日本製鉄(5401)企業分析レポート(プライム市場)

株価データ基準日:2025-09-10(終値 3,302円)

1. 企業情報

  • 概要
    • 日本製鉄株式会社(Nippon Steel Corporation)は、粗鋼国内首位・世界上位の鉄鋼メーカー。2012年に住友金属工業と経営統合。2019年に現社名へ変更。
    • 主要セグメント:製鉄(連結売上の約90%)、エンジニアリング、ケミカル&マテリアル、システムソリューション。
    • 高級鋼板・特殊鋼など高付加価値に強み。自動車、インフラ、エネルギー、家電など幅広い産業に供給。
  • 最近のトピック
    • 2025/6/18にUnited States Steel(USスチール)を合併し連結化。グローバル粗鋼生産能力を約8,600万トンへ拡大(短信記載)。
    • 2025/10/1に1→5の株式分割実施予定(効力発生日)。2025/9/29が権利落ち予定日(Ex-Dividend)。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション
    • 国内:粗鋼生産量で首位。高級鋼板・電磁鋼板・高張力鋼などの技術・品質で強み。
    • 世界:粗鋼生産で世界4位規模(短信記載)。USスチール統合で北米の事業基盤を強化。
  • 競争優位性
    • 技術開発力と品質管理、主要エンド市場(自動車・エネルギー)への深い関与。
    • 国内外の一貫製鉄・加工体制、需要地近接の生産・販売網。
  • 課題
    • 鉄鋼は景気・資源価格・為替の影響が大きいサイクル産業。
    • 脱炭素対応(製鉄プロセスのCO2削減)への大型投資負担。
    • 大型M&A(USスチール)後の統合コスト・シナジー顕在化のタイミング。

3. 経営戦略と重点分野

  • 経営方針
    • 「総合力世界No.1」を掲げ、高付加価値鋼の拡販、グローバル最適生産、サステナビリティ対応を推進。
  • 重点施策(短信・公表情報に基づく要点)
    • 北米強化:USスチール統合により米国需要(自動車・インフラ・エネルギー)を内製・近接で取り込み。
    • 高級鋼比率の拡大:自動車向け高張力鋼、電磁鋼板など。
    • 脱炭素:水素・電炉・DRI等の技術導入・検討、エネルギー効率化。
    • 事業ポートフォリオ最適化:国内拠点再編、エンジニアリング・素材・IT の補完事業を活用。
  • 中期的テーマ
    • 統合シナジーの実現、原価低減、安定調達(原料・エネルギー)、為替影響のマネジメント。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル
    • 主力は製鉄(薄板・厚板・鋼管・特殊鋼など)。景気・用途別需要・原料価に連動するが、高級鋼比率の向上や価格転嫁で収益変動の抑制を狙う。
  • 耐性・適応力
    • 地域分散(日本・米国・アジア等)と顧客分散(自動車・インフラ等)。
    • 脱炭素やEV化など構造変化への対応が中長期の鍵。大型M&A後の統合進捗・投資回収が重要。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術・独自性
    • 高強度・高成形性の自動車用鋼板、電磁鋼板、耐食鋼、ラインパイプ等の高付加価値領域。
    • 省エネ・GHG削減に向けた製造プロセス改善、電炉・DRI・水素活用等の先行的取り組み。
  • 主力/収益牽引
    • 自動車向け高級鋼、厚板・鋼管(エネルギー・インフラ)、電磁鋼板など。
    • 連結補完:エンジニアリング、ケミカル&マテリアル、システムソリューションが安定的に貢献。

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 基本データ(終値 3,302円)
    • 時価総額:約3.55兆円、発行株式数:10.75億株
    • BPS(実績):4,771.55円 → PBR:約0.69倍(提示値と一致)
  • 収益指標
    • 会社予想EPS(連結):-38.27円 → PER算出は非適用。
    • 直近ベースEPS(参考):約335~351円(データに揺れあり) → 過去実績P/E参考レンジ:約9.4~9.9倍。
  • EV/EBITDA(参考)
    • ネット有利子負債:約5.08兆 – 0.524兆 ≒ 4.56兆円
    • EV ≒ 3.55兆 + 4.56兆 ≒ 8.10兆円
    • EBITDA(LTM):約0.83兆円 → EV/EBITDA:約9.8倍(別データ0.95兆円を用いると約8.5倍)
  • P/S(参考)
    • 売上高(LTM 8.70~8.70兆円)→ 約0.41倍
  • 業界平均(参考)
    • PER 8.0倍、PBR 0.6倍(提供値)。本銘柄はPBRでやや上位水準、PERは通期予想が赤字見通しのため単純比較は困難。
  • 注記:USスチール統合や一時費用の影響でEPS/EBITDAの期間比較に歪みが生じうる点に留意。

7. テクニカル分析(短期観点)

  • トレンド
    • 50日移動平均:2,970円、200日移動平均:3,052円 → 現在値は両方を上回り、上昇基調にある構図。
  • 価格レンジ
    • 52週高値:3,522円、安値:2,650円 → 現在値は高値から約-6%の水準、レンジ上方四分位帯。
  • 直近10日
    • 3,120円台から3,400円超まで上昇後に反落、終値3,302円。出来高は日によって3.4~8.6百万株、直近は3カ月平均(6.33百万株)をやや下回る日もあり。
  • 信用動向
    • 信用買残:556万株(前週比 -36万株)、信用売残:57万株(+17.8万株)、信用倍率:9.68倍。買い残の整理と売り残の積み上がりが同時進行。

8. 財務諸表分析

  • 売上・利益(連結、円換算は提供値に基づく)
    • 売上高:6.81兆(22/3)→ 7.98兆(23/3)→ 8.87兆(24/3)→ 8.70兆(直近12か月)
    • 営業利益:0.724兆(22/3)→ 0.814兆(23/3)→ 0.725兆(24/3)→ 0.556兆(直近12か月)
    • 2026年3月期1Qは事業再編損(約2,316億円)の計上等で営業損失・純損失を計上(短信)。
  • 収益性・効率性
    • Operating Margin(LTM):約3.22%(提供指標)
    • ROE:実績 6.89%、LTM 0.45%(提供指標)
    • ROA(LTM):2.18%(提供指標)
  • キャッシュフロー・財務
    • EBITDA(LTM):約0.83兆円(別データでは約0.95兆円)
    • 総資産:13.82兆円(25/6末)、自己資本比率:36.1%(USスチール連結後、前期49.2%から低下)
    • 総有利子負債:5.08兆円、現金等:0.524兆円、D/E:約92.5%
    • 流動比率:1.06(25/6末)
  • コメント
    • 収益は直近で鈍化、1Qに一時費用が発生。統合後のPPA(取得原価配分)は暫定で、今後の修正可能性あり(短信注記)。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当実績・予想
    • 2025年3月期:年間160円(中間80円・期末80円)
    • 2026年3月期会社予想:年間120円(分割影響注記あり)
  • 配当利回り
    • 会社予想ベース:約3.63%(120円/株)
    • トレーリング:約4.8%前後(160円/株)
  • その他
    • 自己株式比率:約2.65%。自社株買いの有無は今回データには明記なし。
    • 連結配当性向(提供指標):約47.7%(実績ベース)。通期予想が赤字見込みのため今期の性向算定は注意が必要。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • モメンタム
    • 52週で+13.4%(提供指標)。直近は50・200日線上で推移。
  • 投資家関心要因
    • USスチール統合の進捗・シナジー見通し、原料・エネルギー価格、為替(とくにUSD/JPY)、自動車・建設需要の動向。
    • 統合コストや事業再編損など一時費用の発生と、その剥落タイミング。
    • 9/29の権利落ち(分割・配当)を控えた需給変化。

11. 総評(要点整理)

  • 事業面
    • 日本・米国の二大市場で高付加価値鋼を軸に展開。USスチール統合で北米の内需を取り込み、供給体制の強化が進む一方、統合コストや一時費用が短期的に損益を圧迫。
  • 財務・リスク
    • 自己資本比率は連結拡大により低下、負債増でレバレッジは高まる。原材料・為替・需要の変動、脱炭素投資、PPA確定の影響に注意。
  • バリュエーション
    • PBR約0.69倍、P/S約0.41倍。通期は赤字見通しのためPER比較は適用困難。EV/EBITDAは約8.5~9.8倍の参考レンジ。
  • テクニカル・需給
    • 短中期は移動平均線を上回るが、高値圏からの押し目局面。信用買い残の整理と売り残増加により、短期の需給は中立~やや拮抗。

(注)本資料は提供データに基づく情報整理であり、投資助言ではありません。数値はIFRS/期間の差異や統合影響によるブレがあり、会社開示(決算短信・説明資料)をご確認ください。


企業情報

銘柄コード 5401
企業名 日本製鉄
URL https://www.nipponsteel.com/
市場区分 プライム市場
業種 鉄鋼・非鉄 – 鉄鋼

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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