丹青社(9743)企業分析レポート
株価:1,419円(2025/08/22時点)
市場:東証プライム(サービス業)
1. 企業情報
- 概要
- 商業施設、公共・文化施設、ホテル・オフィス、イベントなどの「空間」について、調査・企画・デザイン・設計・制作・施工・運用まで一貫対応するディスプレイ大手。1946年創業、東京本社。
- 再開発ビル、商業施設、文化施設(ミュージアム等)、ショールームに強み。プロジェクトマネジメントとクリエイティブの両輪を備える。
- 事業構成(2025.1期)
- 商業その他施設:59%
- チェーンストア:29%
- 文化施設:11%
- その他:1%(事務機器レンタル・販売、派遣、Web情報サービス 等)
- 従業員:1,484人、平均年齢43.3歳、平均年収847万円(連結)
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 国内ディスプレイ業界の上位プレーヤー。乃村工藝社(9716)、スペース(9622)、船場(6540)などと競合。
- 競争優位性
- 大規模再開発・複合施設や文化施設での実績、企画~運用のワンストップ体制、全国対応力、顧客基盤の厚み。
- 課題
- 受注産業特性による案件偏重・大型案件の採算管理、資材・人件費上昇時のコストコントロール、需要サイクル(消費・投資動向、イベント/MICE)への感応度。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・方針(中計:2025.1期~2027.1期)
- 収益性と成長性の両立:大型案件の採算管理強化、複数セグメントのバランス成長。
- 新領域・付加価値の伸長:デジタル/インタラクティブ活用、ブランド体験・顧客体験価値(CX)強化、運用・プロモーションまでの継続関与。
- 基盤整備:人材・パートナー体制、プロジェクトマネジメント高度化、サプライチェーン強靭化。
- 進捗(2026.1期1Q)
- 売上・利益ともに前年同期比で大幅増。営業利益率も改善(詳細は財務分析を参照)。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- 個別案件の受注・施工収益が中心。設計・制作・施工での総合力により付加価値を確保。運用・保守やプロモーション支援で継続収益も補完。
- 適応力
- 消費・投資回復局面では需要を取り込みやすい一方、コスト上昇時の原価管理や、景況変動による受注変動への対応力(案件ポートフォリオの分散、チェーン更新需要の安定取り込み)が重要。
5. 技術革新と主力製品・サービス
- 技術・独自性
- 空間とデジタルの統合(クリエイティブメディアスペース)、大型文化施設の展示演出、ショールームのブランディング/体験設計などに知見。
- 収益ドライバー
- 商業施設・再開発関連、チェーンストア改装/リニューアル、文化施設(常設・企画展)。1Qでは商業施設事業が利益を牽引。
6. 株価の評価(バリュエーションの目安)
- 前提指標(会社予想ベース)
- 株価:1,419円
- EPS(会社予想):110.28円
- BPS(実績):741.60円
- 配当:70円(会社予想)、配当利回り約4.93%
- PER(会社予想):約12.9倍(整合)
- PBR(実績):約1.91倍(整合)
- 参考比較(業界平均:PER 17.0倍、PBR 1.8倍)
- PER比較:同社約12.9倍は業界平均を下回る水準。
- PBR比較:同社約1.91倍は業界平均をやや上回る水準。
- 参考レンジ試算(単純計算、前提固定)
- 業界平均PER適用:110.28円 × 17.0倍 ≒ 1,874円
- 業界平均PBR適用:741.60円 × 1.8倍 ≒ 1,335円
- 上記は一例であり、実際の評価は成長率・収益変動・資本効率・ネットキャッシュ等で変動。
- EV/EBITDA(概算)
- 時価総額約687億円、現金約255億円、借入約32億円 → EV約464億円
- EBITDA(直近12か月、別データ)約84億円 → EV/EBITDA ≒ 5.5倍(概算)
7. テクニカル分析
- トレンド
- 50日移動平均:1,319.8円、200日移動平均:1,049.9円。株価は両移動平均を上回り、上昇トレンド。
- 位置づけ
- 52週高値:1,448円、52週安値:789円。現在値は高値圏に近い水準(レンジ上限付近)。
- 出来高・需給
- 直近出来高は3か月平均(約44万株)に対して本日約10.7万株とやや低調。信用倍率3.05倍、信用買残は前週比で大きく減少。
【参考】3~4月は900円前後での推移が続いたが、以降は移動平均線の上昇とともに上方シフト。
8. 財務諸表分析
- 売上・利益(連結、百万円)
- 売上高:62,714(2022.1)→ 64,221(2023.1)→ 81,201(2024.1)→ 91,858(2025.1)
- 営業利益:2,025 → 617 → 3,883 → 5,147
- 親会社株主に帰属する当期純利益:1,435 → 460 → 2,771 → 3,876
- EPS:30.13円 → 9.68円 → 58.06円 → 82.16円
- 傾向:ポストコロナで売上・利益ともに回復傾向。2025.1期は増収・増益、営業利益率は約5.6%。
- 2026.1期 第1四半期(2025/2-4)
- 売上高:33,995百万円(+49.5% YoY)
- 営業利益:4,552百万円(+204.0% YoY)、営業利益率約13.4%
- 四半期純利益:3,106百万円(+168.8% YoY)
- セグメント利益:商業3,766、チェーン628、文化115、その他41(百万円)
- 安全性・効率性
- 自己資本比率:61.6%(前期末)→ 55.5%(2026.1期1Q)
- 流動比率:2.03(直近)
- 現金同等物:254.5億円、総借入:31.7億円、ネットキャッシュ基調
- ROE:11.92%(実績)、ROA:9.08%(直近12か月)
- キャッシュフロー
- 四半期CFは未作成(記載なし)。大型案件の進捗により運転資本が振れる点に留意。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 2025.1期:年間45円
- 2026.1期(会社予想):年間70円(期末35円)/予想利回り約4.9%
- 直近の配当性向目安:36.4%(データベース値)
- 自己株式・株式報酬
- 2026.1期1Qの自己株式数:1,265,160株(期末発行済48,424,071株)。役員BIP信託・従業員向け株式交付プラン(E-Ship)を導入。
- その他の還元
- 自社株買いの実施有無は開示記載からは不明。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 52週騰落率:約+56%(ベンチマークを上回る伸長)。価格は高値圏で推移。
- 投資家関心の示唆
- 1Qの大幅増益・高い営業利益率、通期上方修正(3/17公表の予想修正)などが関心材料。
- マクロ面では消費・販促投資の持ち直しが追い風。一方、物価・人件費上昇はコスト面のリスク。
- 信用動向
- 信用倍率3.05倍、買残は前週比で大幅減。短期需給は整理されつつある可能性。
11. 総評
- 需要回復と大型案件の進捗を背景に、売上・利益ともに回復基調。2026.1期1Qは高い営業利益率を示し、収益性改善が確認できる。
- バリュエーションは、PERで業界平均を下回り、PBRでやや上回る位置。ネットキャッシュ基調やROE水準も踏まえた評価が行われているとみられる。
- 技術・実績に基づく総合力と、商業・チェーン・文化施設の分散ポートフォリオは強み。コスト上昇・案件採算管理・景況敏感度は継続注視。
- テクニカル面では上昇トレンドかつ高値圏に位置。移動平均線からの乖離や出来高推移、1,448円近辺の上値抵抗/1,320円前後(50日線)近辺のサポート水準に留意。
参考データ
– 発行済株式数:48,424,071株、時価総額:約687億円
– 次回イベント:決算発表 2025/06/13(実施済み)、配当権利落ち予定 2026/01/29
注記
– 本資料は公開情報に基づく企業分析であり、投資勧誘や個別の投資助言を目的としたものではありません。
– 数値は出所により期間定義が異なる場合があります(通期実績、直近12か月、四半期年率換算など)。不明点は公式開示の原本をご確認ください。
企業情報
銘柄コード | 9743 |
企業名 | 丹青社 |
URL | http://www.tanseisha.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
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証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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