ベクトル(6058)企業分析レポート(プライム・サービス業)株価:1,165円
以下は公開情報とご提示データに基づく客観的な整理です(投資助言は行いません)。
1. 企業情報
- 概要:独立系で国内最大規模のPR会社。PR・広告、プレスリリース配信(PR TIMES)、動画・SNS・インフルエンサー活用、ダイレクトマーケティング(D2C/通信販売)、HRクラウド、投資事業を展開。日本・中国・アジア中心に海外展開。
- 強み:SNS/デジタル領域の一気通貫型PR(企画〜キャスティング〜配信〜効果測定)。PR TIMESというプラットフォーム資産を保有。
- 事業別構成(2025年2月期目安):PR・広告55%、プレスリリース配信13%、ダイレクトマーケティング23%、HR5%、投資4%(括弧内の数値は参考の収益性指標)。
- 業種区分:33業種=サービス業、17業種=情報通信・サービスその他、SIC=Advertising Agencies、Sector=Communication Services
- 本社:東京都港区赤坂4-15-1/代表者:西江 肇司/従業員:1,739人(平均年齢34.5歳、平均年収680万円)
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:Provoke Media「GLOBAL TOP 250 PR AGENCY 2024」で世界6位・アジア1位。国内PR領域で最大級。
- 競争優位性:
- デジタル・SNS・動画・インフルエンサーを組み合わせる実行能力
- PR TIMESという配信プラットフォーム資産(利用企業数11.2万社超、四半期最高売上・利益更新)
- 多数のグループ会社によるサービスライン拡張(タクシーIoTサイネージ等)
- 課題:
- PR・広告は案件ベースで景況感・広告市況の影響を受けやすい
- ダイレクトマーケティングは広告投資の回収バランスが業績に与える影響が大きい
- 海外(香港撤退等)での収益化難易度、為替の影響
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/方向性:デジタル・SNS領域を中核に、PR起点でマーケティング全体を統合。プラットフォーム(PR TIMES)と制作・配信機能(動画・サイネージ・インフルエンサー)を連携させる。
- 重点施策(短信・開示より):
- デジタル/SNS領域の強化(M&A含む:gracemode連結、HRでFINDAWAY連結 等)
- プレスリリース配信(PR TIMES)の継続的な利用企業拡大
- ダイレクトマーケティングで既存商品の強化と新商品の育成(広告・販促投資をコントロール)
- HRクラウド(あしたのチーム、JOBTV、ビジコネット等)の提供価値強化
- 業績予想(2026年2月期・連結):売上630億円、営業利益85億円、純利益50億円、EPS 106.60円(前回予想据え置き)
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:
- PR・広告:プロジェクトフィー中心(景気・広告需要の影響を受けやすい)
- プレスリリース配信:サブスクリプション色の強いプラットフォーム収益で安定度が相対的に高い
- ダイレクトマーケティング:広告投資とLTVのバランスに依存
- HRクラウド:サブスク・B2Bサービスの積み上げ期待
- 適応力:M&Aでの機能補完、動画/サイネージ/SNSなど新媒体の取り込み、地域ポートフォリオの見直し(香港撤退等)により、需要変化へ対応する体制を拡充。
- リスク:広告市況の変動、規制・景表法等の運用変化、為替、のれん増加に伴う償却・減損リスク。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性:動画配信(NewsTV等)、タクシーIoTサイネージ、SNS運用・インフルエンサー活用、データドリブンのPR効果の最大化。
- 主力:
- PR TIMES:企業とメディア・生活者をつなぐ配信プラットフォーム(四半期で過去最高売上・利益更新)
- PR/デジタルマーケ:タクシーサイネージ・韓国/動画領域が堅調(短信)
- HR:JOBTV、あしたのチーム等のHRクラウド・運用サービス
6. 株価の評価(バリュエーションの客観比較)
- 株価:1,165円
- 予想EPS:106.60円 → 予想PER:約10.9倍(業界平均PER 17.0倍)
- 実績BPS:343.39円 → PBR:約3.39倍(業界平均PBR 1.8倍)
- 配当:予想1株配当33円 → 配当利回り約2.83%(会社予想2.84%)
- 参考:TTM EPS 94.00円 → TTM PER 約12.4倍
- EV/EBITDA(概算):EV ≒ 546億 + 有利子負債148億 − 現金225億 ≈ 468億円、EBITDA(TTM)約93億円 → 約5.0倍
- 所見(定量比較):PERは業界平均を下回る一方、ROE高水準(実績25%前後)を背景にPBRは業界平均を上回る水準。配当は予想ベースで利回り2%台後半。数値はあくまで現時点データの比較。
7. テクニカル分析(価格位置と需給)
- トレンド位置:終値1,165円は
- 50日移動平均1,117.38円の約+4.3%
- 200日移動平均1,006.45円の約+15.8%
- レンジ:52週安値785円〜高値1,217円の中で上方レンジ。高値からの距離は約−4.3%。
- 直近値動き:10営業日で1147〜1178円のボックス推移、出来高は3カ月平均27.2万株に対し直近10日平均約14.9万株と低め。
- 信用動向:信用買残137.8万株、信用倍率32.04倍と買い長。売残は4.3万株。需給は偏りがある。
8. 財務諸表分析(トレンドと効率性)
- 売上高(連結):約481億円(2022/2)→552億円(2023/2)→592億円(2024/2)→592億円(2025/2)→TTM約602億円(前年比+6.7%)
- 営業利益:51億→62億→69億→80億→TTM約83億円(営業利益率(TTM)11.42%)
- 親会社純利益:20.7億→31.7億→46.8億→41.9億→TTM約44.1億(純利率7.33%)
- 収益性:ROE(実績)25.3%、ROA(TTM)11.8%と効率性は高水準。
- セグメント(2026/2期1Q):
- PR・広告:減収だが採算改善(利益+17.6%)
- PR TIMES:増収増益で過去最高更新
- ダイレクトMKT・HR:売上増も投資増・一部減益
- 財政状態(直近四半期):
- 現金等:約225億円、有利子負債:約148億円 → ネットキャッシュ基調
- 流動比率1.86倍、自己資本比率35.2%(通期実績39.5%)
- 短期借入金が前期末比で増加(運転資金・投資対応)
- キャッシュフロー:四半期CFは未作成注記。TTM EBITDA約93億円。
9. 株主還元と配当方針
- 配当実績:前期年間32円、今期会社予想33円(中間0円・期末33円)
- 予想配当利回り:約2.83%(株価1,165円基準)
- 配当性向:開示ベース34.0%(TTM)、予想EPSベース概算約31%
- 自社株買い:自己株式9,600株と少数。現時点で大規模な自己株買いの開示情報は確認データ内に無し。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:年初来高値1,217円に近い水準で推移。50日・200日線の上に位置。
- 出来高:直近は平均を下回る推移。浮動株は約2,552万株、内部者保有42%超・機関保有21%程度と、フリーフロートは相対的に限定的。
- 需給要因:信用買い残の積み上がり(倍率32倍)が短期需給に影響しやすい状況。
11. 総評(要点の整理)
- 収益基盤:PR TIMESを中心とするプラットフォーム収益と、PR・広告のデジタル実行力が収益を下支え。ダイレクトマーケとHRは育成・投資フェーズの側面。
- 成長性:TTMで売上・利益ともに増勢。1Qは増収・大幅増益。M&AでSNS/デジタル領域を補強。
- 収益性・効率性:ROE・ROAは高水準。営業利益率は1桁後半〜10%超で安定的に改善傾向。
- 財務:十分な現金ポジションと流動性を保持しつつ、短期借入が増加。のれん増加に伴う償却・減損リスク管理が論点。
- バリュエーション:予想PERは業界平均を下回る一方、ROEの高さを反映してPBRは平均を上回る水準。EV/EBITDAは約5倍(概算)。
- 市況・リスク:広告市況、為替、規制動向、信用需給(買い長)など外部要因の影響には留意が必要。
参考情報
– 今後のイベント:2025/7/10〜7/14 決算関連日程(実施済)、次回権利落ち予定 2026/2/26
– 株価レンジ:52週 785〜1,217円
– 直近業績(2026/2期1Q):売上148.0億円(+6.7%)、営業利益16.9億円(+22.9%)、四半期純利益7.7億円(+39.6%)
本資料はご提示データに基づく事実整理と数値比較です。不明点は記載を控えています。数字は丸めにより合計と合わない場合があります。
企業情報
銘柄コード | 6058 |
企業名 | ベクトル |
URL | http://www.vectorinc.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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