新日本空調(1952)企業分析レポート
注:本資料は提供データに基づく事実整理であり、投資助言ではありません。数値は連結ベース(特記ない限り)。不明な項目は記載していません。
1. 企業情報
- 概要:三井系の空調設備工事会社。オフィス・商業施設・医療・ホテルなどの空調・電気・衛生設備の設計・施工・保守を提供。クリーンルーム等の産業施設、原子力関連施設(BWR・高速増殖炉・ATR・再処理・濃縮・廃棄物処理等)の設計・施工・保全、地域熱供給の構築も手掛ける。微粒子可視化システムなど独自技術を展開。
- 事業構成(2025.3):一般設備工事 95%、原子力施設設備工事 5%。海外比率 11%。
- 市場区分:東証プライム(建設・資材/建設業)
- 従業員:1,717人、平均年齢 43.4歳、平均年収 985万円
- 所在地:東京都中央区日本橋浜町2-31-1
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:
- 設備工事(空調)専業大手の一角。三井グループとの取引関係・原子力空調やクリーンルーム(半導体・医薬)等の高難度領域に特徴。
- 受注・繰越工事高が拡大(Q1時点 繰越工事高 156,946、前年同期比 +23.5%)し、案件の視認性が高い状態。
- 競争優位性(示唆):
- 高度な空間制御(微粒子可視化、原子力施設空調、恒温恒湿)などの技術的蓄積。
- 三井系顧客・パートナー網。
- 課題(業界全体):
- 資機材・労務費の上昇、技術者・技能労働者不足。原価管理・生産性向上(DX、BIM等)と適切な価格転嫁が重要。
3. 経営戦略と重点分野
- 中期計画:SNK Vision 2030 Phase II(2023–2025年)
- 基本戦略:①事業基盤増強 ②収益力向上 ③デジタル変革 ④企業統治 ⑤人的資本戦略
- 重点分野(決算短信・開示から把握できる事項):
- 受注拡大(Q1受注 +45.7%)と採算性改善(粗利率・営業利益率の上昇)
- DX活用による生産性向上、原子力・クリーンルーム等の高付加価値領域の深耕
- 2026年3月期通期見通し(会社計画):
- 売上高 144,000、営業利益 12,000、経常利益 12,500、当期純利益 8,800、EPS 194.18円(予想)
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:受注産業(設計・施工・保守)。一般設備中心だが、原子力・クリーンルーム等の特殊案件が利益質の底上げに寄与。
- 受注残:繰越工事高が年商規模を上回る水準で、短中期の売上視認性が高い。
- 市場ニーズ適応:
- 省エネ・脱炭素、半導体/医薬のクリーン需要、オフィス・病院の高度空調、地域熱利用等のテーマに合致。
- コスト上昇・人手不足への対応としてDX/標準化・協力会社ネットワークの運用が鍵。
5. 技術革新と主力製品
- 技術動向・独自性:微粒子可視化システム、恒温恒湿・清浄度制御、原子力空調の安全・冗長設計など、高度環境制御技術。
- 収益牽引領域:一般設備(オフィス・商業・病院等)が主軸。クリーンルーム・原子力施設は比率は小さいが高付加価値領域。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 株価:3,120円
- 指標(提供データに基づく計算・数値):
- 予想EPS:194.18円 → 予想PER ≒ 16.07倍
- TTM EPS:211.22円 → TTM PER ≒ 14.8倍
- 実績BPS:1,520.35円 → PBR ≒ 2.05倍
- 時価総額:1,515億円
- 売上TTM:1,434億円 → P/S ≒ 1.06倍
- 現金 181.8億円、負債 1.9億円 → ネットキャッシュ企業
- EV ≒ 1,515 – 182 + 2 = 1,335億円(概算)、EBITDA(TTM)132.6億円 → EV/EBITDA ≒ 10.1倍
- 業界平均との比較(提供平均:PER 14.0倍、PBR 1.1倍):
- PER(予想・TTM)は業界平均を上回る水準。
- PBRは業界平均を上回る水準。
- ROE(実績 14.33%)や利益成長、ネットキャッシュ等の財務特性がバリュエーションに反映されている可能性。
7. テクニカル分析
- 水準感:
- 52週高値 3,400円、52週安値 1,451円
- 現在値は高値から約 -8.2%、安値から約 +115%の位置
- トレンド指標:
- 50日移動平均 2,845円、200日移動平均 2,184円 → 現在値は両移動平均を上回る上方トレンド継続局面
- 直近10日:
- 終値レンジは概ね 3,100〜3,225円で推移、短期はもみ合い傾向
- 出来高:3カ月平均 14.8万株に対し直近10日平均 9.9万株で低下基調
- 信用動向:
- 信用倍率 2.58倍、信用買残 13.6万株(前週比 -9.4千株)、売残 +1.5千株
- 短期では買い残の整理進行が確認できる
8. 財務諸表分析
- 成長性(年度、抜粋):
- 売上高:106,718 → 112,234 → 127,978 → 137,684(単位は各資料に準拠)と増収傾向
- 営業利益:6,885 → 7,127 → 9,239 → 11,347 と段階的に増益
- 親会社株主純利益:5,403 → 5,597 → 7,168 → 9,656 と増益
- 収益性:
- 粗利の改善とスケール拡大により営業利益率が上昇(TTM 営業利益率 6.44%)
- ROE(実績)14.33%、(TTM 指標)15.72%
- 第1四半期(2026年3月期):
- 売上高 30,632(+23.0%)、営業利益 1,973(+159.5%)、純利益 1,579(+125.7%)
- 粗利率 約15.0%、営業利益率 約6.4%
- 安全性・流動性:
- 現金 181.8億円、総負債 1.9億円、ネットキャッシュ
- 流動比率 約2.50、自己資本比率 58.6%(前期末ベース)→ 四半期開示では68.8%の記載もあり
- キャッシュフロー:
- 四半期CFは未作成(短信注記)。減価償却費は増加傾向(Q1 22.5億円/年換算相当の進捗感)
9. 株主還元と配当方針
- 会社予想配当:年間 80円(中間40円、期末40円)
- 予想配当利回り:2.56%(株価3,120円基準)
- 予想配当性向:概ね 38%(提供データ 37.89%)
- 5年平均配当利回り:3.09%(現状は過去平均を下回る水準)
- 自己株式:6.68%を保有(過去に自己株式取得の実績があった可能性)。新規の自社株買い計画は開示情報からは不明
- 権利落ち日:2025年9月29日
10. 株価モメンタムと投資家関心
- パフォーマンス:52週で +82.46%(提供データ)。年初来高値 3,400円を更新後、直近は上昇一服のもみ合い。
- 出来高動向:直近の出来高は3カ月平均を下回る水準に低下。イベントドリブン要因として配当権利取り前後の需給変動に留意。
- 株主構成:インサイダー保有 44.96%、浮動株 3,296万株、機関保有 12.59%。三井グループや主要取引先による安定株主比率が相対的に高い。
11. 総評(事実の整理)
- 事業面:一般設備を主軸に、原子力・クリーンルーム等の高付加価値領域を併せ持つ。受注・繰越工事高の増加により業績の視認性が高い。コスト・人手不足環境下でのDXや原価管理が継続課題。
- 財務面:増収増益基調、ROE二桁台、ネットキャッシュ、流動比率良好と財務健全性が確認できる。
- 株価・指標:PER・PBRは業界平均を上回る水準。TTMと予想で指標に差があり、会社計画(EPS 194円)では利益水準の一服を見込む想定。
- テクニカル:株価は中長期移動平均線を上回る上昇トレンド維持。直近は3,100〜3,225円でもみ合い。出来高は直近減少、信用買残は減少基調。
- 配当:予想配当利回り2.56%、配当性向は約38%。自己株の保有が一定割合あり。
ご要望があれば、同業他社(例:高砂熱学工業、三機工業、ダイダン等)との指標比較、プロジェクト・受注残の詳細分析、感応度(原価・労務費上昇)分析なども整理します。
企業情報
銘柄コード | 1952 |
企業名 | 新日本空調 |
URL | http://www.snk.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 建設・資材 – 建設業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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