4534 持田製薬 分析レポート(個人投資家向け)
更新日: 2025-09-10 株価: 3,275円
1. 企業情報
- 概要
- 医療用医薬品を中心とする国内中堅の製薬企業。循環器、消化器、産婦人科、精神科、皮膚科などに強み。ヘルスケア(スキンケア)や医療機器(バイオマテリアル)も展開。
- 主力・重点品目(例):潰瘍性大腸炎(Lialda/リアルダ、Omvoh/オンボー、Cortiment)、慢性便秘症(Goofice/グーフィス、Movicol/モビコール)、高脂血症(Epadel/エパデール)、痛風・高尿酸血症(ドチヌラド:ユリス)、肺高血圧(Treprost/トレプロスト)、降圧剤(Atelec)、女性疾患(Dinagest/ディナゲスト)、抗うつ(Lexapro)など。抗凝固薬(ヘパリン)も取り扱い。
- 医療機器:軟骨修復材 dMD-001(モチジェル、2025年7月製販承認取得)、dMD-002(陰茎海綿体神経損傷)、dMD-003(術後癒着抑制)等を開発。
- 事業構成(2025年3月期):医薬品関連 93%、ヘルスケア 7%
- 上場区分:東証プライム/業種:医薬品
- 本社:東京都新宿区四谷1-7
- 従業員:1,508人、平均年齢 43.3歳、平均年収 825万円
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 国内の中堅スペシャリティ製薬。循環器・消化器・産婦人科など特定領域に資源を集中し、導入品/提携品も含む製品ポートフォリオで収益化。
- 競争優位性(示唆)
- 特定疾患領域における処方基盤・情報提供力、他社との共同開発・導入によるラインアップ強化、ヘルスケア/医療機器を含む多角化。
- 課題(一般論を含む)
- 薬価改定や選定療養など制度変更の影響、長期収載品の目減り、後発品・バイオシミラーとの競争、特定製品依存度の管理。
- 市場シェア
- 個別製品・領域の市場シェアの公表値は手元情報になし(—)。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・中期計画(2025–2027)
- 「成長戦略加速の3年間」と位置付け、①コア事業の収益力強化 ②成長事業への継続投資 ③経営基盤強化を重点テーマに推進。
- 具体施策(要旨)
- 医薬品:循環器・消化器・産婦人科・精神科の重点領域で主力品の拡販と適正使用情報の提供を継続。
- 研究開発:siRNA、細胞医薬(SHED等)など新モダリティを含むパイプライン整備。RGB-19(トシリズマブBS 申請中)、MD-352/MD-712(第II/III相)などを進捗。
- 医療機器:dMD-001(モチジェル)承認後の上市準備、dMD-002/003の検証的治験を継続。
- ヘルスケア:コラージュフルフル等スキンケアブランドの市場開拓。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- 医療用医薬品の処方収益が中心。導入品・共同販促と自社開発のミックス、加えてヘルスケア(OTCスキンケア)や医療機器の拡大で収益源を分散。
- 適応力(環境変化への対応)
- 薬価改定による影響に対しては新薬の伸長とパイプライン・新モダリティで補完。長期収載品の減少を新製品や後発品・バイオシミラーで補う構図。
- 財務安全性
- 自己資本比率 81%台、流動比率 約4.65倍、現金同等物 546億円規模と、投資・開発継続の余地。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・開発動向
- 新モダリティ(siRNA、細胞医薬)やバイオシミラーへの取り組み強化。医療機器(生体材料)での製品化進展(dMD-001承認)。
- 主力の伸長(2026年3月期 1Q、前年比)
- リアルダ(潰瘍性大腸炎)+8%、グーフィス +9%、モビコール +10%、トレプロスト +34%、ユリス(ドチヌラド)+25%、後発品(BS含む)+7%、スキンケア +14%
- エパデールは薬価・市場要因等で減少(▲27%)
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 指標(現在値ベース)
- 株価 3,275円、時価総額 約1,194億円
- 予想PER(連結)21.53倍(会社予想EPS 152.33円)
- TTM PER(参考)約20.4倍(TTM EPS 160.36円)
- PBR(実績)0.89倍(BPS 3,699.59円)
- 予想配当利回り 2.44%(年80円)、配当性向 約50%
- 業界平均との比較(提供データ)
- 業界平均PER 27.8倍、業界平均PBR 1.4倍
- 本件はPER・PBRとも業界平均より低位水準に位置。
- 参考
- アーンリングス・イールド(1/予想PER)約4.6%
(注)上記は客観指標の比較であり、投資判断を意図するものではありません。
7. テクニカル分析(短期)
- トレンド
- 現在値 3,275円は、50日移動平均 3,090円、200日移動平均 3,173円を上回る水準。
- 直近10日で緩やかな上昇基調(約3,125円→3,275円)。出来高は3カ月平均(約23.7千株)並み〜やや下回り。
- 位置
- 52週レンジ 2,836〜3,625円の中位(レンジ内約56%地点)。年初来高値 3,520円、52週高値 3,625円に対しては下方に位置。
- 需給
- 信用倍率 1.04倍で中立的。買残・売残とも前週比で縮小。
8. 財務諸表分析(連結)
- 損益(年度、単位:百万円)
- 売上高:2022 110,179 → 2023 103,261 → 2024 102,885 → 2025 105,159
- 営業利益:2022 14,392 → 2023 8,507 → 2024 5,803 → 2025 8,126
- 親会社株主帰属純利益:2022 10,569 → 2023 6,649 → 2024 4,547 → 2025 5,685
- 2025期は減少傾向から持ち直し。粗利率は約51%(2025)。
- 収益性(マージン)
- 営業利益率:2022 約13.1% → 2024 約5.6% → 2025 約7.7%
- 2026年3月期 1Q:売上 26,631(+4.8%)、営業利益 2,572(+17.5%)、営業利益率 約9.7%
- 進捗率(2026年3月期会社予想比)
- 売上高 24.1%(26,631/110,500)
- 営業利益 36.7%(2,572/7,000)
- 純利益 35.1%(1,894/5,400)
- 安全性・効率性(直近)
- 自己資本比率 81.1%(前期末 81.6%)
- 流動比率 約4.65倍、現金等 546.9億円
- ROE 実績 4.40%、ROA(過去12か月)3.33%
- キャッシュフロー
- 四半期CF明細は未掲示(—)。減価償却費(1Q)約6.96億円。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 前期実績:年間80円(中間40・期末40)
- 今期予想:年間80円(中間40・期末40)変更なし
- 配当性向:約50%(TTM EPS換算)
- 5年平均配当利回り:2.40%に近い水準
- 自社株買い等
- 自己株式 2.58%保有の開示あり。新規の自己株取得等の情報は手元資料に記載なし(—)。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 1Qで増収増益(営業+17.5%、純利+21.8%)を背景に、株価は短期上昇トレンドへ移行。現状は中長期線(200日)も上回る。
- 投資家関心の示唆
- 出来高は平常レンジ、信用取引は中立。大口のイベントは近くでは配当権利落ち(2025/9/29予定)。
- 需給・イベント
- インサイダー保有36.6%、機関投資家保有14.9%。近い期日の決算発表予定は未掲示(—)。
11. 総評(要点整理)
- 事業面
- 中核領域(消化器、循環器、産婦人科等)で新薬・重点品が伸長。長期収載品や薬価改定の逆風を新製品・後発品・BS、医療機器・ヘルスケアで補完する姿勢。
- dMD-001承認により医療機器の収益化フェーズが具体化。R&Dでは新モダリティやBSで中期的な種まきを継続。
- 業績・財務
- 2025期で増益に転じ、2026期1Qも増収増益。自己資本比率・流動性は高水準で投資余力あり。
- バリュエーション・株価
- PER・PBRは業界平均より低位。PBRは1倍未満。短期的には移動平均線上方で推移し、レンジ中位に位置。
- リスク・留意点
- 薬価改定、制度変更、後発品浸透、特定品目依存、開発リスク(承認の可否・遅延)など。
企業情報
銘柄コード | 4534 |
企業名 | 持田製薬 |
URL | http://www.mochida.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 医薬品 – 医薬品 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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