1. 企業情報
- 概要: 金属チタン(スポンジチタン、インゴット、高純度・粉末・加工材)、ポリオレフィン用触媒、化学品(超微粉ニッケル、高純度酸化チタン、四塩化チタン等)を製造・販売。固体電解質や多孔質チタンシート(WEBTi)など新素材も展開。
- 特徴: JX Advanced Metals(JX金属)グループのチタン製錬大手。航空機・一般産業向けが柱、電子材料・次世代触媒にも注力。
- 連結事業構成(2025/3期): 金属チタン 74%(営業利益率目安10%)、触媒 12%(同22%)、化学品 14%(同-12%)。
- 従業員: 1,260名、本社: 横浜市。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション: 国内のスポンジチタン大手で大阪チタニウムと双璧。航空機グレードや高純度品で品質・認証面の参入障壁が高い。
- 競争環境:
- 競争優位性: 航空機向け認証・品質管理、JXグループとの原料・販売面シナジー、高純度・粉末など高付加価値品の技術。
- 課題: 中国勢の過剰生産による価格圧力、電力・原材料コストの高止まり、航空機サプライチェーンの在庫調整の長期化(ボーイング関連)。
(注)具体的な世界シェア比率は開示情報なし。
3. 経営戦略と重点分野
- 基本方針: 主力の金属チタンの収益性維持・高付加価値化と、景気感応度の異なる触媒・電子材料の拡大によるポートフォリオ強化。
- 重点領域(短信・事業説明より)
- 高純度・粉末・加工チタン(半導体・特殊用途)比率の拡大
- 触媒事業の需要回復取り込み(新規ライン稼働顧客など)
- 化学品(超微粉ニッケル:MLCC向け)の需給正常化と収益回復
- 新素材(固体電解質、WEBTi 等)の育成
- コスト最適化(エネルギー・原材料、工程改善)
- 制度・会計対応: 棚卸資産評価法を先入先出法から移動平均法へ変更(2026/3期1Q、遡及適用)。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: 金属チタンは市況・為替・航空機ビルドレートに連動。触媒・電子材料は用途多様化で景気循環分散効果。
- 持続性の観点:
- プラス要因: 航空機の中長期生産計画、インフラ・脱炭素でのチタン需要、電子部品需要の回復基調。
- リスク要因: 中国過剰供給、為替・電力コストの変動、航空機メーカーの生産計画変更。
- 適応力: 高付加価値品の拡販と新規材料の開発でポートフォリオを多角化。
5. 技術革新と主力製品
- 主力: スポンジチタン・インゴット、高純度チタン(半導体材)、チタン粉、ポリオレフィン触媒、超微粉ニッケル。
- 技術の独自性: 高純度化・粉末化、多孔質チタン(WEBTi)、固体電解質などの材料技術。
- 収益牽引(2026/3期1Q・セグ利益ベースの寄与)
- 金属チタン: 営業利益 837百万円(前年同期比減)
- 触媒: 営業利益 727百万円(同増)
- 化学品: 営業損失 117百万円(同悪化)
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 株価: 1,731円、時価総額: 約1,238億円
- 1株指標:
- 予想EPS: 33.72円 → 予想PER 約51.3倍
- LTM EPS: 52.45円 → LTM PER 約33.0倍
- BPS: 813.47円 → PBR 約2.13倍
- 参考比較:
- 業界平均PER: 80.4、業界平均PBR: 0.8(分母・セクター差異に留意)
- 売上倍率(P/S、LTM): 約1.39倍(時価総額/売上高)
- EV/EBITDA(概算、LTM): 約14.0倍[EV ≒ 1,237.98 + 567.1 – 47.2 = 約1,757.9億円、EBITDA ≒ 125.3億円]
- 含意: 予想ベースでは利益水準の低下を織り込んだ水準、LTMベースでは指標が低下。PBRは業界平均を上回る。
7. テクニカル分析
- トレンド: 株価は50日線(約1,403円)、200日線(約1,138円)を大きく上回る上昇トレンド。
- 位置づけ: 52週高値1,870円に接近後(8/29)、足元は1,700円台前半まで押し戻し。高値圏からの短期調整局面。
- 価格帯:
- 直近レジスタンス: 1,800円前後、1,870円(年初来高値)
- サポート: 1,700円前後、1,600円台
- 出来高: 10日平均約97万株と3カ月平均約76万株を上回り、投資家関心は高め。
8. 財務諸表分析
- 損益(百万円)
- 売上高: 55,515(2022)→ 80,351(2023)→ 78,404(2024)→ 88,974(2025)
- 営業利益: 5,229 → 10,694 → 5,629 → 5,880
- 親会社純利益: 3,695 → 7,504 → 4,951 → 3,726
- 傾向: 2023年に利益ピーク、その後は市況・コスト等で低下。2026/3期1Qは営業利益率約3.7%と前年同期から低下。
- 安全性・効率性(2025/6/30時点)
- 自己資本比率: 46.2%(期末実績46.8%)
- 有利子負債: 567億円、D/E(簿価)約98%
- 流動比率: 約154%、当座比率(概算)約42%
- 収益性
- ROE(実績): 6.49%、(過去12か月参考)約4.44%
- EBITDA(LTM): 約125億円、減価償却費は年約75億円規模
- その他
- 営業外費用に為替等の影響(2026/3期1Qで経常段階の落ち込みが大きい)
- 棚卸資産評価法の変更(移動平均法)を遡及適用
9. 株主還元と配当方針
- 配当: 年間18円(会社予想)、配当利回り約1.0%
- 配当性向: 参考ベースで約34%(LTM EPS基準)。会社予想EPS基準では上振れ見込み。
- 権利落ち予定: 2025/9/29(予定)
- 自社株買い等: 公表資料からは確認不可
- 株主構成: 筆頭株主JX金属が約50%を保有。インサイダー保有比率約55%、機関投資家保有約9%とフリーフロートは大きくない。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 52週騰落: +41.95%
- 直近推移: 8月下旬に年初来高値更新後、1,700円台でのもみ合い。出来高増加を伴う上昇後の調整。
- 信用動向: 信用買残59.9万株(前週比-2.8万)、信用倍率1.52倍。買い残・売り残ともに減少しポジション整理の動き。
- 影響要因: 2026/3期1Qの利益減、航空機需給の不透明感、中国の供給動向、為替・電力コストなど。
11. 総評
- 概観: 国内大手として航空機・一般産業・電子材料に展開。品質・認証と高純度技術に強みがある一方、中国の供給圧力や航空機在庫調整、コスト要因が収益を圧迫。
- 事業ポートフォリオ: 金属チタン偏重だが、触媒・電子材料の寄与拡大で分散が進む。1Qは触媒が堅調、化学品は在庫是正で赤字。
- 財務: 自己資本比率は4割台後半、流動性は健全。借入は増加傾向でD/Eは約1倍。
- バリュエーション・株価: 株価は中長期の上昇トレンドで高値圏に位置。予想PERは高め、LTM指標では低下。PBRは業界平均を上回る水準。
- 主要リスク/注目点: 航空機需要の戻りタイミング、中国供給と価格、為替・電力コスト、新素材の収益化進捗。会計方針変更(棚卸資産)も比較時は留意。
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企業情報
銘柄コード | 5727 |
企業名 | 東邦チタニウム |
URL | http://www.toho-titanium.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 鉄鋼・非鉄 – 非鉄金属 |
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