愛三工業(7283)企業分析レポート

株価: 1,991円(2025-08-22終値ベース)
市場区分: 東証プライム | 業種: 輸送用機器(自動車部品)

1. 企業情報

  • 概要
    • トヨタグループ向け比率が6割強の自動車部品メーカー。燃料ポンプモジュール、スロットルボディ、EGRバルブ、キャニスタ、吸排気系、動弁系など内燃機関向けが主力。
    • 二輪向けFIシステム、チタン合金エンジンバルブ等も供給。水素燃料供給システム、FCV向け空気弁、電動ウォーターポンプ、LPG/CNG向けガス燃料系なども展開。
    • 1938年設立、愛知県大府市に本社。海外売上比率約70%(2025.3)。
  • 連結事業構成(売上構成、2025.3)
    • 燃料系54%、吸排気系23%、排出ガス制御系15%、動弁系3%、他自動車部品2%、その他3%

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション
    • トヨタグループの主要サプライヤーとして燃料・吸排気・排ガス制御のコア領域に強み。安定した取引基盤とグローバル供給体制(日本/アジア/米州/欧州)を保有。
  • 競争優位性
    • 燃料系・吸排気系での量産・品質ノウハウ、トヨタグループ向け比率の高さ、海外生産・販売網。
  • 課題
    • プロダクトミックスが内燃機関(ICE)依存に偏重(例:Q1の製品別構成で燃料ポンプ53%、スロットル13%、EGR7%、キャニスタ13%等)。EVシフトの進展や為替(円高)変動が利益圧迫要因。

3. 経営戦略と重点分野

  • 会社方針・重点
    • 地域別収益改善(原価・販価施策)を継続。
    • 燃料ポンプ譲受事業の生産自前化をQ2以降に本格化し、収益改善効果の拡大を見込む。
  • 市場環境認識
    • 世界経済は持ち直しつつも不透明感継続。自動車市場は緩やか回復、EV増加ペースは直近落ち着き。中国での日系販売は低調。
  • 通期見通し据え置き(2026年3月期 会社予想)
    • 売上3,100億円(前期比-8.1%)、営業利益185億円(+0.9%)、当期純利益120億円(-9.3%)、EPS 208.93円。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル
    • ICE向け燃料・吸排気・排ガス制御部品が収益の柱。トヨタグループを中心とする大口顧客向け安定供給。
  • 持続可能性評価の観点
    • リスク:EV化の進展は、燃料/吸排気系の構造的需要縮小要因。
    • 適応:FCV・水素供給、電動ウォーターポンプ、二輪FIなど周辺・次世代領域も展開し、移行期の需要に対応。Q2以降の自前化による原価改善も下支え要素。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術・製品
    • 燃料ポンプモジュール、電子制御燃料噴射(FI)、スロットル/EGR/キャニスタ等の制御系、チタン合金エンジンバルブ。水素・FCV向け部品や電動ウォーターポンプも。
  • 収益を牽引する製品(2026年3月期Q1、構成比)
    • 燃料ポンプモジュール53%、スロットルボディ13%、キャニスタ13%、EGR7%、動弁系3%、その他9%。

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 前提
    • 株価: 1,991円、EPS(会社予想): 205.53円、BPS: 2,194.15円、配当予想: 75円。
  • 指標
    • PER(予想): 約9.69倍(業界平均13.3倍)。
    • PBR(実績): 約0.91倍(業界平均0.8倍)。
    • 配当利回り(予想): 約3.77%(5年平均3.36%)。
    • 参考EV/EBITDA(概算、LTM): EV≈1,054億円(時価総額1,262億円−ネットキャッシュ約208億円)、EBITDA≈337.6億円 → 約3.1倍。
  • 付記
    • 自己株式(約639万株)を保有しており、発行済株式数・時価総額の算定方法により外部資料間で差異が生じる場合あり。

7. テクニカル分析

  • トレンド
    • 直近株価は50日移動平均1,760円、200日移動平均1,791円を上回る水準。上昇基調継続後のもみ合い。
  • 位置づけ
    • 年初来安値1,572円〜高値2,234円レンジの中上段(約63%地点)。52週高値2,234円に対し約11%下。
  • 出来高・需給
    • 10日平均出来高は3カ月平均を上回る(10日: 約23.7万株、3カ月: 約18.2万株)。信用買残は前週比で減少、信用倍率7.13倍。

8. 財務諸表分析

  • 売上・利益(連結)
    • 売上高推移: 1,937億円(22/3)→ 2,408億円(23/3)→ 3,143億円(24/3)→ 3,372億円(25/3/通期)。
    • 営業利益: 98億円 → 136億円 → 155億円 → 183億円。営業利益率は概ね5%台で推移、粗利率は改善傾向(約12.9%→14.5%)。
    • 当期純利益: 68億円 → 85億円 → 117億円 → 132億円。純利益率は約3.5%→3.9%へ漸増。
  • 直近四半期(2026年3月期Q1)
    • 売上7,992億円(-3.9%)、営業利益35.2億円(-39.2%)、四半期純利益35.6億円(-33.9%)。為替(円高)と費用増が減益要因。日本セグメントが赤字、米州は増益。
  • 効率性・安全性
    • ROE(実績)9.78%、ROA(LTM)3.49%。自己資本比率45.1%(前期末)、流動比率約194%。
    • 現金同等物約772億円、有利子負債約564億円、ネットキャッシュ約208億円(実質無借金相当)。
  • キャッシュフロー
    • 四半期CFは未作成注記。減価償却費は年間約139億円(LTM)、Q1で約31億円。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当
    • 2025年3月期: 年間68円。2026年3月期(予想): 年間75円(中間37円・期末38円)。
    • 予想利回り約3.77%、直近の配当性向(参考)約32%(予想EPSベースでは概ね3割台)。
  • 自己株式取得
    • 2025年4月に自己株式550万株(約94億円)を取得。期末自己株式は約639万株。1株当たり指標の改善要因。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • モメンタム
    • 直近10営業日は上昇基調からの持ち合い。移動平均線の上方に位置。
  • 投資家属性・ボラティリティ
    • インサイダー保有約39.6%、機関保有約20.7%。フリーフロートは約3,059万株。βは0.29と低位。
  • 需給
    • 信用買残が減少(-3.7万株)、信用倍率7.13倍。自己株式取得により流通株式は相対的に減少。

11. 総評

  • 事業面
    • 燃料・吸排気・排ガス制御といったICE中核領域に強み。トヨタグループ向けの安定需要と世界的な供給体制が収益基盤。Q2以降の燃料ポンプ生産自前化による原価改善効果が注目点。
  • リスク・課題
    • 為替(円高)や中国での日系販売動向、労務費・諸経費上昇が利益を圧迫。製品ミックスはICE比重が高く、中長期の電動化進展は需要面の構造的リスク。
  • 財務・株主還元
    • 近年の売上・利益は拡大傾向で、粗利率も改善。ネットキャッシュの保有や自己株式取得、配当の増配方針(年75円予想)など、財務余力と株主還元の実行が確認できる。
  • バリュエーション・株価
    • 予想PERは業界平均を下回り、PBRはほぼ1倍水準。株価は移動平均線を上回り、年初来レンジの中上段に位置。

本レポートは提供データに基づく事実関係の整理であり、投資勧誘・助言を目的としたものではありません。記載数値は一部概算を含み、将来の業績や株価を保証するものではありません。


企業情報

銘柄コード 7283
企業名 愛三工業
URL http://www.aisan-ind.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 自動車・輸送機 – 輸送用機器

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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