JUKI(6440)企業分析レポート
本資料は提供データに基づく客観的な情報整理であり、投資助言ではありません。数値は特記なき限り円・百万円換算。会社発表と市場データで差異がある箇所は、会社開示を優先しています。
1. 企業情報
- 概要
- 工業用ミシンで世界上位。アパレル向けに強み。家庭用は国内大手、世界3位クラス。SMT(表面実装)装置が第2の柱。
- 事業区分(2025年より名称変更)
- 縫製事業:産業用・家庭用縫製機器、パーツ・サービス、システム、自動化関連
- 産機事業:SMTマウンタ等の産業機械と周辺機器
- その他:ビル管理ほか
- 連結事業構成(売上構成・営業利益率):縫製66%(-4pt)、産機34%(+2pt)、海外売上比率83%(2024.12)
- 基本情報
- 設立:1938年、本社:東京都多摩市、従業員:4,545人(平均年齢45.8歳、平均年収539万円)
- 代表取締役社長:成川 敦
- 上場区分:東証プライム、業種:機械
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 工業用ミシンではグローバル大手(アジアで強い顧客基盤)。SMTは国内外の主要プレイヤーが競合する成熟・技術志向市場で第2の柱。
- 競争優位・課題(一般論と会社開示の範囲)
- 優位性:広い顧客基盤、ハイエンド向け機種・自動化対応、アフターサービス・消耗品収益。
- 課題:アパレル投資は景気・地域の循環に左右。SMTは中国需要の回復遅れ・価格競争の継続。為替・関税・地政学の外部変動。
3. 経営戦略と重点分野
- 中期経営計画「Building Sustainable JUKI」(最終年度:2029/12)
- 重点:収益基盤強化×財務健全性
- ハイエンド市場への重点シフト(縫製)
- 機種削減による生産能力の適正化・粗利改善
- 在庫削減・売掛債権回収の徹底、保有資産(有価証券・不動産)の売却
- 進捗(2025年上期)
- 縫製事業は粗利改善により黒字化(セグメント利益1,278)
- 産機事業は中国回復遅れで損失継続も、2Q後半に回復の兆し
- 本社不動産のセール&リースバック実行(2025/7)、投資有価証券の売却等で財務改善
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益構造
- 製品販売に加え、消耗品・部品・保守サービス収益の継続性が下支え。
- 地域分散(海外83%)により単一市場依存を緩和する一方、外部環境(為替・関税・地政学)の影響を受けやすい。
- 適応力
- ハイエンド・自動化へのシフト、機種整理で固定費・在庫負担を抑制。
- 資産圧縮(在庫・有価証券・不動産)でネットデットの低減を志向。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・製品の方向性
- 縫製:高機能(自動糸切り、電子制御、デジタル設定、IoT活用)、自動化ソリューション。
- 産機(SMT):マウンタ、周辺自動化、ソフトウェア連携、検査・後工程の統合。
- 収益牽引
- 2025年上期は縫製事業が粗利改善とともに黒字回復。産機は回復待ち。
6. 株価の評価(バリュエーションの参考比較)
- 前提(会社予想・実績ベース)
- 株価:432円、EPS(会社予想):33.59円、BPS(実績):977.68円
- PER:12.86倍、PBR:0.44倍、配当予想:10円(会社予想、利回り約2.31%)
- 相対比較(業界平均:PER 16.6倍、PBR 1.4倍)
- PER比較:12.86倍(業界平均<16.6倍)
- PBR比較:0.44倍(業界平均<1.4倍)
- 参考計算(単純比較・目安)
- 業界平均PERを適用した場合の価格目安:33.59×16.6 ≒ 558円
- BPSに業界平均PBRを乗じた価格目安:977.68×1.4 ≒ 1,369円
- いずれも機械的比較であり、事業リスク・収益性・財務レバレッジ等の差は考慮していません。
- その他指標
- 予想益回り:≈7.8%(=1/PER)
- PSR(時価総額/売上高LTM):約0.14倍
- EV/EBITDA(概算):約18倍(時価総額12.9bn+ネット有利子負債約59.5bn、EBITDA LTM約40.2億円を仮置き)
7. テクニカル分析(短期の形状)
- 位置関係
- 現在値432円は、50日移動平均412円・200日移動平均391円を上回る(上方乖離率:約+4.8%/+10.4%)。
- 年初来レンジ:317~462円。現在はレンジ上側に位置。
- 直近動向
- 9/9に457円高値後に押し、9/12終値432円。短期的には戻り高値圏からの調整基調。
- 出来高は10日平均147.8千株が3カ月平均106.8千株を上回り、直近の関心はやや高い。
- 需給
- 信用倍率2.46倍、信用買残増(+45.8千株)。買い長進行は上昇時の追随力と、反落時の解消圧力の両面要因。
8. 財務諸表分析
- 売上・利益(百万円)
- 売上高:2021/101,292 → 2022/117,454 → 2023/94,750 → 2024/95,185(2025上期:44,372)
- 営業利益:2021/3,868 → 2022/2,858 → 2023/▲2,699 → 2024/▲963(2025上期:92)
- 当期(中間)純利益:2025上期139(投資有価証券売却益の寄与)
- 備考:2024年度は赤字幅縮小。2025年上期は縫製事業の改善で営業黒字転換も、利益水準はまだ低位。
- 収益性指標
- 粗利率:2023/25.1% → 2024/27.0%(改善)
- ROE:実績▲10.3%(2024)、自己資本比率:21.9%(2024末)→ 22.9%(2025/6末)
- キャッシュフロー・財政状態(2025/6末)
- 営業CF:+39.6億、投資CF:+31.2億(有価証券売却等)、財務CF:▲47.6億
- 現金同等物:148.6億、棚卸資産:525.7億(前期末比減少)
- 総資産:1,274億、純資産:301億、D/E(総):約2.47倍、流動比率:1.20
- 有利子負債:744億、手元資金:149億(ネット有利子負債は依然大きい)
- 金利費用
- 2024年の支払利息は約16.6億円規模。営業利益水準が低い局面では負担感が残る。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 2025年中間配当:無配、通期予想:10円(会社計画)。想定配当性向(単純):約30%(=10円/33.59円)。
- データ差異:一部外部データに「年20円」の表記があるが、会社予想は「年10円」。
- 自己株式・その他
- 自己株式比率:0.14%。自社株買いの公表記載は確認できず。
- 還元姿勢
- 現局面は財務健全性の確保を優先(在庫圧縮、資産売却、負債削減)。安定配当を維持しつつ、収益改善後の柔軟性に含み。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 200日線上で推移し年初来高値(462円)に近づいた後、足元は調整。52週変化率は約+8.5%。
- 関心・テーマ
- ハイエンド縫製・自動化、在庫圧縮と資産売却による財務改善、SMTの需要回復(特に中国)見通しが注目点。
- 為替(円相場)、米中貿易政策、地政学リスクはセンチメントに影響。
11. 総評(事実の整理)
- 事業面
- 縫製事業はハイエンド集中と機種削減で粗利改善、上期で黒字化。産機は回復遅れも2Q後半に持ち直しの兆し。
- 収益・財務
- 2024年は赤字縮小、2025年は通期黒字(EPS 33.59円)計画。営業CFはプラス転換、在庫・売掛金圧縮と資産売却で手元資金を積み増し。依然として有利子負債は大きく、金利負担の管理が論点。
- バリュエーション・株価
- 現在のPER/PBRは業界平均を下回る水準。株価は移動平均線上方でレンジ上側。信用買い残の増加に伴う短期需給の振れには留意。
- リスク・注目
- 中国・アジア需要、為替・関税・地政学。中計に沿った在庫・資産の圧縮と、産機の収益回復のペースが業績ドライバー。
【参考データ】
– 株価:432円(9/12終値)/時価総額:約129億円/発行済株式数:約2,987万株
– 会社予想(2025/12期):売上1,050億、営業益20億、経常益10億、純益10億、EPS 33.59円、配当10円
– 今後の主な予定:決算発表 2025/8/7(実施済)、権利落ち日(予定)2025/12/29
本資料は公開情報の要約であり、将来の結果を示唆・保証するものではありません。
企業情報
銘柄コード | 6440 |
企業名 | JUKI |
URL | http://www.juki.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 機械 – 機械 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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