東京精密(7729)企業分析レポート
最終更新日: 2025-08-25
以下は、提供データ(決算短信、株価・指標、直近期情報)に基づく整理です。将来の株価を予測したり、投資判断を推奨するものではありません。
1. 企業情報
- 概要
- 半導体製造装置(SPE)と計測機器の2事業。ブランド名「ACCRETECH」。
- 主力:ウエハテスト用(プローバ)、ダイシング関連、ポリッシュ・グラインダ、CMP、エッジグラインダ等の前後工程装置。計測機器は三次元座標測定機、表面粗さ・輪郭、真円度、光学計測、シャフト測定、X線CT、各種ゲージ・センサー等。
- 精密位置決め技術に強み。計測機器で培った精度・制御技術をSPEへ展開。
- 事業構成(2025/3期 連結)
- 半導体製造装置:売上比率 75.4%、セグ利益 24,311百万円
- 計測機器:売上比率 24.6%、セグ利益 5,392百万円
- 海外売上比率:約75%
- 実行中の設備投資
- 名古屋工場の建設着手(SPE生産能力の拡充)
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- ウエハテスト(プローバ)分野で世界首位(会社・業界公表情報ベース)。OSATやIDM、メモリ/HPC向けの検査工程で採用実績。
- ダイシング・加工系では強固な専業競合(例:ダイシングは国内大手が高シェア)と競合関係。
- 競争優位性
- 精密位置決め・計測のコア技術、装置と計測の両輪、サービス/アプリケーション対応力。
- 受注高の増加と高水準の受注残により一定の需要可視性。
- 課題
- サイクル影響(民生OSAT、パワー半導体向けの変動)。
- 部材・人件費上昇、地政学リスク(対中規制、関税政策等)への対応。
- ダイシングなど一部工程での強力競合の存在。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/方針
- 半導体前後工程・検査領域と計測ソリューションの高度化で顧客の生産性・精度を支援。
- R&D継続と生産キャパ増強(名古屋工場)。
- 中期経営計画(2026〜2028年度)
- 目標(2028年度):売上 185,000百万円、営業利益 45,000百万円、ROE 15%
- 初年度(2026/3期)会社計画:売上 159,000、営業利益 31,000、純利益 21,700
- 重点分野(短信・開示資料要旨)
- 生成AI/HPC関連の先端パッケージ・メモリ向け検査/加工需要の取り込み
- 計測機器のソリューション化(ロボット連携、サービス拡張)
- 二次電池(充放電試験システム)など周辺需要の取り込み
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- 装置販売+消耗品/保守サービス。SPEはサイクルの影響を受けやすい一方、計測機器は更新・メンテで比較的安定性。
- 適応力
- 受注高(145,631、前年比+20.5%)増で次期売上の下支え要素。生成AIや中国の国産化動向など構造テーマの需要取り込みを想定。
- 高い自己資本比率(73.2%)、ネットキャッシュ体質により投資余力。
- リスク
- 部材価格上昇、人件費、為替、規制/輸出管理、顧客投資計画の変動。
5. 技術革新と主力製品
- 技術特性
- 高精度位置決め・制御、測定アルゴリズム、装置/計測一体のアプリケーション対応。
- 主力/収益牽引
- ウエハプローバ(テスト工程)、ダイシング・グラインディング等の加工装置。
- 計測:CMM、表面/輪郭、真円度、光学計測、X線CT、各種ゲージ/センサー。
- 研究開発/生産
- 先端パッケージ対応装置の強化、生産キャパ拡充(名古屋工場)。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提:株価 8,402円、予想EPS 536.03円、BPS 4,238.43円
- 予想PER:15.67倍(業界平均PER 21.1倍を下回る)
- 実績PBR:1.98倍(業界平均PBR 1.8倍を上回る)
- 予想配当利回り:2.55%(会社予想:年214円)
- 参考マルチプル
- EV/EBITDA(概算):約9.1倍
- EV ≒ 時価総額355,161 – ネットキャッシュ約31,350 ≒ 323,800百万円
- EBITDA(LTM)≒ 35,460百万円
- PSR(時価/売上):約2.36倍(355,161/150,534)
※ 各マルチプルは定義・期間差に留意。
7. テクニカル分析
- トレンド指標
- 50日移動平均:9,031円、200日移動平均:8,171円
- 現在株価は50日線を約7%下回り、200日線を約3%上回る水準。
- レンジ位置
- 年初来高値 9,886円、安値 6,148円
- 現在は高値から約15%下、安値から約37%上の中間圏に位置。
- 短期値動き(直近10日)
- 8,450円→8,402円と小幅に軟化。出来高は3カ月平均(約330千株)と同程度〜やや下。
- 信用需給
- 信用買残 249千株(前週比▲20千)、信用倍率 13.86倍。信用買いの整理が進む一方、依然として買い残比重が高い水準。
8. 財務諸表分析
- 損益(連結、百万円)
- 売上高:150,534(前期 134,680、+11.8%)
- 営業利益:29,703(前期 25,307、+17.4%)
- 親会社純利益:25,637(前期 19,378、+32.3%)
- 営業利益率:19.7%(短信ベース、前年18.8%)※外部LTM指標14.84%とは定義差の可能性
- セグメント(2025/3期)
- SPE:売上 113,481、セグ利益 24,311(生成AI/HPC・メモリ/パッケージ関連が堅調)
- 計測機器:売上 37,053、セグ利益 5,392(既存設備更新、二次電池試験が寄与)
- 受注
- 受注高 145,631(+20.5%)、受注残 83,101
- 効率・収益性
- ROE(実績):15.5%(開示値)、ROA(LTM):8.29%
- 総資産回転率:約0.63回
- 財務安全性
- 自己資本比率:73.2%
- 現金等:54,516、借入金:約19,300(短信ベース)→ ネットキャッシュ約35,216
- 流動比率:約361%(短信計算値)、直近四半期の流動比率 3.71(同趣旨)
- D/E(直近四半期):10.25%
- キャッシュフロー(百万円)
- 営業CF +28,824(改善)
- 投資CF +2,541(資産売却収入計上。取得は約9,574)
- 財務CF ▲13,991(配当・借入返済)
- 期末現金 54,516(大幅増)
9. 株主還元と配当方針
- 2025/3期 実績配当:年間253円(中間114円、期末139円)、配当性向 40.1%
- 2026/3期 予想:年間214円(中間107円、期末107円)、目安配当性向 約40%
- 方針:連結配当性向40%を目安。自己株式取得は機動的に検討。
- 参考:Forward配当利回り約2.55%、Ex-Dividend Date(予定):2025-09-29
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 200日線上を維持しつつ、50日線下での推移。年初来で+2.8%(外部指標)。
- イベント/需給
- 直近の信用買残は減少基調。決算予定(2025-11-04)や配当権利落ち(9/29)前後は短期資金の動きに注意が必要な局面。
- ボラティリティ・ベータ
- 5年ベータ 0.79(市場平均より低めの価格連動性)。
11. 総評
- 事業面
- 検査工程(ウエハプローバ)での強い地位と、加工・計測の技術的厚みが特徴。生成AI/HPCや中国の国産化など構造テーマが追い風となった一方、民生・パワー半導体の変動影響は残存。
- 受注増と受注残により一定の業績可視性。生産能力増強(名古屋工場)で中計の成長に備える姿勢。
- 財務面
- 売上・利益は増収増益、純利益は過去ピークを更新。高い自己資本比率とネットキャッシュで投資/還元の柔軟性がある。
- 株主還元
- 配当性向40%目安の安定配当政策。前期は増配実施、今期は一旦214円計画。
- バリュエーション・テクニカル
- 予想PERは業界平均を下回り、PBRは平均をやや上回る水準。株価は年初来レンジ中位で、50日線下・200日線上の推移。
- 留意点
- 部材コスト、人件費、為替、輸出規制/地政学リスク、顧客投資サイクルの変動。中計進捗(売上/利益/ROE目標)や名古屋工場の立ち上がり、AI/HPC関連の需要持続性が観察ポイント。
出所
– 2025年3月期 決算短信(連結)
– 提供の株価・財務・指標データ(2025-08-25時点)
注記
– 数値は百万円表示やLTM/実績/予想が混在します。各指標は定義差に留意してください。
企業情報
銘柄コード | 7729 |
企業名 | 東京精密 |
URL | http://www.accretech.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 電機・精密 – 精密機器 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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