合同製鐵(5410)企業分析レポート
株価:4,320円(年初来高値=52週高値)/時価総額:約740.7億円/市場:東証プライム
1. 企業情報
- 概要:
- 日本製鉄系の電炉大手。H形鋼、山形鋼・溝形鋼(形鋼)、線材、異形棒鋼(鉄筋)など建設向け鋼材に強み。
- 電炉ダスト処理や粗酸化亜鉛、肥料の製造・販売、ワイヤ製品、耐火煉瓦、砕石・砕砂、運送・産廃処理なども展開。
- 鉄筋の朝日工業が傘下。複数製造拠点を持ち、需給に応じた生産調整が可能。
- セグメント構成(2026/3期計画ベース):
- 鉄鋼:92%(営業利益の中心)
- 農業資材:6%
- その他:2%
- 本社:大阪市北区(JPタワー大阪)/設立:1937年/従業員:2,101人
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:
- 国内電炉(EAF)型の建設用鋼材で上位。H形鋼・線材・棒鋼で一定の存在感。
- 日本製鉄が筆頭株主(約15%)。共英製鋼や東京鐵鋼など同業各社とも資本・取引関係あり。
- 競争優位・課題:
- 優位:複数拠点による機動的な供給、建設用鋼材の厚い顧客基盤、電炉由来の相対的なCO2排出低位。
- 課題:国内建設需要の伸び悩み、原材料スクラップ・電力コストの変動、価格転嫁のタイムラグ。輸入材・市況の影響も受けやすい。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン(中期ビジョン2025の要旨):
- 需給に合わせた生産・出荷の最適化、再生産可能な販売価格の維持・改善、事業基盤の強化。
- 重点施策(短信記載・推察含む):
- 価格重視(価格維持・是正)、コスト改善(歩留・操業・エネルギー効率向上)、拠点間最適生産。
- サーキュラー領域(電炉ダスト処理、粗酸化亜鉛等)の拡充による収益源多様化。
- 安全・品質・供給安定の徹底。必要投資の選択と集中。
- 2026/3通期会社予想:売上2,000億円、営業利益125億円、純利益95億円(予想据え置き)。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:
- 建設需要に連動する鋼材販売+リサイクル・環境関連(電炉ダスト処理、粗酸化亜鉛等)。
- 価格政策(再生産可能価格)と需給対応が利益安定に重要。
- 持続性の観点:
- 電炉はスクラップ再資源化とCO2排出低位が強み。環境規制・顧客の脱炭素要請に整合。
- 一方、国内需要のボラティリティとエネルギーコスト高止まりは収益の振れ要因。
5. 技術革新と主力製品
- 主力:H形鋼・形鋼、線材、異形棒鋼、レール材、ビレット。EGジョイント・アンカープレート、摩擦圧接関連など建設・土木向け製品群。
- 技術・特色:
- 電炉・連続鋳造の運転最適化、歩留・省エネ改善、ダストからの亜鉛回収など資源循環型の技術蓄積。
- 建設用鋼材の品質・規格対応力と納期対応が顧客評価の源泉。
6. 株価の評価(バリュエーションの指標比較)
- 前提:株価4,320円、BPS 9,257.27円、会社予想EPS 649.59円、TTM EPS 774.19円
- 指標水準:
- 予想PER:約6.65倍(= 4,320 / 649.59)
- TTM PER:約5.58倍(= 4,320 / 774.19)
- PBR:約0.47倍(= 4,320 / 9,257.27)
- EV/EBITDA(概算):約6.0倍[EV≒時価総額740.7億+純有利子負債約364億=約1,105億/EBITDA約185億]
- P/S(概算):約0.37倍(= 740.7億 / 1,997億)
- 業界平均(参考):PER 8.0倍、PBR 0.6倍
- PERは業界平均比で低位水準(約−17%)
- PBRは業界平均比で低位水準(約−22%)
- 配当:
- 予想配当200円(利回り約4.63%)、配当性向目安30%前後(会社方針)。TTM配当は240円。
7. テクニカル分析
- トレンド:
- 52週高値=4,320円を本日更新。50日線3,935円、200日線3,876円の上方で推移(上昇トレンド基調)。
- 直近10営業日で終値は4,140円→4,320円(約+4.3%)。
- 出来高:
- 直近10日平均約68.6千株、3カ月平均約62.3千株をやや上回る。今日の出来高109千株と増加。
- 位置づけ:
- 年初来高値圏・上方乖離(50/200日線比)が拡大。短期的な値動きの振れに留意。
8. 財務諸表分析
- 損益(連結、単位:百万円)
- 売上高:2022/3 2,042,010 → 2023/3 2,353,870 → 2024/3 2,228,500 → 直近12カ月 2,051,990
- 営業利益:-2,697 → 13,907 → 17,851 → 13,750
- 親会社純利益:-1,112 → 12,508 → 15,193 → 11,322
- 傾向:2022/3期の赤字から収益回復、その後は需要鈍化・コスト環境等で近時は減益傾向。2026/3期1Qは純利益+3.9%(負ののれん益計上の影響あり)。
- 収益性(直近、短信1Q・LTM参考):
- 粗利率:約18%(1Q)/営業利益率:約6%(1Q・LTM)
- ROE:約8.6%、ROA:約3.2%、EBITDAマージン(概算)約10%
- 安全性・効率性:
- 自己資本比率:53%、D/E(総負債資本倍率):約46%、流動比率:1.79倍
- 現金同等物:約257億円、総有利子負債:約621億円、ネット有利子負債:約364億円、ネットD/EBITDA≒2倍弱
- 四半期動向(2026/3期1Q):
- 売上4,790億円(前年同期比▲10.3%)、営業利益296億円(同▲10.7%)、純利益293億円(同+3.9%)
- 鉄鋼の数量減・価格環境の影響。一方、負ののれん益計上が純利益を下支え。
9. 株主還元と配当方針
- 配当:
- 実績(2025/3):年間240円(中間100円、期末140円)
- 予想(2026/3):年間200円(中間100円、期末100円)、配当性向目安は連結30%程度
- 予想配当利回り:約4.63%(基準株価4,320円)
- 自己株式:
- 自己株比率約14.7%(約252万株)。足元で新規の自己株取得方針の記載はなし(短信)。
- 権利落ち:
- 次回権利落ち予定:2025年9月29日(予定)
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:
- 50日・200日移動平均線を上回り、年初来・52週高値更新。直近は出来高増を伴う上昇。
- 信用動向:
- 信用倍率8.48倍。信用買残は前週比+9.4千株、売残は小幅減。買い残の積み上がりが短期の値動きに影響する可能性。
- オーナーシップ:
- インサイダー保有率約26.9%、機関保有約13.7%、浮動株約912万株。浮動株が相対的に限定的。
- イベント:
- 決算予定(レンジ):2025/7/30〜8/4
- 配当権利関連:2025/9/29(予定)
11. 総評(要点整理)
- 事業:国内建設用鋼材に強い電炉メーカー。需要は市況・建設動向に連動。電炉・資源循環の特性は中長期の環境要請と整合。
- 収益:2024/3期まで回復、その後は数量減等で利益水準は一服。1Qは価格維持とコスト対応で利益率を確保しつつ、特殊要因の寄与あり。
- 財務:自己資本比率約53%、ネットD/EBITDA約2倍弱でバランスは中庸。流動性も確保。
- バリュエーション:PER・PBRとも業界平均比で低位水準。配当方針は配当性向30%目安。
- テクニカル:年初来高値更新で上昇基調。移動平均線上方、出来高増。短期の過熱・信用動向には留意。
- リスク・注目点:国内建設需要・原燃料/電力価格・円相場・輸入材/市況、価格転嫁の速度。環境関連・リサイクル領域の拡充や供給最適化の進捗が注目点。
本資料は公開情報に基づく客観的な整理であり、投資勧誘・助言を目的とするものではありません。記載数値は万一の誤りや変更の可能性があります。詳細は会社開示(決算短信・有価証券報告書・中期計画等)をご確認ください。
企業情報
銘柄コード | 5410 |
企業名 | 合同製鐵 |
URL | http://www.godo-steel.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 鉄鋼・非鉄 – 鉄鋼 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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