空港施設(8864)企業分析レポート
株価: 1,150円(2025-09-12終値)/市場区分: プライム
1. 企業情報
- 概要: 空港内の不動産賃貸・運営(総合ビル、格納庫、整備工場、貨物ターミナル等)に加え、空港内インフラ(地域冷暖房、給排水)、共用通信、廃棄物収集・処理、リース、再エネ(太陽光)などを展開。羽田・伊丹を中心に国内12空港で事業を運営。空港外の一般不動産賃貸・売買も手がける。
- 事業構成(2025.3期 連結・売上比/セグメント利益率の目安):
- 空港内不動産: 54%(利益率約20%)
- 空港外不動産: 20%(約23%)
- 空港内インフラ: 23%(約11%)
- その他: 2%(約38%)
- 基本情報: 設立1970年、本社=東京都大田区羽田空港。従業員123人、平均年齢43.7歳、平均年収837万円。
- 主要株主: 日本航空19.86%、ANA HD 19.86%、日本政策投資銀行13.06% 等。自己株式約5%。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:
- 国内空港という特殊用途不動産・インフラに特化した希少プレイヤー。JAL・ANAが主要株主かつ想定主要テナントで、空港運営者・航空会社との関係性が強い。
- 空港内は規制・安全要件・用途制限・設備要件が高く、新規参入障壁が高い領域。
- 競争優位性:
- 空港内設備に特化した運営ノウハウ、長期賃貸・継続的インフラ収入によるストック性、拠点の分散(12空港)によるリスク分散。
- 課題:
- 航空需要の変動、国有財産使用料や規制要因、建設コスト・人件費の上昇による投資採算圧迫、資産の減損リスク。
- 市場シェア: –(公開統計の網羅的な市場シェアデータは未確認)
3. 経営戦略と重点分野
- 会社方針(短信・開示から読み取れる方向性)
- 空港内不動産: 既存物件の賃貸条件見直し・誘致による賃料増加、減価償却の平準化で収益性を改善。
- 空港内インフラ: 熱供給の基本料金改定、給排水の需要回復を収益に反映。
- 空港外不動産: アセットリサイクル(販売用不動産の売却等)で資本効率を意識。
- その他・再エネ: 太陽光発電設備の一部譲渡など、収益性と資産効率のバランスを追求。
- 2026年3月期通期予想(維持)
- 売上高 35,988百万円、営業利益 4,525百万円、経常利益 4,151百万円、純利益 3,041百万円、EPS 60.47円。
- 中期計画・数値目標: –(本Q時点の短信に詳細記載なし)
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:
- コアは空港内の長期賃貸・インフラ供給による安定的キャッシュフロー。インフラは基本料金改定等でコスト上昇に一定の対応余地。
- 空港外は賃貸に加え売却益を取り込む機動性(収益の変動要因)。
- 持続性評価の観点:
- 強み: 高い参入障壁、長期契約、低ベータ(0.35)によるディフェンシブ性。
- 留意点: 航空需要・訪日需要の変動、建設・人件費の上昇、国有地関連コスト、金利動向、減損の可能性。
5. 技術革新と主力製品・サービス
- 技術・独自性:
- 空港特有の熱供給・給排水・共用通信など、空港インフラの一体運営ノウハウ。
- 再エネ(太陽光)導入・譲渡等を通じたポートフォリオ運用。
- 収益牽引:
- 空港内不動産(賃料の見直し・稼働改善)、空港内インフラ(料金改定・需要回復)、空港外のアセット売却。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 現在株価: 1,150円
- PER(会社予想): 19.03倍(業界平均13.6倍)
- PBR(実績): 0.95倍(業界平均1.6倍)、BPS 1,207.47円に対し株価は約0.95倍
- 配当利回り(会社予想): 3.22%(DPS 37円)
- EV/EBITDA(概算・TTM):
- 時価総額約609億円、純有利子負債約187億円(借入2,496億円−現金630億円)
- EV約796億円、EBITDA約101.7億円 → 約7.8倍
- 参考:
- TTM EPS約51.29円 → 実績ベースPER約22.4倍
- 予想EPS 60.44円 → 予想ベースPER約19.0倍(提供値と整合)
- 予想配当性向の目安: 37円/60.44円 ≒ 約61%(一方、実績ベースでは21円/51.29円 ≒ 約41%)
数値は基礎データの前提に依存します。セクター平均との単純比較は事業特性の差異に留意が必要です。
7. テクニカル分析
- トレンド:
- 52週高値: 1,160円(現値は高値圏)
- 52週安値: 552円、52週騰落: +98.6%
- 50日移動平均: 978円、200日移動平均: 732円 → 現値は両線を上回る上昇トレンド
- 直近の値動き(10営業日):
- 1,030円台から1,150円まで上昇。高値更新に接近。
- 本日の出来高24.4万株は3カ月平均約15.5万株を上回る。
- 需給:
- 信用買残 50.39万株、信用倍率 91.62倍、信用売残 5,500株。買い建玉優位。浮動株が約2,791万株と推定され、需給の影響を受けやすい可能性。
8. 財務諸表分析
- 成長(年度・連結)
- 売上高: 23,778(2022)→ 25,516(2023)→ 25,951(2024)→ 31,121(2025)百万円
- 営業利益: 3,281 → 2,504 → 3,183 → 4,470 百万円
- 親会社純利益: 821 → 1,564 → 2,020 → 2,578 百万円
- 3年で売上約+31%(CAGR約+9%)、利益も回復基調。
- 収益性
- 2025.3期: 粗利率約21.8%、営業利益率約14.4%、純利益率約8.3%。
- 2026.3期1Q(累計): 営業利益率約23.3%(前年同期18.4%)。
- 効率性・回復度(TTM・会社データ等)
- ROE(実績)4.37%、ROE(TTM)5.34%、ROA(TTM)3.06%。
- 利息負担: 金融費用約31.4億円、EBIT約381億円 → インタレスト・カバレッジ約12倍(概算)。
- 財務安全性
- 自己資本比率 55.2%(実績)、55.3%(2025/6/30)
- 流動比率 約2.85、D/E(総負債/資本)約0.73、Net D/E(概算)も抑制的。
- キャッシュフロー
- 減価償却費が多く(2025期 約474億円、1Q 109.8億円)、EBITDA水準は営業CFの土台。四半期CF計算書は未作成。
数値単位の混在に注意(百万円・億円換算を併記)。上記は元データの単位に合わせ概算表示。
9. 株主還元と配当方針
- 配当実績/予想:
- 2025年3月期 実績: 年間21円(中間9円、期末12円)→ 実績配当性向約41%(21円/TTM EPS 51.29円)
- 2026年3月期 会社予想: 年間37円(中間18円、期末19円)→ 予想配当性向約61%(37円/EPS 60.47円)
- 利回り:
- 予想利回り約3.22%(株価1,150円基準)。5年平均2.67%を上回る水準。
- 自己株式:
- 自己株式比率約5%(期末自己株式数2,625,605株)。新規の自己株買い方針: –(記載なし)
- 配当方針の定量目標: –(短信に記載なし)
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:
- 直近で年初来高値(1,160円)接近。上昇基調が継続。
- 業績面では1Qで売上+41.5%、営業利益+78.9%、純利益+85.0%(前年同期比)。
- 投資家関心要因
- 航空需要回復の追い風、賃料見直し・インフラ料金改定の寄与、アセット売却の進捗。
- インサイダー保有53.7%・機関保有6.8%、フリーフロートの相対的な小ささ。
- 信用買い残が厚く、イベント(決算、配当権利日など)前後の需給変動に注意。
- 予定イベント
- 決算発表ウィンドウ: 2025年7月23日〜28日(実施済み)
- 権利落ち日(予想): 2025年9月29日
11. 総評(簡潔な整理)
- 事業特性: 空港内不動産・インフラという参入障壁の高いニッチ領域で、長期賃貸とインフラ供給により安定的な収益基盤を有する一方、航空需要・規制・コスト上昇の影響を受けやすい。
- 業績動向: 需要回復と料金・賃料見直し、資産売却の寄与で増収増益。1Qの利益率改善が確認され、通期計画は据え置き。
- 財務: 自己資本比率55%台、流動比率2.85、金利負担も相対的に抑制。減価償却負担は大きいがEBITDAは厚い。
- バリュエーション: 予想PERは業界平均比で高め、PBRは1倍未満。EV/EBITDAは約7.8倍。配当は予想ベースで増配見込み、利回り3%台。
- 市場面: 直近は高値圏で上昇モメンタムが強く、出来高も増加。信用買い残の厚さとフリーフロートの小ささは需給の影響要因。
本資料は提供データに基づく客観的な情報整理であり、投資勧誘・助言を目的とするものではありません。記載のない項目・数値は「–」としています。
企業情報
銘柄コード | 8864 |
企業名 | 空港施設 |
URL | https://www.afc.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 不動産 – 不動産業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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