日立建機(6305)企業分析レポート
最終更新: 2025-09-14
本レポートは公開情報に基づく事実整理です。投資助言は行いません。不明項目は記載を省略しています。
1. 企業情報
- 企業名: 日立建機(Hitachi Construction Machinery Co., Ltd.)
- 事業概要:
- 建設機械ビジネス(油圧ショベル、超大型油圧ショベル、ホイールローダ等の製造・販売。ライフサイクル全体にわたる提供)
- スペシャライズド・パーツ・サービス(Bradken、H-E Parts 等。マイニング設備の部品開発・製造・販売、アフターサービス・ソリューション)
- プロダクト/ソリューション:
- 建機: ミニショベル・ミニローダ、油圧ショベル、転圧機、リジッドダンプトラック 等
- デジタル/自動化: ICT施工ソリューション、ConSite(稼働監視/レポート・緊急アラート)、フリートマネジメント(ダンプ稼働最適化)、自律走行運搬(AHS)
- バリューチェーン: 純正部品・サービス、中古(PREMIUM USED)、レンタル(PREMIUM RENTAL/REC)、リマニュファクチャリング
- 補足データ:
- 連結事業構成(括弧内は四季報記法の利益率目安): 建設機械 91%(10)、スペシャライズド・パーツ・サービス 9%(11)/海外売上比率 84%(2025.3)
- 従業員数: 26,101人、平均年齢 40.4歳、平均年収 774万円
- 上場市場: 東証プライム(機械)
- 本社: 東京都台東区東上野2-16-1
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション: 油圧ショベルで世界上位、建機全体で国内2位、世界で3位圏の規模感。
- 競争優位性(示唆):
- 油圧ショベルの製品競争力とグローバル展開
- アフターマーケット(部品・サービス)、中古・レンタル・リマンなどバリューチェーン強化
- ICT/遠隔監視・自律運搬などのデジタル能力(ConSite、AHS)
- 課題(示唆):
- 為替(円高)・米国関税政策の影響、北米需要の鈍化
- コモディティサイクルに連動するマイニング需要の変動
- 中国勢を含む価格競争
3. 経営戦略と重点分野
-
中期経営計画(BUILDING THE FUTURE 2025、最終年度: 2026年3月期)
- 重点: 1) 革新的ソリューション提供(ICT・自動化・DX)
2) バリューチェーン事業の拡充(部品・サービス、中古・レンタル・リマン)
3) 米州事業の拡大
4) 人材・企業力強化
– 2026年3月期見通し(会社計画修正)
– 売上収益 1.30兆円、調整後営業利益 1,300億円、親会社株主に帰属する当期利益 730億円、EPS 343.15円(米国関税等を織り込み下方修正)
– 運営上の対応:
– 価格改定・原価低減の継続
– 為替・関税影響の販売価格転嫁を見込む
– 成長投資(R&D・人件費)の継続
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:
- 新車(建機)+アフターマーケット(部品・サービス)+中古・レンタル・リマンの複合
- アフターやバリューチェーンの収益は景気変動時の下支えになりやすい構造
- 需要変動への適応:
- 地域ポートフォリオ(欧州・アジア堅調、北米・日本・オセアニア弱含み)
- デジタル(ConSite、AHS)による顧客囲い込み・TCO削減提案
- 運転資本の最適化とキャッシュ創出(1QフリーCFプラス)
5. 技術革新と主力製品
- 技術動向:
- 稼働データの活用(遠隔監視、予防保全、稼働最適化)
- 自律走行・隊列運行(AHS)、フリートマネジメント
- ICT施工への対応強化
- 収益牽引領域:
- 中核の油圧ショベル・ホイールローダ等
- アフターマーケット(部品・サービス)
- マイニング機械(市況連動)
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 株価: 4,900円
- 時価総額: 約1兆540億円(発行済 215,115,038株 × 4,900円)
- 会社予想EPS(2026/3期): 343.17円 → 予想PER 約14.28倍
- 直近12カ月EPS: 382.83円 → TTM PER 約12.8倍(= 4,900 / 382.83)
- BPS(実績): 3,727.51円 → PBR 約1.31倍
- 配当(会社予想): 年間175円 → 予想配当利回り 約3.57%(= 175 / 4,900)
- 参考: 市場データのフォワード年間配当 200円(利回り 約4.08%)との乖離あり。会社予想は175円(短信記載)。
- 参考比較:
- 業界平均PER 16.6倍、業界平均PBR 1.4倍
- 同社: PER 14.28倍、PBR 1.31倍(いずれも提供データベース値)
- EV/EBITDA(概算):
- 純有利子負債 ≈ 6,331億 − 1,767億 = 約4,564億円
- EV ≈ 時価総額 1兆540億 + 純有利子負債 4,564億 ≈ 約1兆5,105億円
- EBITDA(TTM): 約2,380億円 → EV/EBITDA 約6.3倍
7. テクニカル分析
- 52週高値: 4,972円(現株価は高値圏に接近)
- 52週安値: 3,232円
- 移動平均: 50日 4,569円、200日 4,091円 → 株価は両線上方
- 直近10日: 4,600円台から上昇し直近で4,900円付近。年初来高値に接近後、やや押し。
- 出来高: 3カ月平均 755千株、直近10日平均 565千株(短期では平均を下回る出来高)
- 信用動向: 信用倍率 0.92倍(売り残>買い残)、買い残・売り残ともに前週比増加
8. 財務諸表分析
- 損益(連結、円換算は百万円単位記載に準拠)
- 売上収益: 2022/3 1,025,0 → 2023/3 1,264,9 → 2024/3 1,405,9 → 過去12カ月 1,371,3(減収基調)
- 営業利益: 2022/3 106,6 → 2023/3 135,7 → 2024/3 162,7 → 過去12カ月 154,7
- 親会社株主に帰属する利益: 2022/3 75,8 → 2023/3 70,2 → 2024/3 93,3 → 過去12カ月 81,4
- 利益率(TTM): 営業7.21%、純利5.05%(提供指標)
- 金融費用の増加: 受取利息 61.96億、支払利息 299.97億 → ネット▲238.01億
- 金利負担耐性(概算): EBIT 1,641.7億 / 利息 299.9億 ≈ 5.5倍
- 成長(四半期、前年比)
- 売上成長率: ▲6.7%
- 当期利益成長率: ▲54.1%(1Q)
- 効率・資本
- ROE(実績): 10.36%(TTM提供: 9.13%)
- ROA(TTM): 4.99%
- 自己資本比率: 45.2%
- 総資産回転率等: ―
- キャッシュフロー
- 営業CF(TTM): 1,586億円
- 1QフリーCF: 約100億円(運転資本改善)
- 財政状態(直近四半期)
- 現金等 1,767億円、総有利子負債 6,331億円、D/E 75.1%、流動比率 1.61倍
- セグメント(1Q)
- 建設機械: 売上 2,744億円、調整後営業利益 196.6億円
- スペシャライズド: 売上 317億円、調整後営業利益 24.6億円
9. 株主還元と配当方針
- 配当実績(2025/3期): 年間175円(中間65円、期末110円)
- 配当予想(2026/3期 会社計画): 年間175円(中間75円、期末100円)
- 予想配当性向(概算): 175円 / EPS 343.15円 ≈ 51.0%
- 提供データのTTM配当性向: 46.53%
- 自社株買い: ―(自己株式比率 1.12%)
- 主要株主: HCJIホールディングス 25.7%、日立製作所 25.13% 等(インサイダー保有 58.17%、浮動株 8,641万株)
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 52週変化率: +46.79%(S&P500 +16.89%)
- 年初来高値接近、50日・200日線上抜けの推移
- 信用取引: 信用倍率 0.92倍、買い残・売り残とも増(短期的にはヘッジ・両建て等の動きも示唆)
- 今後のイベント:
- 権利落ち日: 2025-09-29
- 決算発表予定: 2025-10-28
11. 総評(事実整理)
- 需要環境: 北米中心に減速、欧州・アジアは持ち直し。マイニングは資源別で強弱混在。
- 収益性: 価格改定・原価対策は継続する一方、円高・販売数量減・成長投資増で調整後営業利益は減少。金利・為替の金融収支悪化も利益を圧迫。
- バランスシート/CF: 自己資本比率約45%、流動比率1.61倍。運転資本改善により営業・フリーCFは改善傾向。
- バリュエーション: 予想PER約14.3倍、PBR約1.31倍。業界平均(PER16.6、PBR1.4)との比較ではいずれも下回る水準。EV/EBITDA約6.3倍(概算)。
- 戦略/構造: バリューチェーン(部品・サービス・中古・レンタル・リマン)とICT/自律化による収益基盤の補強を継続。米国関税・為替・資源サイクルが業績変動要因。
ご要望があれば、地域別・製品別の過去推移、感応度分析(為替・金利・関税)、同業比較(PER/EV/EBITDA/ROE等)の追加整理も可能です。
企業情報
銘柄コード | 6305 |
企業名 | 日立建機 |
URL | https://www.hitachicm.com/global/ja/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 機械 – 機械 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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