住友金属鉱山(5713)企業分析レポート

最終更新日: 2025-09-16

1. 企業情報

  • 概要: 非鉄金属の「資源(鉱山開発)」「製錬・精製」「材料(電池材料・機能性材料等)」の3本柱。銅・ニッケル・金などのメタルと、電池材料・粉体材料・SiC・触媒・銅箔・銅張積層板等の高機能材料を展開。国内外で鉱山権益を保有し、上流(資源)から下流(材料)までの垂直統合が特徴。
  • 事業構成(売上構成の目安): 資源9%、製錬74%、材料17%(海外売上比率約53%/2025.3期)
  • 強み: ニッケル系での製錬・電池材料に強み。金・銅も含めたポートフォリオ。国内トップクラスの非鉄総合力。
  • 従業員: 7,402人、平均年齢40.5歳、平均年収790万円
  • 本社: 東京都港区新橋5-11-3

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション: 国内大手の非鉄メジャー系プレーヤー。資源権益・製錬能力・材料技術を併せ持つ少数の企業の一角。
  • 競争優位性
    • 上流(鉱山権益)〜中流(製錬)〜下流(材料)の一気通貫体制により、市況変動の緩衝や原料調達面での裁量を確保。
    • ニッケル系電池材料(硫酸ニッケルなど)や高純度メタル、貴金属リサイクルの技術。
  • 課題
    • ニッケルはインドネシア増産で中長期の供給過剰懸念が続く一方、在庫評価や為替で業績の振れ幅が大きい。
    • 製錬セグメントの損益ボラティリティが連結利益の安定性を低下させやすい。

3. 経営戦略と重点分野

  • ビジョン/戦略の方向性
    • 海外鉱山開発や権益拡大への重点投資を継続し、資源〜製錬の非鉄メジャー級ポジションを強化。
    • EV向けニッケル系電池材料など成長分野に経営資源を配分し、材料事業の収益基盤を厚くする。
  • 直近の施策・重点分野(決算短信/会社開示ベース)
    • 資源: 金価格上昇の追い風、カナダ・コテ金鉱山の立ち上げ、Quebrada Blanca等の持分法利益好転。
    • 製錬: 円高とニッケル価格下落で短期的に逆風。操業効率や在庫評価リスクの抑制が課題。
    • 材料: 電池材料・通信向け部材は概ね堅調。一部製品で市況軟化の影響。
    • 資本政策: 2025/5/12に自己株式取得を決議(詳細金額は未記載)。配当は年131円予想を継続。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル: 市況感応度の高い上流・製錬のサイクル性と、技術/顧客基盤に根差した材料の収益を組み合わせるポートフォリオ型。
  • 適応力
    • 金の上昇や銅の構造需要(エネルギー転換・データセンター投資)など複線的なメタルドライバーを保有。
    • ニッケル価格下落局面は逆風だが、電池材料・リサイクル・高機能材料での下支えが期待される一方、需要/規制の変動に留意が必要。
  • リスク: 非鉄相場・為替、鉱山/製錬オペの変動、EV需要の不確実性、規制やESG対応コスト。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術・独自性
    • 高純度ニッケル・硫酸ニッケル、電気ニッケル、フェロニッケル、貴金属精錬、リサイクル技術。
    • 粉体材料(Ni/銅粉、ニッケル酸化物)、厚膜ペースト、スパッタリングターゲット、AuSnはんだ、レアアース磁性材料、触媒、銅張積層板、SiCなど。
  • 収益牽引
    • 短期: 金価格の上昇が資源セグメントの利益を押し上げ。
    • 中期: ニッケル系電池材料・機能材料群。銅はインフラ・エネルギー転換関連需要が下支え。

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 前提(会社予想/実績ベース)
    • 株価: 4,415円
    • EPS(会社予想・連結): 222.92円(通期ガイダンス近辺:224.75円)
    • BPS(実績・連結): 6,570.47円
    • 配当予想: 年間131円
  • 指標(現状)
    • PER: 4,415 ÷ 222.92 ≒ 19.8倍(提示と一致)
    • PBR: 4,415 ÷ 6,570.47 ≒ 0.67倍(提示と一致)
    • 予想配当利回り: 131 ÷ 4,415 ≒ 2.97%
  • 相対比較(参考)
    • 業界平均: PER 80.4倍、PBR 0.8倍
    • PBR基準の価格水準の目安(単純計算): 業界平均PBR 0.8をBPSに適用すると約5,256円(比較目的の算術であり将来価値を示すものではない)

7. テクニカル分析(参考)

  • トレンド
    • 現在値は年初来高値4,415円に到達(52週高値4,722円には約6.5%届かず)。
    • 50日移動平均: 3,739円、200日移動平均: 3,456円 → 現在値は50日線比+約18%、200日線比+約28%で上方に乖離。
  • 直近10日
    • 9/2以降、押し目を作りつつ切り上げ。9/11以降の上昇で高値更新(年初来)。
  • 位置づけ
    • 年初来レンジ(2,374〜4,415円)の上限圏。52週ベースでも上位ゾーンに位置。

8. 財務諸表分析

  • 利益水準(過去12か月ベース)
    • 売上高: 1,593,348百万円
    • 営業損失: ▲15,889百万円(営業赤字)
    • 経常/税前利益: 31,383百万円(金融損益等で黒字)
    • 親会社株主に帰属する当期利益: 16,487百万円
    • 営業利益率: 約▲1.0%、純利益率: 約1.0%
  • 3年推移(年度)
    • 売上高: 1,259,091(2022/3)→ 1,422,989(2023/3)→ 1,445,388(2024/3)→ 1,593,348(直近12か月)
    • 営業利益: 205,083 → 186,109 → 98,486 → ▲15,889(市況逆風・在庫評価等で悪化)
    • 当期純利益: 281,037 → 160,585 → 58,601 → 16,487
  • 収益性・効率性
    • ROE(実績): 0.91%
    • ROA(過去12か月): ▲0.74%(データ提供値)
  • 財政状態・流動性
    • 自己資本比率: 約60%(実績 60.1%)
    • D/E(総負債/資本・目安): 約29%(Total Debt/Equity 29.47%)
    • 流動比率: 約1.9倍(Q1時点)
    • 現金同等物: 1,411億円
  • キャッシュフロー
    • 営業CF: +1,688億円(過去12か月)
    • フリーCF(レバレッジ後): ▲1,281億円(投資負担が大きい局面)
  • セグメント概況(2026年3月期1Q)
    • 資源: 利益大幅増(金価格上昇、コテ金鉱山立ち上げ、持分法益好転)
    • 製錬: 円高・ニッケル安で赤字
    • 材料: 電池材料等は概ね堅調、利益は小幅

9. 株主還元と配当方針

  • 配当
    • 2025/3期実績: 年104円
    • 2026/3期予想: 年131円(中間65円・期末66円)
    • 予想利回り: 約2.97%
    • トレーリング配当性向(参考データ): 約173%(過去の一時的な利益水準低下の影響)
    • フォワード配当性向の目安: 131円 ÷ EPS予想約223円 ≒ 約59%
  • 自己株式
    • 2025/5/12に自己株式取得を決議(取得規模・進捗は資料未記載)
  • 大株主
    • 信託銀行等の機関保有が中心。自己株比率5.4%。トヨタ自動車など事業関係先の保有あり。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • モメンタム
    • 50日/200日線を明確に上回る上昇トレンド。年初来高値を更新。
    • 直近出来高は3か月平均(約206万株)並み〜やや強めの水準で推移。
  • 信用動向
    • 信用倍率: 11.09倍(買い長)。信用買残は前週比▲105.9千株、売残も▲22.9千株。
    • レバレッジを伴う買いが積み上がっており、価格変動時の影響に留意が必要。
  • 影響要因
    • 非鉄価格(特にニッケル・金・銅)と為替(円高/円安)が短期業績とセンチメントを左右。
    • EV・電池材料需給、鉱山/製錬の操業安定度、海外経済・政策動向。

11. 総評(事実整理の要点)

  • 収益構造は、資源と製錬が市況に敏感、材料が技術に基づく安定性を提供する設計。直近は金価上昇・持分法益で資源が牽引する一方、ニッケル安・円高で製錬が重し。
  • 財務は自己資本比率約60%と堅健。営業CFはプラスだが、成長投資でフリーCFはマイナスの局面。ROEは低位。
  • バリュエーションはPER約19.8倍、PBR約0.67倍。配当は年131円予想で利回り約3%。業界平均PBR(0.8)と比較するとPBRは低位、PERは業界平均より大幅に低い(業態差・サイクル性の違いに留意)。
  • テクニカルでは年初来高値圏で上昇トレンドが明確。信用買い優位で短期の変動には注意点あり。
  • 今後は、非鉄相場(銅・ニッケル・金)と為替、EV関連需要、鉱山/製錬の操業が主要ドライバー。会社通期見通し(親会社株主帰属利益610億円・EPS約225円)に対し、相場・為替前提の変動リスクを内包。

(注)本資料は公開情報の整理であり、投資判断を目的とした助言ではありません。数値は会社開示・提供データに基づきます。追加のセグメント明細表や過去比較表が必要であれば指示ください。


企業情報

銘柄コード 5713
企業名 住友金属鉱山
URL http://www.smm.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 鉄鋼・非鉄 – 非鉄金属

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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