通期見通し(据え置き)
- 売上高 1,570億円(前期比+4.2%)、営業利益 102億円(+0.8%)、経常利益 108億円(+4.2%)、当期純利益 75億円(+14.8%)。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益源
- 電子向け高機能フィルムと産業インフラが利益を牽引。医薬・バイオは成長ドライバー。
- 強み
- コーティング/粘着/離型等の加工技術と顧客適合のカスタマイズ力。
- 医薬・バイオ分野の規制対応や品質要求への実績。
- リスク/適応力
- 原材料・エネルギーコスト上昇、為替変動が利益変動要因。
- 市況影響に対し、セグメント分散と高付加価値比率の向上で対応。
5. 技術革新と主力製品
- 技術動向
- 表面処理・コーティング・ラミネート・粘着/離型設計で差別化。
- 医薬・バイオ向けの低吸着・低溶出材料技術、クリーンパッケージ技術。
- 主力/注力製品
- 偏光板用保護フィルム(世界首位)。
- 医薬用IVバッグ「MediTect」、バイオ医薬シングルユース製品「BioPhas」。
- T-TAS(血栓形成解析システム)。
- 電子材料のタブシール、離型・粘着フィルム、フリースタンディング電極等。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 指標比較(2025-08-21時点)
- 株価: 4,280円
- 予想EPS: 407.61円 → 予想PER: 10.5倍(会社公表値と一致)
- 実績BPS: 4,967.23円 → PBR: 0.86倍
- 配当(予想): 年間134円 → 予想配当利回り: 約3.13%
- 同業平均との比較
- 業界平均PER 20.4倍、PBR 1.1倍に対し、同社は両指標で低位。
- EV/EBITDA(概算)
- 時価総額約824.7億円、現金204.3億円、借入44.4億円 → EV約665億円
- EBITDA約161.8億円 → EV/EBITDA約4.1倍(概算)
- 参考注記
- 2025/9/30の1:4株式分割後は、配当やEPSは分割後表示となるが、実質利回りは不変(年間134円=分割後33.5円相当)。
7. テクニカル分析
- トレンド
- 50日移動平均: 3,863.8円、200日: 3,998.6円。
- 現在値4,280円は50日線比+約10.8%、200日線比+約7.0%。
- 価格帯
- 年初来高値 4,435円、52週高値 4,545円、現在値は高値圏(52週高値比約-5.8%)。
- 直近10日
- 8/7に上昇後、4,180〜4,320円での持ち合いから4,280円へ。
- 出来高はイベント直後(8/8: 65千株)から漸減傾向(直近 7.8千株)。
8. 財務諸表分析
- 売上・利益(連結、単位: 百万円)
- 売上高:2022/3 127,819 → 2023/3 129,364 → 2024/3 136,155 → 2025/3 150,735(増収基調)
- 営業利益:10,342 → 5,883 → 8,344 → 10,117(2023年の低下後に回復)
- 当期純利益:7,693 → 4,854 → 4,532 → 6,530
- LTM営業利益率:約8.8%、純利益率:約4.3%
- 収益性
- ROE(実績)7.37%、ROA(LTM)4.22%。
- 情報電子・産業インフラが利益貢献大。環境ソリューションは採算課題。
- 四半期動向(2026/3期1Q)
- 売上 39,307(前年比+2.2%)、営業利益 3,459(-0.6%)。
- セグメント別営業利益:ウェルネス +19.7%、情報電子 +3.8%、産業インフラ +0.9%、環境ソリューション -22.1%。
- 財政状態・流動性
- 自己資本比率 59.5%(1Q末 59.8%)、流動比率 約2.0倍。
- 現金 204.3億円、総有利子負債 44.4億円(ネットキャッシュ)。
- キャッシュフロー
- 四半期CFは未作成。減価償却費は年6,054百万円規模。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 2025/3期: 年間130円。2026/3期(会社予想): 年間134円(分割後換算33.5円)。
- 予想配当利回り 約3.13%、配当性向 約31.6%(データ提供値)。
- 自己株式
- 自己株式は757千株 → 959千株へ増加(2026/3期1Q末)。自己株式の消却予定(2025/10/1)。
- 権利関係
- 権利落ち予定日(Ex-Dividend):2025/9/29。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 8月上旬の決算発表・社名変更後の認知向上、分割・自己株関連の材料を背景に上昇後、出来高は落ち着き推移。
- ベータ(5年)0.46と相対的に低ボラティリティ。
- 信用動向
- 信用買残 19,400株(前週比+600)、信用売残 5,500株(同-800)、信用倍率 3.53倍。やや買い優位の需給。
- イベント
- 1:4の株式分割(2025/9/30基準)と自己株式消却(2025/10/1予定)が短期需給に影響する可能性。
11. 総評
- 事業面
- 電子向け高機能フィルムでの強いポジションと、医薬・バイオ関連の成長領域を組み合わせたポートフォリオ。環境ソリューションの収益性改善が課題。
- 財務面
- ネットキャッシュ、自己資本比率約60%と財務健全性は良好。収益性は回復基調で、ROEは一桁後半。
- 株価評価
- PER約10.5倍、PBR約0.86倍、EV/EBITDA約4.1倍(概算)。同業平均と比べ低位な水準に位置。
- テクニカル
- 50日・200日線を上回り、高値圏での推移。イベント通過後は出来高が低下しつつも基調は堅調。
- 参考ポイント
- 原材料/エネルギーコスト、為替、ディスプレイ・半導体サイクルの影響に留意。分割・自己株消却は流動性や需給に関する一材料。
注記: 本資料は公開情報に基づく客観的な企業分析であり、投資勧誘や特定の投資判断の推奨を目的とするものではありません。実際の投資判断は最新の開示資料等をご確認のうえ、ご自身でご判断ください。
企業情報
銘柄コード | 7917 |
企業名 | ZACROS |
URL | https://www.zacros.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 素材・化学 – 化学 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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