1. 現在の株価の評価
- 株価: 1,391.0円
- EPS（予想）: 86.86円
- PER（予想）: 16.01倍
- BPS（実績）: 1,455.74円
- PBR（実績）: 0.96倍
現在のPERは業界平均（12.1倍）を上回っており、株価はEPSに対して適正水準よりも高い評価を受けている可能性があります。また、PBRは業界平均（1.0倍）を下回っているため、資産面では割安感があると考えられます。
2. テクニカル分析
- 年初来高値: 1,568円
- 年初来安値: 1,180円
- 直近株価: 1,391円
直近の株価は年初来高値に対して約11%の下落を示しており、現在は高値圏からの調整局面にあると考えられます。
3. 財務諸表分析
- 売上高（過去12か月）: 506,866百万円
- 営業利益: 9,888百万円
- 純利益: 6,488百万円
- ROE: 5.10%
- 自己資本比率: 44.6%
売上高は前年と比較して横ばいである一方、営業利益と純利益は減少傾向にあります。ROEは5.10%と低く、資本効率の改善が求められます。
4. 業界のポジションと市場シェア
山善は機械・工具専門商社として国内外で強い競争力を持っていますが、原材料価格の高騰や設備投資の低迷が影響し、利益率が圧迫されています。競合他社と比較して、特に生産財関連事業での競争優位性が問われています。
5. 経営戦略と重点分野
経営陣は国内外での問題解決サービスの強化を掲げており、特に生産財と消費財の両方での市場拡大を目指しています。中期経営計画では、効率的な運営とコスト削減を重視しています。
6. 事業モデルの持続可能性
山善の事業モデルは多様な製品ラインに支えられていますが、特に住宅設備や家庭機器分野での市場ニーズの変化に適応する必要があります。環境への配慮や省エネ製品の開発が求められています。
7. 技術革新と主力製品
山善は工作機械や自動化設備に強みを持ち、特に産業用ロボットやCNC機械が収益を牽引しています。技術開発の動向としては、IoTやAIを活用した製品の開発が進められています。
8. 株主還元と配当方針
- 配当利回り: 3.67%
- 1株配当（予想）: 51.00円
- 配当性向: 83.42%
配当利回りは比較的高く、安定した株主還元策を維持していますが、配当性向が高いため、将来的な利益成長が求められます。
9. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は安定しており、出来高も一定の水準を保っていますが、信用倍率が0.79倍と売り圧力が強い状況です。投資家の関心はやや低下している可能性があります。
10. 総評
山善株式会社は、機械・工具専門商社としての強みを持ちながらも、利益率の低下や市場環境の変化に直面しています。株価は業界平均に対して割高感があり、今後の業績回復が鍵となります。経営陣の戦略が実を結ぶかどうかが注目されます。
企業情報
| 銘柄コード | 8051 |
| 企業名 | 山善 |
| URL | http://www.yamazen.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 商社・卸売 – 卸売業 |
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