三菱ケミカルグループ(4188)企業分析レポート
株価:871.4円(2025-09-10終値)/市場:東証プライム
注記:本資料は公開情報の整理であり、投資助言を行いません。不明な項目は「—」または記載を省略します。
1. 企業情報
- 概要
- 総合化学首位級。スペシャリティ、MMA(メタクリル系)、ベーシック(石化・ポリマー等)、産業ガスの4本柱。ファーマ(田辺三菱製薬)は非継続事業として譲渡済。
- 産業ガス事業は日本酸素HD(旧・大陽日酸)を擁し、国内最大級・グローバルでも大手。
- 事業領域:高機能フィルム・ポリマー、半導体・電子材料、炭素材料、MMA/PMMA、石化基盤、産業・医療ガス など。
- 事業セグメント構成(2025.3期ガイダンスベースの目安)
- スペシャリティ約25%、MMA約9%、ベーシック約22%、ファーマ約10%(非継続)、産業ガス約30%、その他約4%。
- 本社:東京都千代田区丸の内1-1-1 パレスビル/代表者:筑本 学
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 国内総合化学で最大級。MMAチェーン(Lucite Internationalを含む)は世界大手水準。産業ガスは国内最大級・グローバルでも大手。
- 競争優位性
- ポートフォリオ分散(産業ガスの安定収益×化学の成長ポテンシャル)。
- 高機能材・電子材料等のスペシャリティ領域、MMAバリューチェーンの統合運営。
- 課題
- ベーシック/石化の市況・原燃料価格・為替感応度が高い。
- MMA市況のボラティリティ、グローバル需要(EV/半導体/ディスプレイなど)のサイクル影響。
- 構造的な収益性改善と資本効率の引上げ。
3. 経営戦略と重点分野
- 方針・ビジョン(開示ベース)
- ポートフォリオ高度化:ファーマ事業は非継続化・譲渡。産業ガス・スペシャリティへ資源配分を強化。
- 事業基盤の再編:ベーシックの収益性改善(価格マネジメント、コスト構造見直し)。
- M&A/地域拡大:Coregas Group(豪NZの産業ガス、2025/7/1取得)を取得。欧州在宅医療(ETH、規制承認待ち)でヘルスケアガス領域拡充。
- 2026年3月期(会社予想、連結)
- 売上収益:3,740,000百万円(前年比-5.3%)
- コア営業利益:265,000百万円(+15.8%)
- 営業利益:202,000百万円(+42.7%)
- 親会社株主帰属利益:145,000百万円(+222.1%)
- EPS:101.88円(参考:市場指標ベースEPS予想103.12円)
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- 産業ガス:長期契約・医療需要等に支えられ比較的安定。
- スペシャリティ:顧客密着・高付加価値で中長期成長余地。
- ベーシック/MMA:市況サイクル影響が大きく、価格・需給変動への耐性が課題。
- 適応力
- 価格マネジメントの徹底、非中核の選択と集中、M&Aによる地域・領域の補完でボラティリティの低減を志向。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性
- 高機能フィルム・パフォーマンスポリマー、半導体・電子材料、炭素繊維・コンポジット等で材料設計力。
- MMA/PMMAチェーンの一貫体制。
- 収益牽引
- 産業ガスのコア利益寄与が大きく(Q1コア営業利益率目安約14%)、スペシャリティは需要回復で改善傾向。
- Q1(継続事業、コア営業利益率)
- スペシャリティ:約5.4%
- MMA:約4.3%
- ベーシック:-1.9%
- 産業ガス:約14.4%
- その他:約1.0%
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 指標(連結)
- 株価:871.4円
- 時価総額:1.31兆円
- PER(予想):8.45倍(業界平均約20.4倍)
- PBR(実績):0.70倍(業界平均約1.1倍)
- BPS:1,242.82円 → PBR計算値 ≒0.70倍
- EPS(予想):103.12円(会社計画のEPS101.88円と近接)
- 配当:年32円(会社予想)/配当利回り約3.7%
- 益回り(予想):約11.8%(=1/PER)
- EV/EBITDA(概算)
- 企業価値EV ≒ 時価総額1.31兆 + 純有利子負債約1.74兆 ≒ 3.05兆円
- EBITDA(過去12M):約4,549億円
- EV/EBITDA ≒ 約6.7倍
- コメント
- バリュエーションは業界平均との比較で水準差が見られるが、事業ポートフォリオのサイクル感応度や資本効率の水準などが影響要因。
7. テクニカル分析
- トレンド
- 直近終値871.4円は年初来高値889円に接近。50日線805円、200日線767円を上回る推移。
- 直近10日間は下値を切り上げるレンジで、短期的に上向きのモメンタム。
- 出来高
- 当日出来高約659万株(直近10日平均約641万株)で概ね平均並み。
- 位置づけ
- 年初来レンジ(594–889円)の上限圏に位置。
8. 財務諸表分析(IFRS・連結)
- 損益(年度、百万円)
- 売上収益:3,976,948(2022)→ 4,634,532(2023)→ 4,387,218(2024)→ 4,407,405(過去12M)
- 営業利益:282,000 → 170,975 → 253,741 → 188,627
- 親会社株主帰属利益:177,162 → 96,461 → 119,596 → 45,020
- 傾向:2023年に減益後、2024年回復、直近12Mは利益水準がやや低下。市況・為替・金利の影響とみられる。
- 収益性・効率
- 粗利率(Q1継続事業):約28.4%(前年約25.6%)と改善。営業利益率(Q1):約6.9%。
- ROE(実績):2.57%(参考:市場データTTM 4.11%)。数値の範囲に乖離があるため期間定義に留意。
- ROA(過去12M):約1.88%(参考データ)。
- キャッシュフロー(過去12M)
- 営業CF:約5,392億円、レバードFCF:約-1,381億円(投資・成長投資の影響)。
- 財政状態(2025/6/30)
- 現金等:3,399億円、総有利子負債:約2.08兆円、ネットD/E:約91%。
- 流動比率:約1.52倍。自己資本比率:約29.5%。
- 金利費用の増加やネット有利子負債の水準は留意点。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 2025年3月期実績:年32円。2026年3月期(会社予想)も年32円据え置き。
- 予想配当利回り:約3.6–3.7%。
- 配当性向:トレーリングベース約101%(EPS31.64円)、フォワードベース約31%(EPS予想約103円)。
- 自社株買い
- 2026年3月期Q1に自己株式取得の記載(約265億円)あり(決算資料より)。
- 基準日
- 権利落ち日:2025-09-29(予定)。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 直近の値動き
- 8月下旬以降、価格は連日で高値・安値とも切り上げる動き。年初来高値付近での攻防。
- 信用動向
- 信用買残:176万株(前週比 -34万株)、信用売残:46万株(+1.8万株)、信用倍率:3.85倍。短期的な買い方の整理が観測される。
- 需給・関心材料
- 次回決算(2025-10-30予定)、配当権利落ち(9/29)、Coregas買収の業績寄与、ETHの規制承認、MMA市況・原材料価格、為替動向が注目点。
11. 総評
- 三菱ケミカルグループは、産業ガスとスペシャリティを伸ばしつつ、ボラティリティの高いベーシック/MMAの影響を抑える方向でポートフォリオ再編を進めている。Q1は粗利率・コア利益率が改善する一方、MMA市況軟化とベーシックの課題が残る。
- バリュエーションはPER・PBRともに業界平均との乖離がみられ、資本効率(ROE)や安定性(産業ガスの比重増)に対する評価の移行が今後の焦点。財務面はネット有利子負債の水準と金利コストに留意。
- 株価は年初来高値圏で推移し、短期モメンタムは良好。今後は配当権利取り・決算・M&Aの進捗、市況・為替が主な変動要因となる見込み。
出所:会社開示(2026年3月期 第1四半期決算短信 等)、市場データ(本稿記載の各種指標・株価情報)。数値は原資料・提供データに基づく。
企業情報
銘柄コード | 4188 |
企業名 | 三菱ケミカルグループ |
URL | https://www.mitsubishichem-hd.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 素材・化学 – 化学 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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