1. 企業情報
株式会社アズジェントは1997年11月10日に設立された、東京都中央区に本社を置く企業です。主な事業内容はネットワークセキュリティ関連であり、セキュリティソフトの輸入販売から、システムの構築、運用、保守といった高付加価値サービス事業への転換を進めています。独立系の企業として、情報・通信業に分類されています。平均年齢は42.1歳、平均年収は5,960千円です(従業員数自体は不明)。
2. 業界のポジションと市場シェア
アズジェントは、日本国内の企業および中小規模組織向けにネットワークセキュリティソリューションを提供しています。現在の市場環境は、DX(デジタルトランスフォーメーション)の進展に伴うクラウドシフト、AI活用によるリスク環境の複雑化、そして政府によるサイバー対処力強化の動きなどにより、セキュリティ対策の需要が持続的に高まっています。
同社は、特定のベンダーに依存しない独立系の強みを活かし、セキュリティソフトの輸入販売に加えて、構築や運用サービスを強化することで、顧客の多様なニーズに対応しようとしています。差別化された製品(例: Vicarius VRXなど)の導入やスマートセキュリティサービスの拡充を通じて、競争優位性を確立し、提案力の向上を図っています。ただし、業界内での具体的な市場シェアや詳細な競合比較に関するデータは提供されていません。
3. 経営戦略と重点分野
アズジェントは、「アズジェント中長期成長戦略」に基づき、新規商材の投入とスマートセキュリティサービスの拡充を経営の重点分野に据えています。経営陣は、単なる製品販売に留まらず、顧客の真の課題を解決する「オンリーワン商品」の導入、包括的な「スマートセキュリティサービス」の強化、そして市場のニーズを的確に捉えた「マーケットイン」の製品ポジショニングとセールスプロモーションの最適化を通じて、顧客への提案力を高めることを目指しています。
これにより、企業のサイバーセキュリティニーズが高度化・複雑化する中で、より総合的なソリューションを提供し、収益基盤の安定化と成長を実現しようとする戦略意図がうかがえます。
4. 事業モデルの持続可能性
同社の事業モデルは、多様なセキュリティ製品の販売と、それらを統合した高付加価値サービスの提供にあります。市場のニーズは、クラウド化、AI導入、DX推進といったトレンドにより常に変化しており、これに対応できる柔軟性が要求されます。アズジェントは、新規商材の積極的な投入やスマートセキュリティサービスの拡充によって、市場ニーズの変化への適応を図っています。
持続可能性に対するリスク要因も存在します。例えば、主力製品のリプレイス需要のタイミングの変動、為替変動による仕入コストの増加、市場環境(クラウド化やAI導入の進展)に伴うニーズの変化、そして新規導入商材の立ち上がりの遅延や受注獲得の不確実性などが挙げられます。これらのリスクを管理し、安定的な事業成長を継続できるかが、今後の持続可能性を評価する上で重要となります。
5. 技術革新と主力製品
アズジェントは、常に進化するサイバーセキュリティの技術動向に対応するため、国内外の先進技術を持つベンダーの製品を厳選して提供しています。主力製品としては、Check Point社やVOTIRO社、Radware社などのセキュリティ製品が収益を牽引しています。
特に、近年ではVicarius VRX(CTERソリューション)やSecureLayer Browser Extensionといった新規商材の販売を強化しており、これらは同社の提案における差別化要素となっています。Vicarius VRXはInterop Tokyoで高い評価を得るなど、市場からの注目も集めています。同社は自社で直接的な技術開発を行うというよりは、外部の先進技術や製品を組み合わせ、最適なソリューションとして顧客に提供することで独自性を発揮しています。
6. 株価の評価
現在の株価は533.0円です。
会社予想EPS(2026年3月期)13.10円に基づくと、予想PER(株価収益率)は約40.69倍となります。これは、情報・通信業の業界平均PER17.6倍と比較して高い水準です。
実績BPS(1株あたり純資産、2025年3月末時点)84.65円に基づくと、PBR(株価純資産倍率)は約6.30倍となります。これは、業界平均PBR1.6倍と比較して高い水準です。
これらの指標は、現在の株価が業界平均と比較して相対的に高く評価されている可能性を示唆しています。これは、同社が掲げる事業構造転換や将来的な業績回復への期待が織り込まれている可能性も考えられます。ただし、過去数年間は営業損失や最終損失が継続しており、2026年3月期の黒字転換予想の実現が今後の評価に影響を与えると考えられます。
7. テクニカル分析
現在の株価533.0円は、年初来高値1,336円と比較すると大きく下落した水準であり、年初来安値369円と比較すると中間の水準に位置しています。52週高値1,336.00円、52週安値369.00円を見ても同様の状況です。
株価は50日移動平均線(551.30円)と200日移動平均線(547.35円)を共に下回って推移しており、テクニカル的には短期・中期ともに下降トレンドにあると見られます。直近10日間の株価は518円から574円の範囲で推移しており、本日終値(533円)はややもみ合いの動きの中で、比較的安値圏に位置していると評価できます。本日の出来高16,500株は、3ヶ月平均出来高66.49k株や10日平均出来高44.28k株と比較して少ない状況です。
8. 財務諸表分析
アズジェントの過去数年間の財務状況は以下の通りです。
売上高:
- 2022年3月期: 3,167百万円
- 2023年3月期: 2,833百万円
- 2024年3月期: 2,369百万円
- 2025年3月期(過去12ヶ月実績): 2,971百万円
売上高は2024年3月期にかけて減少傾向でしたが、2025年3月期には回復基調に転じています。
営業利益・純利益:
- 2022年3月期には営業利益23百万円、純利益76百万円と黒字でしたが、2023年3月期以降は営業損失、純損失が継続しています。
- 2024年3月期には営業損失が▲290百万円、純損失が▲448百万円と損失額が拡大しました。
- 2025年3月期は営業損失が▲205百万円、純損失が▲440百万円と、損失幅は縮小傾向にあります。
最新四半期 (2026年3月期 第1四半期) の状況:
- 売上高は729百万円で、前年同期比+10.3%と増収を達成しました。
- 営業利益は▲21百万円の損失でしたが、前年同期の▲88百万円から大幅に改善しました。
- 四半期純損失も▲12百万円となり、前年同期の▲97百万円から大きく改善しました。これは、受注環境の改善による売上増加に加え、人員体制の見直しや前期の固定資産減損処理の影響による償却費の大幅減により、販売費及び一般管理費が減少したことが主な要因と説明されています。
貸借対照表関連指標(2026年3月期 第1四半期末):
- 総資産: 1,526百万円
- 純資産: 323百万円
- 自己資本比率: 21.1%(前期末21.4%)
- 流動比率: 約129.8%(流動資産1,378百万円/流動負債1,062百万円)
自己資本比率は20%前後を維持しており、流動比率は100%を超えていることから、短期的な支払い能力は一定程度確保されていると考えられます。ただし、負債比率(負債合計/純資産)は約372.6%と高い水準です。
収益性指標:
- ROE(実績)は-79.07%となっており、過去の継続的な多額の損失が影響しています。
- キャッシュフロー計算書は四半期で作成されていませんが、現金及び預金は731百万円あり、必要な運転資金は確保している旨の記載があります。
全体として、過去数年間は利益面で厳しい状況が続いていましたが、直近の四半期では売上高が増加し、損失幅も大幅に改善しました。これは事業構造改革やコスト削減の取り組みの成果が表れ始めている可能性を示唆しています。ただし、依然として赤字の状態であり、通期での黒字化に向けた継続的な改善と確実な達成が今後の課題となります。
9. 株主還元と配当方針
アズジェントは、2025年3月期の配当を0.00円としており、年間の配当実績はありません。2026年3月期の配当予想についても、現時点では合理的な算定が困難であるため「未定」としています。これは、過去数年にわたり継続的な純損失を計上していることが主な理由と考えられます。
同社から自社株買いなどの具体的な株主還元策に関する情報は、提供されたデータからは確認できませんでした。今後の株主還元は、業績の本格的な回復と安定的な利益創出に依存するものと見られます。
10. 株価モメンタムと投資家関心
現在の株価533.0円は、年初来高値1,336円から大きく下落した水準にあり、過去1年間の株価は-3.62%の変動率となっています。これは、同期間のS&P500の17.59%の上昇と比較すると相対的に低いパフォーマンスです。
株価が50日移動平均線(551.30円)と200日移動平均線(547.35円)を下回っていることから、短期および中期の株価モメンタムは下降傾向にあると見られます。直近の出来高は平均を下回っており、投資家の関心は比較的落ち着いている状況を示唆している可能性があります。
信用取引においては、信用買残が信用売残を大きく上回っており、信用倍率は6.89倍です。信用買残、信用売残ともに先週比で減少していますが、買残が多い状況は将来の売り圧力となる可能性も示唆しています。
株価への影響要因としては、サイバーセキュリティ市場の成長性と競争環境、企業の事業構造転換の進捗、新規商材の市場浸透度合い、そして為替変動などの外部要因が挙げられます。特に、同社が掲げる2026年3月期の黒字化予想の達成が、投資家の評価に大きく影響すると考えられます。
11. 総評
アズジェントは、高まるサイバーセキュリティ市場のニーズに応えるべく、セキュリティ製品の輸入販売から高付加価値サービス提供への事業モデル転換を進めている企業です。足元では、DX推進やAI活用といった市場の変化に対応した戦略を掲げ、新規商材投入やスマートセキュリティサービスの拡充に注力しています。
財務面では、過去数年間は継続的な赤字に苦しんできましたが、直近発表された2026年3月期第1四半期決算では、売上高の増加と営業損失・純損失の大幅な改善が見られ、事業構造改革の成果が出始めている兆候が見て取れます。会社は2026年3月期通期での黒字化を予想しており、この達成が今後の企業評価を左右する重要なポイントとなるでしょう。
現在の株価は、年初来高値から大きく下落し、移動平均線も下回る水準で推移しており、テクニカル的には安値圏にあると評価できます。しかし、業績予想に基づくPERや実績PBRは業界平均と比較して高い水準にあり、市場は将来の業績回復や成長性を期待している可能性が含まれています。株主還元は現在無配であり、今後の業績改善が継続的な株主還元につながるか注目されます。
投資家としては、同社の事業構造改革の進捗状況、新規商材の市場浸透、コスト削減努力の継続性、そして四半期ごとの業績動向を注意深く見守る必要があるでしょう。特に、通期黒字化予想の実現可能性が今後の主要な注目点となると考えられます。
企業情報
銘柄コード | 4288 |
企業名 | アズジェント |
URL | http://www.asgent.co.jp/ |
市場区分 | スタンダード市場 |
業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.1)」によって自動生成されました。
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