ダイフク(6383)企業分析レポート
株価: 4,622円(時価総額: 1兆7,555.8億円)/市場: プライム/業種: 機械
決算期: 12月(直近四半期 2025/6/30)
1. 企業情報
- 事業概要
- マテリアルハンドリング(搬送・保管)システムのコンサル、設計、製造、据付、アフターサービスをグローバルに展開。
- 主な顧客分野:流通(EC・小売・倉庫)、一般製造、食品・化学・医薬、半導体・FPD向けクリーンルーム、空港(手荷物搬送BHS等)、自動車生産ライン、洗車機。
- グループ内に産業用コンピュータ/IoT(コンテック)も保有。
- 事業構成(2024.12 連結)
- 物流機器 94%/電子機器 3%/その他 3%、海外売上比率 74%
- 特徴
- 搬送・保管システムで世界トップ級、立体自動倉庫(AS/RS)で首位級。
- 半導体向けクリーン搬送(OHT/ストッカ等)、空港BHS、自動車ライン、流通倉庫など幅広い納入実績。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- マテハン大手の中でも、AS/RSやクリーンルーム搬送で高いシェア・実績を確立。空港BHSや自動車ラインでも実装経験が豊富。
- グローバル競合:Vanderlande(豊田自動織機グループ)、Dematic(KION)、SSI Schäfer、Honeywell Intelligrated 等(分野により競合は異なる)。
- 競争優位性
- 大規模プロジェクト対応力(エンジニアリング~据付~保守までの一気通貫)、広範な導入実績、サービス体制、ソフトウェア/制御を含む総合力。
- 課題
- 為替・政策・大型案件の進捗に左右されやすい受注・売上の変動性。
- 半導体・自動車等、設備投資サイクルの影響。
- 大型案件の採算・工程管理、海外拠点のオペレーション安定化。
3. 経営戦略と重点分野
- 短中期の重点(決算短信等の開示からの要点)
- 半導体(先端品/生成AI関連)・空港向けの需要取り込み強化。
- 北米での供給力強化(米国新工場:竣工予定 2025年10月)など生産効率化・コスト削減。
- サービス売上の拡大(既存稼働設備の保守・改修・アップグレード、ソフト/制御の強化)。
- 業績見通し(2025/12期 会社予想)
- 売上 6,500億円(据置)、営業利益 870億円(上方修正)、純利益 680億円(上方修正)。
- 想定リスク
- 為替、米国通商政策(関税等)に伴う顧客投資の遅延、案件の時期繰延、中国経済の低迷等。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- プロジェクト型(新設・大型案件)が売上の柱。加えて、稼働台数の増加に伴う保守・改修・ソフト更新等のサービス収益が安定収益を補完。
- 適応力
- 労働力不足・人件費上昇・EC拡大など構造的な自動化需要を追い風に、一般製造/流通/空港での引き合い継続。
- 半導体はサイクル性がある一方、先端投資(生成AI)需要が下支え。レガシー半導体向けも継続。
- 留意点
- 案件の大型化に伴う採算・工程・サプライチェーン管理の高度化が引き続き重要。
5. 技術革新と主力製品
- 主力領域
- 立体自動倉庫、シャトル/ソーター/コンベヤ等の物流システム。
- クリーン搬送(OHT/ストッカ等)を含む半導体向け自動化(CFI)。
- 空港BHS・自動チェックイン・スクリーニング・制御ソフト。
- 自動車生産ラインの搬送設備、洗車機。
- 技術動向
- ソフトウェア・制御・IoTによる最適化、予防保全の高度化(コンテック領域含む)。
- 収益牽引
- 半導体(先端)・空港分野の受注増、サービス収益の拡大が利益改善に寄与。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 指標比較(現在値ベース)
- 予想PER: 24.99倍(EPS 184.94円)/業界平均PER: 16.6倍 → プレミアム約1.5倍
- 実績PBR: 4.13倍(BPS 1,117.87円)/業界平均PBR: 1.4倍 → プレミアム約3.0倍
- 予想配当利回り: 1.47%(年68円)
- 参考: トレーリングEPS 157.30円 → 実績PER約29.4倍
- PSR(時価総額÷LTM売上): 約2.4倍(売上LTM 7,283億円)
- EV/EBITDA: 約15.2倍(EV ≒ 1兆5,869億円、EBITDA ≒ 1,047億円)
- 補足
- 高ROE(19.33%)、ネットキャッシュ(現金2308億円-有利子負債621億円 ≒ +1,688億円)、高いCF創出力(LTM OCF 1,340億円)を勘案すると、プレミアム評価の一因となり得るファクターが確認できる一方、半導体・大型案件のサイクル性がマルチプル変動要因。
7. テクニカル分析
- 位置づけ
- 52週高値 4,750円/安値 2,458.5円に対し、現在 4,622円はレンジ上限に近い水準(約2.7%下、レンジの約94%地点)。
- 50日移動平均 3,939.9円、200日移動平均 3,616.4円 → いずれも上回る(50日比+約17%、200日比+約28%)。
- モメンタム
- 52週騰落率 +67.39%、ベータ 0.62(5年月次)。直近出来高は3カ月平均(約137万株)に対し当日約100万株とやや控えめ。
- 信用動向
- 信用買残 32.0万株(前週比 +1.13万)、信用倍率 3.22倍。信用売残は減少。
8. 財務諸表分析
- 成長と収益性
- 売上(連結):2021/3 4,739億 → 2022/3 5,123億 → 2023/3 6,019億 → 2024/3 6,115億円。LTM(2025/6時点指標)7,283億円と加速。
- 営業利益:2021/3 446億 → 2024/3 621億円。LTM 営業利益率 16.77%、当中間期(2025/1-6)営業利益 511億円(前年同中間 381億円)。
- 当期純利益:2024/3 455億円、LTM 727億円。LTM 純利益率 9.98%、ROE 19.33%、ROA 8.71%。
- キャッシュフローと資本効率
- LTM 営業CF 1,340億円、レバードFCF 1,056億円。利益からのキャッシュ創出は良好。
- 総資産 7,036億円、自己資本比率 58.4%、流動比率 2.48倍。D/E(有利子負債/自己資本)約15%、ネットキャッシュ基調。
- セグメント(2025年中間:外部売上/セグ利益)
- ダイフク 1,343億/340億(マージン約25%)
- DNA(北米) 810億/81億(約10%)
- CFI(先端半導体) 188億/15億(約8%)
- DSA(中国) 210億/57億(約27%)
- コンテック 96億/3億(約3%)、その他 621億/59億(約9%)
- コメント
- 前期末の高水準受注残を背景に増収・増益。為替は中間期で売上▲約82億・営利▲約12億相当のマイナス影響が示唆される一方、生産性改善やサービス増で吸収。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 2025年中間配当 34円、通期予想 年間68円(配当性向目安:会社予想ベースで約31%)。
- 5年平均利回り 1.24%、直近期末(予想)利回り 1.47%。
- 自社株
- 自己株式保有 約3.1%(2025/6末 1,212万株)。当期の新規自社株買い記載は確認情報なし。
- その他
- 次回権利落ち予定:2025/12/29(期末配当)。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 50日・200日線を大きく上回り、52週高値圏で推移。52週リターンは市場平均を上回る。
- 投資家構成
- 機関保有比率 約50.9%、インサイダー約6.6%、フロート約3.41億株。
- 需給
- 信用買い越し(倍率3.22倍)、信用売残の減少。需給は短期のボラティリティ要因となり得る。
11. 総評
- 事業面
- 物流自動化・半導体・空港といった構造的需要領域で、エンジニアリング力・グローバル供給・サービス体制を武器に高い競争力を維持。先端半導体向けや空港の大型受注が寄与し、利益率改善が進展。
- リスク
- 為替、米国通商政策、半導体/自動車の投資サイクル、大型案件の進捗・採算管理、中国経済動向など。
- 財務・株価
- 高ROE、ネットキャッシュ、強いCF創出力が確認できる一方、株価指標は業界平均に対しプレミアム。テクニカルでは高値圏・上方乖離が大きい局面。
- まとめ
- 受注残と重点分野の需要に支えられ、短期的な業績モメンタムは良好。中期的には北米生産強化・サービス拡大などの取り組みの実行と、案件進行管理・為替影響のコントロールが注目ポイント。
(注)本資料は公開情報に基づく客観的な企業分析であり、投資勧誘・投資助言を目的としたものではありません。数値は四半期/LTM/通期予想が混在しており、期間差に留意してください。
企業情報
銘柄コード | 6383 |
企業名 | ダイフク |
URL | https://www.daifuku.com/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 機械 – 機械 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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