8130 サンゲツ 分析レポート(個人投資家向け)
最終更新: 2025-09-22 時点 / 株価: 3,135円
1. 企業情報
- 概要: インテリア商社最大手。壁紙で国内首位、カーテン・床材も有力。企画・開発から販売、施工までを一気通貫で展開。国内はインテリア(壁装・床材・ファブリック・施工)とエクステリア(門扉・フェンス等)、海外は北米・東南アジア・中国等で内装材販売および空間デザイン・施工を手掛ける。
- 連結事業構成(2025.3期 想定): 国内インテリア 82%(営業利益率の柱)、国内エクステリア 3%、海外 15%。
- 最近のトピック: 物流強化の一環でSDSを子会社化。シンガポールのD’Perception連結で海外の空間デザイン機能を拡充。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション: 内装材の企画・販売で国内トップクラス。全国物流網と見本帳(カタログ)起点の提案力、施工・設計まで含むソリューション提供が強み。
- 競争環境(例): 東リ、リリカラ、シンコールグループ等。製造一体型の競合に対し、同社は調達・在庫・物流・提案・施工を束ねる「プラットフォーム型」の色彩が強い。
- 競争優位性:
- カタログ更新による継続的な案件獲得サイクル
- 全国配送・短納期対応の物流体制(SDS取り込み)
- 非住宅を中心とした空間デザイン・施工機能の内製化
- 課題:
- 国内新設住宅の長期的減少と人手不足・コスト上昇
- 仕入先トラブル等のサプライリスク(直近は工場火災影響)
- 海外(特に中国・香港)の需要鈍化と為替・通商政策の不確実性
3. 経営戦略と重点分野
- 長期ビジョン/中期計画: 「DESIGN 2030」「BX 2025」に基づき、商品・デザイン・物流・施工・SCMを統合的に高度化。人的資本強化も並行。
- 重点施策:
- 国内インテリア: 見本帳刷新(例: SP)、価格改定、施工・物流の一体提案。火災影響品の代替生産で販売再開を計画。
- エクステリア: ハイグレード品拡販、関東拠点の安定化、外構の設計・施工提案拡大。
- 海外: 北米の営業・IT整備、人材育成で収益性改善。東南アジアは卸売拡大とD’Perception連結効果を追求。中国・香港はモデル再構築中。
- 物流/SCM: SDS連結で調達・販売物流の最適化、在庫回転とサービス水準の両立。
- 2026年3月期会社計画(据え置き):
- 売上高 2,100億円(+4.8%)
- 営業利益 190億円(+4.5%)
- 純利益 130億円(+3.4%)
- EPS 221.20円
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: カタログ起点の継続提案と、内装・外構のリフォーム/非住宅更新需要に支えられた更新サイクル。施工・デザイン・物流の付加価値で粗利確保を図るモデル。
- 適応力:
- 価格改定・ラインアップ更新で原材料・為替を一定程度吸収
- 海外・非住宅領域の強化で住宅循環の影響を緩和
- 物流内製化・SCMで供給安定性とコスト最適化を推進
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性: デザイン開発力と見本帳運用、施工・物流の最適化が競争力の源泉。海外の空間デザイン会社連結で設計~施工の一体提供を強化。
- 収益牽引:
- 壁装(壁紙)が最大の収益源
- 国内インテリア内訳(2026年3月期1Q): 壁装 +4.2%、床材 -7.2%、ファブリック +6.4%、その他 +1.0%(一部は火災影響あり)
- 海外売上 +41.5%(北米・東南アジア寄与)、赤字幅縮小
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 株価: 3,135円
- 予想PER: 14.17倍(EPS 221.20円基準)
- 実績PBR: 1.66倍(BPS 1,892.56円)
- 参考比較:
- 業界平均PER 12.1倍 → 同社EPS基準の参考水準 約2,676円
- 業界平均PBR 1.0倍 → 同社BPS基準の参考水準 約1,893円
- EV/EBITDA(概算): EV ≒ 185.6bn – ネットキャッシュ14.3bn = 約171.3bn、EBITDA ≒ 22.35bn → 約7.7倍
- P/S(概算): 時価総額 185.6bn / 売上高 200.4bn ≒ 0.93倍
- 配当:
- 予想配当 155円、配当利回り 約4.94%(5年平均4.31%)
- 予想配当性向 約70%(155円/予想EPS 221.2円)
7. テクニカル分析
- トレンド位置: 終値3,135円は50日線3,054.7円、200日線2,938.0円を上回る水準。中期的には上向き基調。
- 価格帯: 52週高値3,220円に約-2.6%、52週安値2,608円に対して約+20.2% → 相対的には高値圏に近い位置。
- 需給/出来高: 本日出来高18.6万株は3カ月平均約13.2万株を上回る。信用買残12.28万株(前週比+3.42万)、信用倍率8.03倍と買いに傾斜。
- 短期レンジ(直近10日): 3,135〜3,175円での保ち合い。上値は3,200〜3,220円、支持は3,050円(50日線)〜2,940円(200日線)を観察。
8. 財務諸表分析
- 売上推移(連結・百万円)
- 2022/3: 149,481
- 2023/3: 176,022
- 2024/3: 189,859
- 過去12か月: 200,378(YoY +5.6%、3年CAGR 約+10%)
- 収益性(過去12か月・概算)
- 粗利率 ≒ 31.1%(62,373/200,378)
- 営業利益率 ≒ 9.1%(18,176/200,378)
- EBITDAマージン ≒ 11.2%(22,353/200,378)
- 当期純利益率 ≒ 6.3%(12,567/200,378)
- ROE 11.44%、ROA 6.63%
- 利益動向:
- 営業利益 2023/3: 20,283 → 2024/3: 19,105 → 過去12か月: 18,176(コスト上昇や一部評価損の影響でやや減少)
- 財政状態/流動性:
- 自己資本比率 61.5%
- 流動比率 245%(直近1Q)
- 総有利子負債 161.8億円、現金同等物 304.9億円 → ネットキャッシュ
- D/E(直近)14.45% と低位
9. 株主還元と配当方針
- 配当: 2025/3期 年間150円 → 2026/3期 予想155円(中間・期末 各77.5円)
- 予想配当利回り: 約4.94%、配当性向: 約70%
- 自己株式: 発行株の約0.73%を保有。自己株買いの方針・実施は本データ内では不明。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム: 52週で+10.5%。直近は高値圏でのもみ合い。Beta 0.27(市場感応度は低め)。
- 注目イベント:
- 権利落ち日: 2025-09-29(配当権利)
- 次回決算: 2025-11-07 予定
- 需給: 信用買い残の増加と売り残の減少により、短期的には買い優勢。イベント前後の変動には留意。
11. 総評(サマリー)
- 売上は堅調に拡大(3年CAGR約+10%)。国内の住宅減少環境下でも、非住宅・海外・ソリューション(設計・施工・物流)強化で成長を確保。
- 収益性は粗利率31%、営業利益率約9%と卸売業としては良好な水準。直近はコスト・一過性要因で営業利益がやや低下も、海外回復と価格改定、SCM・物流統合の進展が下支え。
- 財務は自己資本比率61%超、ネットキャッシュで健全。配当利回りは約4.9%と水準感がある一方、配当性向は約70%。
- 株価は移動平均線上で推移し、52週高値圏に接近。相対指標では業界平均PER/PBRに対してプレミアム水準。需給は信用買い優位。
- リスクは国内住宅市況、原材料・人件費上昇、供給網の事故・災害、海外(特に中国・香港)需要、為替・通商政策など。
(本レポートは公開データに基づく分析であり、投資助言を目的とするものではありません)
12. 企業スコア
- 成長性: A
- 根拠: LTM売上YoY +5.6%、3年CAGR 約+10%。
- 収益性: A
- 根拠: 粗利率約31%、営業利益率約9%、EBITDA率約11%(同業平均感応の中で良好)。一過性影響を除くと安定的。
- 財務健全性: S
- 根拠: 自己資本比率61.5%、流動比率約245%、D/E約14.5%、ネットキャッシュポジション。
参考データ抜粋
- LTM売上高: 2,003.8億円、LTM営業利益: 181.8億円、LTM純利益: 125.7億円
- 予想EPS: 221.20円、実績BPS: 1,892.56円
- 配当(予想): 年間155円、利回り約4.94%(権利落ち日 2025-09-29)
- 52週高値/安値: 3,220円 / 2,608円
- 50日/200日移動平均: 3,054.7円 / 2,938.0円
企業情報
銘柄コード | 8130 |
企業名 | サンゲツ |
URL | http://www.sangetsu.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 商社・卸売 – 卸売業 |
関連情報
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.1)」によって自動生成されました。
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