メディカル・データ・ビジョン(3902)企業分析レポート
株価:591円(2025-09-19終値)/市場:東証プライム
時価総額:236.6億円/発行済株式数:40,027,526株
1. 企業情報
- 概要
- 病院・診療情報の「データネットワーク」と、製薬等向けの「データ利活用」サービスを展開。大規模診療データベース「さくらDB」を基盤に、分析ツール(MDV analyzer)、病院経営支援(MDV Act)、PHR(Karteco/カルテコ、法人向けworkwell)などを提供。
- 顧客は医療機関・製薬企業・研究機関等。2003年設立、本社は東京都千代田区。
- 事業構成(売上比率目安)
- データネットワークサービス:約21%
- データ利活用サービス:約71%(主力)
- その他サービス:約9%
- 海外売上比率:約14%(2024.12)
- データ基盤
- さくらDBの実患者数:5,270万人(2025年6月末、前年同月比+470万人)
- 従業員:315人、平均年齢39.7歳、平均年収625万円
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界位置づけ
- ヘルスケアデータ・アナリティクス領域の専業プレイヤー。国内大規模な診療データベース保有が特徴。
- 競争環境
- 同領域ではデータ保有規模・品質、プロダクトの使い勝手、コンサル伴走力(アドホック分析対応)、規制・同意管理への知見が競争力要因。
- 製薬・医療機関向け需要は拡大傾向だが、データ取得・同意、個人情報保護規制対応、専門人材の確保等が課題。
- 市場シェア
- 公表ベースで精緻なシェア指標は不明。データ件数の拡大(さくらDB)と機能特許取得などが競争力強化要素。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/方向性
- 「医療・健康データの収集・蓄積と利活用の両輪」を強化。データ基盤拡大と、プロダクト(分析ツール、PHR、病院経営支援)の付加価値向上を同時に推進。
- 重点施策(短信記載の要点)
- データ利活用の営業体制強化による売上伸長(MDV analyzer機能拡張・特許取得)。
- PHR/健診システムの拡販、法人向けPHR「カルテコworkwell」の業界展開(例:運輸・旅客)。
- 病院向けクラウドアプリ(MDV Act等)を通じたデータ収集・ネットワーク拡大。
- 通期見通し(維持)
- 2025年通期計画(会社予想):売上高90億円、営業利益26億円、当期純利益16.5億円、EPS 43.59円。上期は営業赤字だが下期改善を前提。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- サブスクリプション型(DBアクセス、SaaS/分析ツール等)と案件型(アドホック分析、コンサル等)の組み合わせ。
- 契約負債の増加や上期の営業CF改善から、前受・継続課金の比重が一定程度うかがえる一方、費用先行時の利益変動に留意。
- 持続性の観点
- 医療データ活用ニーズの構造的拡大、PHR普及の進展が追い風。
- 個人情報保護・同意管理、データ品質・偏り、規制動向、人材獲得などへの対応力が事業の安定性に影響。
5. 技術革新と主力製品
- データ基盤・技術
- 大規模診療DB「さくらDB」の拡充、MDV analyzerの機能特許取得などにより差別化。
- 主力製品・サービス
- データ利活用(MDV analyzer、アドホック分析等):売上比約70%と収益牽引。
- データネットワーク(MDV Act、PHR「Karteco」等):データ収集の入口として基盤強化に寄与。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提:株価591円、EPS(会社予想)43.59円、BPS(実績)73.83円、売上(LTM)61.6億円
- 指標
- 予想PER:約13.56倍(=591/43.59)※業界平均PER 23.2
- 実績PBR:約8.00倍(=591/73.83)※業界平均PBR 2.3
- P/S(LTM):約3.84倍(=時価総額236.6億円/売上61.6億円)
- 配当利回り(会社予想):約1.52%(=9円/591円)
- 予想配当性向(会社予想ベース):約20.6%(=9/43.59)
- 補足
- LTMは赤字で実績PERは算出困難。会社予想ベースでは黒字転換前提。
7. テクニカル分析
- トレンド概況
- 直近株価:591円。50日移動平均528.7円、200日移動平均446.9円の上に位置。
- 年初来高値:610円、年初来安値:332円。現在は高値圏に近い水準。
- 価格・出来高
- 9/5に年初来高値610円をつけた後、580〜600円台での推移。出来高は直近3カ月平均約25万株。
- モメンタム
- 中長期移動平均線を上回り、モメンタムは堅調。610円近辺は戻り待ち供給が意識されやすい価格帯。
8. 財務諸表分析
- 損益(百万円)
- 売上高:2021 5,672 → 2022 6,105 → 2023 6,419 → 2024 5,907 → 過去12か月 6,161
- 営業利益:2021 1,594 → 2022 1,758 → 2023 1,771 → 2024 3.8 → 過去12か月 -28
- 親会社株主に帰属する当期純利益:2021 1,087 → 2022 871 → 2023 979 → 2024 -791 → 過去12か月 -715
- 粗利:高水準(過去12か月 43.97億円)が継続する一方、販管費増で損益が圧迫。
- 上期(2025年1-6月、連結・百万円)
- 売上 3,034(+9.1%)、売上総利益 2,127(+3.2%)、販管費 2,132(+4.8%)、営業損失 ▲5、経常利益 4、純損失 ▲10。
- 安定性・効率性
- 自己資本比率:実績65.2%、中間期末60.4%。流動比率:約189%。
- ROE:-21.5%(実績)、ROA:-0.33%(LTM)。
- キャッシュフロー
- 営業CF(上期):+8.28億円(契約負債増等が寄与)。過去12か月ベースでは+0.39億円。
- 現金同等物:183.3億円(注:単位は千円表示に注意、1,832,619千円=18.33億円)。有利子負債水準は資料からは不明。
- 収益性の変動要因
- 販管費(人件費等)の先行、案件ミックス、下期偏重の収益構造が損益に影響。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 2025年年間配当予想:9.00円(中間0円・期末9円見込み)。利回り約1.52%。
- 2024年実績:6.50円。
- 予想配当性向:約20.6%(会社予想EPSベース)。
- 自社株
- 自己株式:217万株(発行済の約5.4%)保有。新規の自己株買い実施の有無は本資料では不明。
- 株主構成(主な株主)
- SBIホールディングス 36.24%、メディパルHD 8.03%、日本マスタートラスト信託銀行 6.69%、自己株 5.42% 等。インサイダー保有比率:約52.6%。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 価格動向
- 52週で+21.9%。50日・200日移動平均とも上向き。年初来高値圏での推移。
- 需給
- 信用買残 108.8万株、信用倍率 7.61倍。買い持ち偏重で短期の値動きは需給の影響を受けやすい局面。
- フロート約3,139万株、インサイダー保有が厚く流動性は限定的になりやすい。
- 関心材料
- 下期の収益回復の進捗、データ利活用セグメントの受注動向、PHR拡販、プロダクト機能拡張(特許等)、規制・同意管理の対応状況などが注目点。
- 予定イベント
- 次回配当権利落ち:2025年12月29日予定。
11. 総評(簡潔な整理)
- 事業
- 大規模診療DBと分析ツールを核に、医療データの「取得(ネットワーク)」と「活用(アナリティクス)」を一体で推進。データ利活用が収益の中心。
- 成長・競争
- データ件数の継続拡大とプロダクト強化で需要取り込みを図る一方、規制対応・人材確保・費用先行などの運営課題に留意。
- 収益・財務
- LTMは赤字だが、上期の営業CFは改善。会社は通期黒字転換計画を維持しており、下期の実行度合いが焦点。
- バリュエーション・株価
- 予想PERは業界平均を下回る一方、PBRは上回る水準。株価は年初来高値圏にあり、中期モメンタムは良好。需給面では信用買い優勢が観察される。
(注)本資料は公開情報に基づく客観的な整理であり、投資助言を目的としたものではありません。数値は会社開示・市況データに準拠していますが、単位・期間の違いにより整合性に差が生じる場合があります。詳細は決算短信・有価証券報告書等の原典をご参照ください。
企業情報
銘柄コード | 3902 |
企業名 | メディカル・データ・ビジョン |
URL | http://www.mdv.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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