扶桑化学工業(4368)企業分析レポート

注記:本資料は提供データに基づく客観的な整理です。投資判断や投資助言は行いません。数値は連結ベース(特記なき限り)。

1. 企業情報

  • 概要:果実酸(リンゴ酸・クエン酸など)と電子材料(超高純度コロイダルシリカ)、機能性化学品を製造・販売。リンゴ酸および半導体ウエハ研磨剤向け超高純度コロイダルシリカで世界シェア首位級。1952年創業・大阪本社。
  • 事業区分と特長
    • ライフサイエンス:果実酸・その誘導体、乳酸・酒石酸など。食品用途が中心で安定需要。一部で価格競争・為替影響。
    • 電子材料・機能性化学品:超高純度コロイダルシリカ(CMPスラリー主原料)等。AI用途を含む半導体需要の回復で増勢。
  • 売上構成(参考):ライフサイエンス約52%、電子材料・機能性約48%(会社開示ベース)。海外売上比率約51%(2025.3)。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション:リンゴ酸および超高純度コロイダルシリカで世界シェア首位級。特にコロイダルシリカは先端半導体の歩留まり・表面品質に直結し、品質要求水準が高い領域で競争力。
  • 競争優位性
    • 高純度・安定品質と長期顧客認証(スティッキーな取引関係)による参入障壁。
    • 大型増強(鹿島・京都)で供給能力拡大。
  • 課題
    • ライフサイエンスは海外で価格競争が強まりやすい。
    • 為替・原材料、半導体サイクル変動、設備増強後の減価償却負担。

3. 経営戦略と重点分野

  • ビジョン/方向性:半導体領域(AI・先端ノード向け)での供給能力・品質強化と、ライフサイエンスの安定成長の両立。
  • 重点施策(開示ベース)
    • 設備投資:鹿島の超高純度コロイダルシリカ製造設備に総額200億円(資金は借入)。2025年8月完了予定、立ち上げ進行中。京都事業所でも新設備稼働。
    • 価格・ミックス:ライフサイエンスは数量堅調だが、海外で単価下落圧力への対応を継続。
    • グローバル対応:円高・円安など為替変動や地政学リスクを注視。
  • 業績見通し(会社計画):
    • 2026年3月期(通期)予想:売上727億円、営業利益140億円、純利益94億円(前期比減益見通しを維持)。大型投資の償却・立ち上げ費が先行。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル:食品用途の安定需要(ライフサイエンス)と、先端半導体材料の高付加価値(電子材料)の二本柱。顧客認証の長期性が収益の安定に寄与。
  • 適応力:半導体側はサイクル影響を受ける一方、AI関連の構造的需要が下支え。価格競争が強いライフサイエンスは、付加価値提案・コスト最適化が鍵。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術動向・独自性:先端半導体向けの超高純度コロイダルシリカ。粒径制御・不純物管理・スラリー適合性が求められる領域で高度な品質管理を確立。
  • 主力製品・収益牽引:
    • 電子材料:超高純度コロイダルシリカ(CMP用途)。Q1で販売数量増、セグメント増収増益。
    • ライフサイエンス:リンゴ酸・クエン酸等の果実酸群。数量は堅調も海外で単価下落。

6. 株価の評価(バリュエーションの目安)

  • 前提:株価 4,690円、時価総額 1,663.7億円、現預金 278.7億円、借入金 199.0億円(直近Q)、BPS 2,990.84円、EPS
    • 会社予想EPS:266.61円 → 予想PER約17.6倍(提供値17.57倍)
    • 過去12か月EPS:329.7円 → 実績PER約14.2倍
  • PBR:約1.57倍(提供値と一致)
  • EV/EBITDA(TTM概算):EV=1,663.7+199.0−278.7=約1,584億円、EBITDA約257.1億円 → 約6.2倍
  • PSR(TTM):約2.35倍(売上約707.3億円)
  • 参考比較(単純計算)
    • 業界平均PER 20.4倍を会社予想EPSに適用すると、目安株価約5,435円
    • 業界平均PBR 1.1倍をBPSに適用すると、目安株価約3,290円

注:単純比較であり、個社の成長性・収益リスク・資本効率・サイクル等は織り込んでいません。

7. テクニカル分析(トレンドの目安)

  • トレンド:株価4,690円は50日移動平均4,119円、200日移動平均3,641円を上回る → 上昇トレンドの状態。
  • 52週レンジ:2,922〜4,755円。現在値はレンジ上限近辺(約96%位置)。
  • モメンタム:10日平均出来高(約11.0万株)が3か月平均(約8.1万株)を上回り、売買関心はやや上向き。
  • 需給(信用):信用倍率7.50倍。信用買残は前週比減(−17.6千株)、売残は小幅増(+4.1千株)。

8. 財務諸表分析

  • 成長・利益(年度推移)
    • 売上高:557.6億(2022)→ 684.6億(2023)→ 589.7億(2024)→ 695.0億(2025/TTM)
    • 営業利益:150.3億 → 189.3億 → 110.8億 → 162.3億(TTM)
    • 親会社純利益:108.9億 → 141.3億 → 83.4億 → 116.2億(TTM)
  • 収益性
    • 粗利率(TTM):約37〜39%(提供TTM粗利 269.4億)
    • 営業利益率(TTM):約25.2%(提供値)
    • ROE(TTM):約11.7%、ROA約7.8%
  • 安全性
    • 自己資本比率:73.5〜76.9%(高水準)
    • 流動比率:約467%(直近Q)
    • ネットキャッシュ:約80億円(現金278.7億−有利子負債199.0億)
  • キャッシュフロー
    • 営業CF(TTM):約201.3億円と堅調
    • レバードFCF(TTM):約−87.9億円(大型設備投資の影響でマイナス)
  • セグメント(2026年3月期Q1)
    • ライフサイエンス:売上895.6億円、利益121.5億円、利益率約13.6%(前年比減益)
    • 電子材料・機能性:売上970.2億円、利益407.2億円、利益率約42.0%(前年比増益)

9. 株主還元と配当方針

  • 配当実績:年間73円(2025/3期)
  • 配当予想:年間76円(2026/3期、会社予想)→ 予想配当利回り約1.62%
  • 配当性向:22.1%(提供値)
  • 自己株式:0.72%保有(足元)
  • 主要株主:創業系・関係先・金融機関に加え、インサイダー保有比率約39.6%、機関投資家約34.0%。フロートは約1,881万株。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 株価変動:52週で+18.98%(参照値)。年初来高値4,755円に接近。
  • 出来高動向:直近10日平均が3か月平均を上回り、イベント(Q決算・設備稼働進捗)を背景に関心増の局面。
  • 近接イベント
    • 決算発表:2025年8月8日(第1四半期実績公表済)
    • 権利落ち日:2025年9月29日(予定)
  • 株価に影響し得る要因
    • 半導体(AI中心)の需要動向、設備立ち上げ速度と歩留まり
    • 円相場、原材料価格、地政学・関税政策
    • ライフサイエンス価格競争の程度

11. 総評(要点整理)

  • 事業面:ライフサイエンスの安定需要に加え、電子材料(超高純度コロイダルシリカ)が業績牽引。先端半導体向けの需要回復と大型投資の稼働が追い風。一方で、海外ライフサイエンスの価格圧力と、増設に伴う償却・立ち上げ費は利益面の負担。
  • 財務面:自己資本比率が高く、ネットキャッシュ基調。営業CFは潤沢で、投資キャッシュアウトは一時的増加。
  • バリュエーション:予想PER約17.6倍、PBR約1.57倍。TTMベースのPERは約14.2倍。EV/EBITDAは約6.2倍。業界平均との単純比較ではPERはやや抑制、PBRは上回る水準。
  • テクニカル:50・200日線上方で、52週高値圏。出来高増でモメンタム良化のサイン。信用需給は買い長継続も買残はやや縮小。

不明点や追加の定量比較(競合とのシェア数値など)が必要な場合は、該当箇所をご指定ください。


企業情報

銘柄コード 4368
企業名 扶桑化学工業
URL http://www.fusokk.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 素材・化学 – 化学

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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