巴コーポレーション(証券コード:1921)の企業分析レポートを以下の通り作成しました。
1. 企業情報
巴コーポレーションは、1917年創業の老舗建設会社です。主な事業は「鉄構建設事業」と「不動産事業」の2つで構成されています。特に「鉄構建設事業」では、体育館などの大空間構造建築において、無柱建築技術や大張間(おおばりま)構造建築の先駆者として知られています。電力鉄塔の建設にも強みを持っており、文教施設を中心に多くの実績があります。また、「不動産事業」では不動産の購入・管理・賃貸・売買・仲介を手掛けており、安定した収益源となっています。
2. 業界のポジションと市場シェア
同社は、大空間構造建築や無柱建築技術に関して高い技術力を有し、この分野での競争優位性を持っています。特に体育館や文教施設、電力鉄塔といった特殊構造物においては、長年の実績とノウハウが強みと言えるでしょう。
業界全体としては、決算短信において「民間設備投資は持ち直しの動きが見られ、公共投資については底堅く推移している」とされています。しかし、「資材価格の高止まり傾向や労働力不足が続いている」とあり、これらが今後の課題となる可能性があります。具体的な市場シェアに関する数値データは提供されていません。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣が掲げるビジョンや具体的な中期経営計画に関する直接的な記述は提供されたデータからは確認できませんでした。
4. 事業モデルの持続可能性
同社の事業モデルは、高い技術力を要する「鉄構建設事業」と、安定した収益を生み出す「不動産事業」の二本柱で構成されています。特に不動産事業は、景気変動の影響を受けにくい賃貸収入を安定収益源としている点が特徴です。これにより、建設業界特有の景気変動リスクに対する耐性を一定程度持っていると考えられます。
市場ニーズへの適応力については、提供されたデータからは具体的な戦略は読み取れませんが、大空間建築やインフラに対する需要は今後も継続することが予想され、同社の技術力が引き続き活かされる可能性があります。
5. 技術革新と主力製品
同社は「大張間構造建築の先駆け」であり、「無柱建築技術に優れる」という独自の技術力を持っています。これにより、体育館などの大規模空間を支柱なしで実現できることが、他社との差別化要因となっています。また、「電力鉄塔にも強み」とあり、社会インフラを支える重要な分野でも実績を積み重ねています。これらの独自技術を活用した大空間構造建築物や電力鉄塔が、同社の収益を牽引する主力製品と言えるでしょう。技術開発の具体的な動向に関する詳細な記述は提供されていません。
6. 株価の評価
現在の株価は1,499.0円です。
* PER(会社予想): 26.34倍
* PBR(実績): 0.89倍
* EPS(会社予想): 56.92円
* BPS(実績): 1,690.79円
業界平均と比較すると、
* 業界平均PER: 11.3倍
* 業界平均PBR: 0.7倍
同社のPER(26.34倍)は業界平均(11.3倍)よりも高くなっています。これは、市場が今後の成長性や収益改善に期待を寄せている可能性や、過去12ヶ月の実績EPSが特別要因により大きく押し上げられたことによる結果がPERに影響している可能性も考えられます。
PBR(0.89倍)は業界平均(0.7倍)より高くなっていますが、依然として1倍を下回っています。これは、企業の純資産価値と比較して株価が割安であると判断される場合があることを示しています。
7. テクニカル分析
現在の株価1,499.0円は、
* 年初来高値:1,590円
* 年初来安値:935円
* 52週高値:1,590.00円
* 52週安値:822.00円
* 50日移動平均:1,477.78円
* 200日移動平均:1,250.77円
直近10日間の株価推移を見ると、概ね1,490円~1,530円台で推移しており、大きな下落は見られませんが、直近数日はやや下向きの調整局面にあるようです。現在の株価は年初来高値に近く、50日移動平均線を上回っており、200日移動平均線からは大きく乖離しています。このことから、株価は比較的高値圏で推移している状況と見ることができます。
損益計算書の傾向(年度別比較)
指標 | 過去12か月 | 2025.3期(予) | 2024.3期 | 2023.3期 | 2022.3期 |
---|---|---|---|---|---|
売上高 | 34,670百万円 | 34,670百万円 | 33,342百万円 | 35,982百万円 | 25,301百万円 |
営業利益 | 3,932百万円 | 3,932百万円 | 3,178百万円 | 3,782百万円 | 3,497百万円 |
税引前利益 | 16,765百万円 | 16,765百万円 | 3,783百万円 | 4,246百万円 | 3,921百万円 |
親会社株主純利益 | 14,849百万円 | 14,849百万円 | 2,782百万円 | 3,175百万円 | 2,756百万円 |
EPS | 367.02円 | 372.25円 | 69.32円 | 80.20円 | 69.64円 |
※「過去12ヶ月」および「3/31/2025」のデータは、提供データでは同額で、決算短信の通期予想とは異なるため、注釈として補足します。特に税引前利益と親会社株主純利益が直近で大幅に増加していますが、これは多額の「Total Unusual Items(特別損益)」が計上されたことによるもので、通常の事業活動によるものではない可能性が高いです。
直近四半期(令和7年4月1日~令和7年6月30日)決算短信からの情報
- 売上高: 6,774百万円(前年同四半期比 △10.7%)
- 営業利益: 733百万円(前年同四半期比 △12.7%)
- 経常利益: 1,103百万円(前年同四半期比 △10.3%)
- 親会社株主に帰属する四半期純利益: 698百万円(前年同四半期比 △19.7%)
直近四半期は前年同期と比較して減収減益となっています。
主要財務指標
- ROE(実績): 26.10% (提供データ) / 23.21% (過去12ヶ月) – 非常に高い水準ですが、これは過去12ヶ月の異常な純利益に起因している可能性が高いです。
- ROA(過去12か月): 2.49%
- 自己資本比率(実績): 53.5% (提供データ) / 55.0% (直近四半期) – 安定した財務基盤を示しています。
- 営業利益率(過去12か月): 10.82% – 比較的高水準です。
- 流動比率(Current Ratio): 2.19倍 – 短期的な負債の支払い能力に余裕があることを示しています。
過去数年間の売上高は300億円台後半から200億円台後半で推移しており、営業利益は30億円台前半から後半で安定的に推移していました。しかし、直近の「過去12か月」および「3/31/2025」の純利益とEPSは、特別要因により大幅に増加している点に留意が必要です。決算短信の通期予想を見ると、純利益は2,100百万円、EPSは56.91円とされており、これは過去数年の水準に近い値を示しています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り(会社予想): 1.60%
- 1株配当(会社予想): 24.00円
- 配当性向(会社予想EPSに基づく計算): 24.00円 / 56.92円 = 約42.16%
提供されたPayout Ratio 4.30%は、過去12ヶ月の特別な利益に基づくもので、会社予想EPSで計算すると42%程度となります。これは利益に対して中程度の配当を行っていることを示します。
自社株の保有割合は9.48%と一定の割合を占めており、これは潜在的な株主還元策(自社株消却など)に繋がり得るものです。配当方針に関する具体的な記述は提供されていませんが、安定的な配当維持への意識がうかがえます。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近10日間の株価は、一時的に上昇する場面も見られましたが、全体としては高値からの調整局面に入っている可能性があります。出来高は概ね1万株台から10万株台で推移しており、日によって変動が見られます。
信用取引の状況を見ると、信用買残が2,511,700株であるのに対し、信用売残は157,400株となっており、信用倍率は15.96倍と買いが優勢な状況です。信用買い残が比較的多いことは、将来的な売圧力となる可能性もあります。
ベータ値は0.60と、市場全体の変動と比較して株価の変動が小さめであることを示しており、比較的安定した値動きをする傾向にあると考えられます。
株価への影響要因としては、決算短信で述べられている「資材価格の高止まり傾向」や「労働力不足」などがコスト増に繋がり、業績に影響を与える可能性があります。一方で、公共投資の堅調さや民間設備投資の持ち直しはプラス要因となりえます。
11. 総評
巴コーポレーションは、大空間構造建築や電力鉄塔に関する独自の技術力を強みとする建設事業と、安定収益源である不動産事業を持つ企業です。財務基盤は自己資本比率が55.0%と安定しており、流動比率も健全です。
株価は年初来高値圏で推移しており、PERは業界平均と比較して高めですが、PBRは1倍を下回っています。直近四半期は減収減益となりましたが、通期の会社予想では増収増益を見込んでいます。特に過去12ヶ月の純利益が特別要因により大きく押し上げられているため、PERなどの指標を評価する際には注意が必要です。
配当性向は会社予想EPSに基づいて約42%であり、安定的な株主還元を行う姿勢が見られます。今後の注目点としては、建設業界全体の課題である資材価格の高騰や労働力不足への対応、そして主力である鉄構建設事業の受注状況と収益性の推移が挙げられます。
企業情報
銘柄コード | 1921 |
企業名 | 巴コーポレーション |
URL | http://www.tomoe-corporation.co.jp/ |
市場区分 | スタンダード市場 |
業種 | 建設・資材 – 建設業 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.1)」によって自動生成されました。
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