ネクソン(3659)企業分析レポート
注)本資料は公開情報に基づく客観的な企業分析であり、投資助言ではありません。数値は特記なき限りIFRS・連結ベース。単位は概ね百万円。
1. 企業情報
- 概要:PCオンラインゲームおよびモバイルゲームを開発・配信。主力は基本プレイ無料(F2P)型のライブ運営タイトル。韓国発祥で、日本・韓国・中国・北米・欧州などに展開。
- 主なタイトル:Dungeon & Fighter(アラド戦記)、MapleStory(メイプルストーリー)、MABINOGI(マビノギ)、EA SPORTS FC関連 ほか
- 事業構成(2024.12):オンラインゲーム等57%、モバイル43%。海外売上比率96%。
- 上場区分:東証プライム(情報・通信業)
- 従業員:9,556人、平均年齢39.5歳、平均年収725万円
- 本社:東京都港区六本木1-4-5
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界ポジション:
- PCオンライン/F2P領域で長期運営IP(アラド、メイプル)を保有し、韓国・中国経由の売上が中心。
- 海外売上比率が高く(96%)、特に韓国セグメントの寄与が大きい。
- 競争優位性(会社開示に基づく観点):
- 長期IPのライブ運営とイベント更新、地域別の「ハイパー・ローカライゼーション」への注力。
- 高い現金水準を背景とした開発・運用投資継続が可能。
- 課題:
- ヒット依存・ユーザー嗜好の変化による収益変動、為替変動の影響、中国を含む規制や通商政策の不確実性、プラットフォーム手数料やロイヤリティの上昇。
3. 経営戦略と重点分野
- 経営方針(短信要約):
- IP成長戦略
- 垂直:既存大規模IPの再活性化、地域・プラットフォーム拡大
- 水平:新作や他フランチャイズからのヒット創出
- ハイパー・ローカライゼーション(地域文化・嗜好に合わせた運営・施策)
- 開発・運用投資(R&D、広告宣伝、クリエイター報酬等)を継続
- 直近の打ち手:
- 2025年3月にMABINOGI MOBILE配信
- MapleStory Worldsの地域展開拡大
- 既存主力IP(アラド、メイプル)の再活性化
- 業績予想:
- 通期は未提示。第3四半期累計(1–9月)はレンジで開示(売上3,493〜3,599億円、営業利益1,120〜1,205億円等)。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:F2Pのアイテム課金中心。ライブ運営によるイベント・アップデートで稼働・ARPPUを維持・向上。
- 適応力:
- 既存大型IPの長期運営実績があり、アップデートや地域展開で稼働を維持。
- 一方、嗜好変化・競争激化によるボラティリティ、特定地域・タイトル集中のリスクには注意が必要。
- 財務面の裏付け:豊富な現金水準・高い自己資本比率で投資余力がある(現金等5,964億円、自己資本比率81%台)。
5. 技術革新と主力製品
- 主力IP:Dungeon & Fighter、MapleStory、Mabinogi(PC/モバイル)。既存IPのリメイク/モバイル化や新規タイトルの投入を継続。
- 技術・運用面(会社記載ベース):
- 長期運営を支えるライブオペレーション、地域ニーズに沿った運用(ハイパー・ローカライゼーション)。
- クリエイター連携・報酬、プラットフォーム活用拡大(MapleStory Worlds等)。
6. 株価の評価(2025/09/19終値:3,340円)
- 指標比較
- 株価:3,340円
- BPS(実績):1,303.46円 → PBR=3,340 / 1,303.46 ≈ 2.56倍(公表値と一致)
- EPS(過去12か月、希薄化後):約123.91円 → PER=3,340 / 123.91 ≈ 26.9倍
- 業界平均:PER 23.2倍、PBR 2.3倍(参考)
- PSR(売上/株):売上/株 546.42円 → P/S ≈ 3,340 / 546.42 ≈ 6.1倍
- EV/EBITDA(概算):EV ≈ 2.75兆 – 0.60兆 + 0.04兆 ≈ 2.19兆円、EBITDA ≈ 1,540億円 → EV/EBITDA ≈ 14.2倍
- 配当:1株年30円、配当利回り約0.90%、配当性向24.2%(参考)
- 補足:会社予想EPSは「—」のため、上記は過去実績ベースの概算評価。
7. テクニカル分析
- トレンド位置:
- 52週高値:3,489円、52週安値:1,826円。現値は高値から約▲4.3%。
- 50日移動平均:3,097円、200日移動平均:2,494円。現値は50日・200日線の上方。
- 直近10日:
- 高値3,489円到達後は3,300円台半ばでの推移。出来高は本日約284.7万株と3ヶ月平均(約180万株)を上回る日もあり、短期の商いは増加局面あり。
- 信用動向:
- 信用倍率0.22倍(売り長)。信用売残増(前週比+23.6千株)、信用買残減(同▲4.0千株)。
8. 財務諸表分析
- 損益(推移)
- 売上高:274,462(2021)→ 353,714(2022)→ 423,356(2023)→ 446,211(2024)→ 過去12か月 448,103
- 営業利益:91,541(2021)→ 103,696(2022)→ 134,745(2023)→ 124,176(2024)→ 過去12か月 約129,115
- 当期純利益:114,888(2021)→ 100,339(2022)→ 70,609(2023)→ 134,848(2024)→ 過去12か月 102,080(企業財務指標ベース)
- コメント:売上は中長期で増加、営業利益率は30%前後を維持。非営業損益(利息・為替)の振れが純利益を左右。
- 2025年上期(1–6月、IFRS)
- 売上収益232,784(+0.8%)、営業利益79,309(営業利益率約34%)
- 税引前利益67,545、親会社帰属純利益43,030(前年同期比▲43%)…主因は為替差損の計上
- 営業CF+88,059、投資CF+49,734、期末現金等386,366
- 収益性・効率
- 粗利率:約63%(上期)
- 営業利益率:過去12か月31.7%
- ROE:実績14.08%(2024)、過去12か月9.91%(指標)
- ROA:過去12か月7.09%
- OCFマージン(LTM):約34.5%(154,720 / 448,100)
- 安全性
- 自己資本比率:81.1%(2024)、上期末81.7%
- 現金等:5,964億円、総借入384億円、流動比率6.76倍
- ネットキャッシュポジションで財務耐性は高い構造
9. 株主還元と配当方針
- 配当:年間30円(中間15円・期末15円)予定、配当利回り約0.90%、配当性向約24.2%(参考)
- 自己株式:自己株口2.73%
- 自社株買い:2025/8/14–10/31で上限1,100万株・総額上限250億円の取得方針を決議(市場買付)
- 株主構成:NXC等の関係会社が大株主。インサイダー持分約49.8%、機関投資家約26.3%、フリーフロート約2.94億株(参考値)
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:
- 年初来で上昇(52週変化率+18.8%)。現値は50日・200日線上に位置。
- 直近は3,300円台でのもみ合い。出来高は平均を上回る日があり短期注目度は高めの局面あり。
- ボラティリティ:
- ベータ(5年)0.49と相対的に低め。
- 需給:
- 信用は売り長(倍率0.22倍)。フリーフロートが限定的(浮動株約2.94億株)で、イベント時の値動きには注意が必要。
- 影響要因(会社開示ベース):
- 為替動向(業績感応度あり)、主力タイトルのアップデート動向、中国・米国等の規制や通商政策、プラットフォーム料・ロイヤリティの変化、新作のパイプライン進捗。
11. 総評
- ビジネス:長期運営IP(アラド、メイプル)を軸にしたグローバルF2Pモデル。韓国セグメントの寄与が大きく、地域・タイトル集中の影響を受けやすい一方で、ライブ運営とローカライゼーションを通じた稼働維持に取り組む。
- 財務:高い粗利と30%前後の営業利益率、潤沢なネットキャッシュ、強固な自己資本比率。非営業損益(為替・利息)の振れが最終利益に影響。
- バリュエーション:PBR約2.56倍、PER(LTM)約26.9倍、EV/EBITDA約14倍台。配当利回り約0.9%に加え、自社株買いを実施(上限設定)。
- テクニカル・需給:株価は年初来高値圏に近い水準で推移。移動平均線の上に位置しつつ、直近はもみ合い。信用は売り長。
- リスク・注目点:為替感応度、中国関連動向、主力IPの運営状況と新作寄与の不確実性、プラットフォームコスト動向。会社は通期予想未提示のため、四半期ごとのレンジガイダンスと実績の差異に留意。
出所:提供データ(決算短信、株価・指標、業績データ等)より作成。数値は概算を含みます。
企業情報
銘柄コード | 3659 |
企業名 | ネクソン |
URL | http://company.nexon.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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