山陽電気鉄道(9052)企業分析レポート
本資料は情報提供を目的としたものであり、投資助言ではありません。
1. 企業情報
- 概要: 兵庫県の神戸—姫路間を地盤とする私鉄。阪神電鉄と相互直通で大阪梅田まで直通特急を運行。運輸(鉄道・バス・タクシー)、流通(百貨店等)、不動産(賃貸・分譲)、レジャー・サービス(飲食・施設運営等)を展開。沿線開発に注力し、観光需要の取り込みも重視。
- 連結事業構成(2025.3期・売上構成比と括弧内はセグメント利益率目安):
- 運輸 52%(約6%)
- 流通 25%(約4%)
- 不動産 14%(約37%)
- レジャー・サービス 6%(約7%)
- その他 3%(約5%)
- 従業員: 1,998名、平均年齢42.0歳、平均年収564万円
- 本社: 神戸市長田区
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション: 阪神間—播磨エリアの基盤的交通インフラ。阪神電鉄との直通により大阪中心部へのアクセスを提供。大手私鉄と比較すると事業規模は中堅。
- 競争環境・優位性:
- 優位性: 沿線固定需要(通勤・通学)と観光需要の双方を保有。私鉄型の不動産・小売との一体運営で収益源を多角化。
- 課題: 人口動態の影響、エネルギーコスト、労務コスト上昇。道路・他社線との競合、災害リスク。不動産分譲は引渡し時期により業績が変動。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・方向性(公表資料の要点)
- 運輸: 旅客回復と運賃改定の反映、エネルギー費の低減、サービス品質・安全性の向上。
- 不動産: 沿線価値向上を目的とした開発・再開発。分譲は引渡しタイミング管理に留意。
- 流通・レジャー: 出店・MD調整で収益性を改善。
- 直近の通期予想修正(2026年3月期、2025/8/7公表)
- 営業収益 39,947百万円(+54)、営業利益 4,093百万円(+129)、経常利益 4,085百万円(+249)、純利益 3,557百万円(+141)、EPS予想 160.12円。
- 修正理由: 運輸収入の増加見込み、動力費等の費用減少見込み。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: 基盤は運輸(安定需要)。周辺の流通・不動産・レジャーで需要を取り込み、沿線価値を向上させる循環型モデル。不動産の高い利益率が全社収益を補完する一方、分譲の期ズレにより変動あり。
- 外部環境適応: 運賃改定、観光回復の取り込み、エネルギーコスト対策、駅周辺開発・リニューアル等で需要・コスト両面に対応。
5. 技術革新と主力製品・サービス
- 技術・運用(一般論・公表範囲): 安全投資、車両更新、エネルギー効率化、デジタルによる運行・顧客利便性向上(時刻・運賃案内、チケット情報のオンライン提供等)。
- 収益牽引: 主力は鉄道運輸収入。高収益源としては不動産賃貸・分譲。流通・レジャーは収益多様化の役割。
6. 株価の評価(2025-09-12時点、株価 2,137円)
- 予想PER: 2,137円 / 160.09円 ≈ 13.34倍(業界平均 13.9倍付近)
- 実績PBR: 2,137円 / 2,609.75円 ≈ 0.82倍(業界平均 1.0倍)
- 予想配当利回り: 40円 / 2,137円 ≈ 1.87%(会社予想)
- EV/EBITDA(概算): EV ≈ 時価総額 476.8億円 + 純有利子負債 約341.3億円 ≈ 818.1億円、EBITDA 83.17億円 → 約9.8倍
- 参考: ROE(実績)5.41%、自己資本比率 46.9%
7. テクニカル分析
- トレンド位置: 株価2,137円は
- 50日移動平均 2,040円を約+4.8%上回る
- 200日移動平均 2,018.5円を約+5.9%上回る
- 範囲感: 52週高値 2,193円まで約+2.6%、52週安値 1,819円から約+17.5%。
- 直近10日: 2,110〜2,190円台での推移。出来高は10日平均 55千株が3カ月平均 38千株を上回り、売買活況化の局面がみられる。
8. 財務諸表分析
- 売上・利益(連結、百万円)
- 売上高: 2022/3 34,151 → 2023/3 38,913 → 2024/3 39,220 → 過去12か月 38,489(概ね横ばい)
- 営業利益: 1,501 → 3,493 → 4,327 → 4,066
- 当期純利益: 5,967(特殊要因寄与)→ 2,664 → 3,110 → 3,031
- 収益性
- 営業利益率(資料ベース): 過去12か月 約14.0%
- 純利益率: 直近指標 9.7%(特殊要因含む可能性)、損益計算書ベースではおおむね1桁台後半
- ROE: 実績 5.41%、直近LTM 6.62%
- 四半期動向(2026/3期1Q)
- 売上 +1.5%、営業利益 +1.7%、純利益 +73.1%(退職給付制度改定益 10.71億円計上による特別利益が主因)
- セグメント: 運輸が売上・利益とも増、分譲不動産は引渡し減で売上減
- 財務安全性
- 自己資本比率 46.9%(2025/3末)、2025/6末は48.4%に改善
- D/E(Debt/Equity)目安 71.9%、流動比率 約0.91
- インタレストカバレッジ(概算): EBIT 45.6億円 / 利息 3.41億円 ≈ 13倍
- キャッシュフロー: 四半期CFは未作成(注記)。減価償却費は1Qで9.53億円。
9. 株主還元と配当方針
- 配当: 年間予想 40円(中間20円・期末20円)。前期実績 35円。
- 予想配当性向: 約25.7%(資料)
- 自社株: 自己株式比率 約0.37%(111,227株、うち信託28,500株)。自社株買いの新規公表は資料記載なし。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム: 50日・200日線とも上回る推移。年初来高値(2,193円)接近圏。
- 信用動向: 信用倍率 0.01倍(買残8.3千株、売残686.6千株)。売残が積み上がっている状況(ヘッジ・裁定等の関与可能性を含む一般論)。
- カタリスト/リスク要因
- プラス要因: 運輸収入の回復、費用(動力費)減少、沿線開発進捗、観光需要動向
- マイナス要因: 不動産引渡しタイミング、エネルギー価格、人件費、災害・規制変更等
- 予定イベント: 権利落ち日(配当)2025/9/29
11. 総評
- 山陽電気鉄道は、運輸を基盤に流通・不動産・レジャーを組み合わせた私鉄型の多角化モデルを展開。直通運転と沿線開発で需要を取り込みつつ、不動産の高収益性が全社収益を補完。
- 2026/3期は運輸の回復・コスト減見込みを背景に通期予想を上方修正。1Q純利益は特別利益の計上が寄与。財務は自己資本比率が40%台後半、金利負担は相対的にコントロールされている。
- バリュエーションは予想PER約13.3倍、PBR約0.82倍(業界平均PER13.9倍、PBR1.0倍)。株価は移動平均線上に位置し、52週高値に接近。信用市場では売残が厚い構造。
- 今後は運輸収入の動向、エネルギーコスト、不動産引渡しの期ズレ、観光需要、沿線開発の進捗が注目点。
出所: 公表データ(決算短信 2025/8/7、提供指標・株価データ等)。数値は記載時点の情報。実績・定義差により比率は異なる場合があります。
企業情報
銘柄コード | 9052 |
企業名 | 山陽電気鉄道 |
URL | http://www.sanyo-railway.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 運輸・物流 – 陸運業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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