以下にセキ株式会社(証券コード: 7857)の企業分析レポートをまとめます。

1. 企業情報

セキ株式会社は1908年創業、1949年設立の歴史ある企業で、四国を中心に印刷業を展開し、全国へと事業を拡大しています。主な事業内容としては、一般印刷、パッケージ、出版、広告企画・制作、イベント企画、デジタルマーケティングシステム開発、ウェブサイト企画・制作・運営、郵便局広告代理業務など多岐にわたります。また、紙容器の加工やカタログ通販事業、美術館運営の受託、人材派遣なども手掛けています。
連結事業の売上構成比(2025年3月期予想)は、印刷関連が73%、洋紙・板紙販売関連が3%、出版・広告代理関連が11%、美術館関連が0%、カタログ販売関連が13%となっています。本社は愛媛県松山市にあり、東京証券取引所スタンダード市場に上場しています。

2. 業界のポジションと市場シェア

セキは四国を拠点に全国展開を進める印刷・紙卸兼営企業です。特に首都圏での受注開拓に注力しており、広告業務の強化も図っています。
業界全体としては、洋紙・板紙市場は縮小傾向にあり、競争が激化している状況が伺えます。このような環境下、同社は製品ラインナップの多角化(紙パッケージ分野への進出など)により、事業領域の拡大を図っていると考えられます。

3. 経営戦略と重点分野

経営陣は、印刷および紙卸の既存事業の基盤を維持しつつ、新たな成長分野への投資を進める戦略を持っています。
具体的には、以下の分野に重点を置いています。
* 広告関連業務の強化: 広告関連の企画、制作、代理業務を強化し、収益多角化を図っています。
* 首都圏での受注開拓: 四国での基盤を固めつつ、市場規模の大きい首都圏での事業拡大を目指しています。
* 紙パッケージ分野への投資: 事業ポートフォリオの強化として、最新のUV印刷機導入やクリーンルームの改修を行い、紙パッケージの加工能力向上に努めています。これは、市場ニーズの変化に対応し、高付加価値分野への転換を図るための施策と考えられます。

中期経営計画に関する具体的な数値目標は提供情報からは確認できませんが、上記の施策を通じて持続的な成長を目指していると推察されます。

4. 事業モデルの持続可能性

セキの事業モデルは、多様な事業を持つことでリスク分散を図っている点が特徴です。印刷、紙卸、出版・広告代理、カタログ販売、美術館運営といった多角的な事業展開は、特定の市場変動による影響を緩和する可能性があります。
主力である印刷関連事業は市場縮小傾向にありますが、紙パッケージ分野への投資は、変化する市場ニーズ(環境配慮型パッケージなど)への適応を目指す動きと捉えられます。また、カタログ販売関連事業は、2026年3月期第1四半期においても唯一黒字を計上しており、安定した収益源の一つとなっています。
高い自己資本比率(82.9%)と潤沢な現金及び預金(約40.7億円)は、財務の安定性を示しており、将来の投資や事業環境の変化に対応する体力があると考えられます。

5. 技術革新と主力製品

同社は技術革新として「水性フレキソ印刷」の導入を進めています。これは環境に配慮した印刷技術として注目されており、持続可能性への貢献も期待されます。さらに、紙パッケージ分野では「最新UV印刷機導入」や「クリーンルーム改修」を行うなど、設備投資を通じて技術力の向上と生産性の改善を図っています。
収益を牽引しているのは売上構成比が最も高い「印刷関連事業(73%)」ですが、直近の第1四半期では赤字となっています。一方で、「カタログ販売関連事業(13%)」が好調で、唯一の黒字セグメントとして収益安定化に寄与しています。

6. 株価の評価

現在の株価1,345.0円に対し、各種指標は以下の通りです。
* PER(会社予想): 24.68倍
* 業界平均PER(10.0倍)と比較すると、現在の株価は利益面から見て割高と評価されている可能性があります。
* PBR(実績): 0.36倍
* 業界平均PBR(0.5倍)と比較すると、現在の株価は純資産面から見て割安と評価されている可能性があります。
* EPS(会社予想): 54.50円
* BPS(実績): 3,723.56円

PERは業界平均より高く、PBRは業界平均より低いという状況から、投資家は同社の安定した財務基盤や将来性に対しては期待があるものの、足元の利益成長を評価しきれていない可能性も考えられます。

7. テクニカル分析

直近の株価1,345.0円は、年初来高値1,388円に比較的近い水準です。年初来安値は1,280円です。
過去10日間の株価推移を見ると、1,321円から1,350円の範囲で推移しており、大きな方向感はありません。
* 50日間移動平均線: 1,344.60円
* 200日間移動平均線: 1,343.93円

現在の株価は50日移動平均線、200日移動平均線とほぼ同水準であり、比較的横ばいのトレンドにあると見ることができます。出来高が非常に少ないため、価格変動が小さい傾向にあります。

損益計算書(年度別比較)

  • 売上高: 過去数年間で緩やかに増加傾向にあり、2022年3月期の約111億円から2025年3月期(予想)の123億円へと拡大しています。
  • 利益: 営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は、2023年3月期をピークに2025年3月期にかけて減少傾向にあります。特に2026年3月期第1四半期では、原材料費や人件費の高止まり、減価償却費の増加により、営業損失、経常損失、親会社株主に帰属する四半期純損失を計上しています。

財務指標

  • ROE(実績): 1.83% (過去12ヶ月実績1.50%)。収益性が比較的低い水準にあることを示唆しています。
  • ROA(実績): 0.64% (過去12ヶ月実績0.64%)。総資産に対する利益の効率性も同様に低水準です。
  • 自己資本比率(実績): 82.9%。直近四半期は84.4%。非常に高い水準であり、財務基盤が極めて強固であることを示しています。
  • キャッシュフロー: 第1四半期のキャッシュフロー計算書は開示されていませんが、現金及び預金は40億7千1百万円と潤沢です。
  • 負債: Total Debt/Equityは1.37%と非常に低く、低金利の長期借入金を中心に負債は抑制されています。

全体として、売上は堅調に推移しているものの、コスト上昇により足元の利益は圧迫されている状況がうかがえます。しかし、極めて高い自己資本比率と潤沢な現金は、財務的な安定度を強く示しています。

9. 株主還元と配当方針

同社の配当利回り(会社予想)は1.93%、1株配当(会社予想)は26.00円です。2025年3月期の実績配当25.00円から、2026年3月期は1円の増配を予想しており、安定的な株主還元姿勢が伺えます。
配当性向は37.14%(実績)と、利益に対して無理のない範囲で配当を実施していると考えられます。
株主構成を見ると、筆頭株主の関啓三氏をはじめ、複数の関連団体や金融機関が上位に名を連ねており、安定株主が多い構造です。自社(自己株式)も7.6%を保有しています。提供データ上、新規の自社株買いに関する情報は確認できません。

10. 株価モメンタムと投資家関心

直近10日間の株価は、小幅なレンジでの変動に留まっており、特定の強い上昇または下降の勢いは見られません。
出来高が600株(本日)や200株といった非常に低い水準で推移しており、市場における流動性は限定的です。
信用買残は11,000株と少量で、信用売残は0株となっており、信用倍率は0.00倍です。これは、信用取引による短期的な需給の影響が小さいことを示唆していますが、同時に投資家の関心が限定的であることも意味します。
現状では、特定の要因が株価に大きく影響している状況は見当たらず、比較的静かな値動きとなっています。

11. 総評

セキ株式会社は、四国を基盤に全国展開を目指す多角的事業を運営する印刷・情報サービス企業です。
強みとしては、印刷関連事業を主軸としつつも紙卸、出版・広告、カタログ販売、美術館運営と多岐にわたる事業ポートフォリオを持つこと、極めて高い自己資本比率(84.4%)と潤沢な現金(40億円以上)に裏打ちされた盤石な財務基盤が挙げられます。また、成長分野と位置付ける紙パッケージ分野への先行投資や、水性フレキソ印刷などの環境配慮型技術の導入により、市場ニーズの変化への適応を図っています。1株あたり配当金は増配予想であり、株主還元への姿勢も示されています。
一方で課題としては、主要事業である印刷・紙卸市場の縮小傾向と競争激化、原材料費や人件費の高止まり、設備投資に伴う減価償却費の増加が利益を圧迫しており、直近の2026年3月期第1四半期では赤字を計上しています。ROEやROAといった収益性指標は低い水準にあります。
株価は、PBRが業界平均を下回る一方で、PERは業界平均を上回っており、財務的な割安感がある一方で、利益面からは割高感が指摘される可能性があります。直近の株価は年初来高値圏で横ばい傾向ですが、出来高が非常に少なく、市場の注目度は限定的です。
今後の注目点としては、紙パッケージ分野への投資が本格的な収益貢献に繋がるか、コスト上昇への対応策と利益率の改善、そして通期での業績予想(増収減益予想)を達成できるかが挙げられます。これらの進捗が、投資家の評価に影響を与える可能性が考えられます。


企業情報

銘柄コード 7857
企業名 セキ
URL http://www.seki.co.jp/
市場区分 スタンダード市場
業種 情報通信・サービスその他 – その他製品

関連情報

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.1)」によって自動生成されました。

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By ジニー

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