1. 現在の株価の評価
- 株価: 295.0円
- PER（会社予想）: 5.99倍
- PBR（実績）: 0.53倍
- EPS（会社予想）: 49.26円
- BPS（実績）: 557.00円
現在の株価は、予想EPSに基づくPERが業界平均（11.3倍）を大きく下回っており、割安感が見られる可能性があります。また、PBRも業界平均（0.7倍）を下回っており、株価が純資産価値を下回っている状況です。ただし、予想値に基づいているため、今後の業績次第では評価が変化する可能性があります。
2. テクニカル分析
直近10日間の株価は295円～298円の狭いレンジで推移しており、大きなトレンドは確認できません。年初来高値375円からは大きく下落しており、高値圏からは離れていると言えます。
3. 財務諸表分析
損益計算書（百万単位）
| 項目 | 過去12か月 | 2024年3月期 | 2023年3月期 | 2022年3月期 | 2021年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 43,625 | 43,625 | 42,400 | 37,189 | 44,819 |
| 営業利益 | 1,687 | 1,687 | 1,845 | 1,931 | 1,710 |
| 純利益 | 1,100 | 1,100 | 1,896 | 1,310 | 693 |
| ROE（実績） | 7.28% | ||||
| ROA（実績） | 4.28% |
売上高は過去数年で変動しており、安定した成長を示しているとは言えません。営業利益、純利益も変動が大きく、安定性には課題が見られます。ROE、ROAは比較的高い水準を示していますが、今後の持続可能性を確認する必要があります。
4. 業界のポジションと市場シェア
南海辰村建設は、南海電鉄グループの中堅建設会社です。近畿圏を地盤とする南海建設と首都圏を地盤とする辰村組の統合により誕生しました。業界内での具体的な市場シェアは不明ですが、中堅ゼネコンとして競争が激しい市場で事業展開しています。公共投資の堅調さを追い風とする一方、資材価格高騰や人手不足といった課題に直面しています。
5. 経営戦略と重点分野
決算短信によると、3カ年経営計画に基づき、主要目標数値の達成に向けて取り組んでいると記載されています。具体的な施策や重点分野については公開情報からは詳細が不明です。
6. 事業モデルの持続可能性
建設業は景気循環の影響を受けやすく、公共投資の動向に左右されます。南海辰村建設は、建築、土木、電気工事などを幅広く手掛けていますが、収益モデルの多様化や市場ニーズの変化への対応については、今後の情報開示を注視する必要があります。
7. 技術革新と主力製品
南海辰村建設の技術開発の動向や主力製品に関する情報は公開情報からは限定的です。
8. 株主還元と配当方針
- 予想配当利回り: 1.36%
- 予想1株配当: 4.00円
- 配当性向: 7.99%
配当利回りは低水準です。配当性向も低いことから、積極的な株主還元策は現状では見られないと考えられます。
9. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は横ばい傾向にあり、大きな上昇・下降の勢いは見られません。信用買残は減少傾向にあり、投資家関心の高まりは限定的である可能性があります。
10. 総評
南海辰村建設は、PER、PBRともに割安感が見られる可能性があります。しかし、業績の安定性や成長性には課題があり、今後の業績推移や経営戦略の明確化が株価動向に大きく影響すると考えられます。 公開情報が限られているため、より詳細な分析には、追加の情報収集が必要となります。 投資判断にあたっては、ご自身の判断と責任で行ってください。
企業情報
| 銘柄コード | 1850 |
| 企業名 | 南海辰村建設 |
| URL | http://www.nantatsu.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 建設・資材 – 建設業 |
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