安田倉庫(9324)企業分析レポート
株価:2,141円(2025-09-22終値)/市場:プライム/業種:倉庫・運輸関連業
1. 企業情報
- 概要・事業内容
- 旧財閥系の倉庫準大手。首都圏を中心に物流ネットワークを展開し、関西では中央倉庫と連携。外資系顧客の取り扱いが多い。
- セグメント:物流(倉庫保管・作業、陸運、国際貨物取扱、物流施設賃貸 等)、不動産(賃貸、不動産ソリューション)。
- 連結事業構成(2025.3):物流 92%(利益率目安:約7%)、不動産 8%(同:約30%)。
- 規模・拠点等
- 従業員数:2,538人、平均年齢39.5歳、平均年収757万円
- 本社:東京都港区芝浦(田町駅直結再開発エリア)
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 倉庫・物流の「準大手」ポジション。首都圏の立地優位・不動産と一体の物流ソリューションが強み。関西では中央倉庫と補完関係。
- 競争優位性
- 都市圏の優良立地・安定賃貸と、3PL・国際フォワーディングの組合せによる収益安定性。
- 外資系顧客比率が高い点は、品質要求対応力・国際物流機能の厚みを示唆。
- 課題
- 業界として労務・人件費、地代・電力等のコスト上昇圧力。
- 金利上昇局面での資本集約型モデル(設備・不動産・借入)への負荷、利払い増。
- 市場シェアの定量開示は無し(定量比較は不明)。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・計画
- 中期経営計画「強くなる、ひとつになる YASDA GROUP CHALLENGE 2027」、長期ビジョン2030。
- 重点施策(会社開示および決算短信の要点)
- 物流:新設物流施設の稼働率向上、既存顧客深耕・新規開拓、国際貨物取扱の拡大(事業譲受含む)。
- DX:WMS等のシステム高度化、現場オペレーションの効率化・自動化。
- 不動産:既存資産の価値向上(賃料・稼働率の改善)、再開発エリアの活用。
- グループ連携:首都圏×関西、物流×不動産のシナジー最大化。
- 進捗
- 2026年3月期1Qは増収増益(売上+15.9%、営業利益+71.8%)。通期計画は据え置き。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益源の多様性:物流(景気の影響を受けやすい)と不動産(安定性が高い)のポートフォリオでボラティリティを緩和。
- ストック性:保管料・賃料に一定の継続性。新設施設の稼働率改善が業績の下支え。
- リスク適応力:価格改定・効率化(DX・自動化)、国際物流の拡充でコスト上昇や荷動き変動に対応。
- 留意点:金利上昇・利払い増、労働力不足、為替や貿易政策の変動。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性
- 倉庫管理システム(WMS)、自動化設備の導入・最適配置、データ活用による庫内効率化。
- 国際フォワーディング機能の強化(2025年1Q:Worldgate関連の事業譲受に伴うのれん増加)。
- 収益を牽引する領域
- 物流:倉庫保管・作業、陸運、国際貨物取扱が増収に寄与。
- 不動産:高いセグメント利益率(1Q実績ベースで約31%)による全社利益の安定化。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 指標(現在株価2,141円)
- 予想EPS:113.93円 → 予想PER:18.8倍(会社公表値に一致)
- 実績BPS:3,250.07円 → PBR:0.66倍
- 予想配当:58円 → 予想配当利回り:約2.71%、配当性向:約36%
- 業界平均との比較(参考)
- 業界平均PER:14.8倍、平均PBR:1.1倍
- PERは業界平均より高い一方、PBRは1倍を下回る水準。
- 参考指標
- 時価総額:約650億円
- ネット有利子負債:約564億円(借入等737.8億−現金174.4億)
- EV/EBITDA:約12.1倍(EV約1,213億円、LTM EBITDA 約100億円ベース)
- 益回り(EPS/株価):約5.3%
(注)EV/EBITDAは定義や期間差でぶれがあります。
7. テクニカル分析
- トレンド認識
- 50日移動平均:2,028円、200日移動平均:1,839円 → 株価は両移動平均上方で上昇基調。
- 年初来高値:2,171円(現状は高値圏、約−1.4%下)。
- 直近の値動き
- 10日間でジリ高基調。出来高は月間平均(約22.9千株)と同程度。
- 信用動向
- 信用倍率:9.32倍(買い長)。信用買残は前週比減少(−1,600株)だが水準はやや高め。
8. 財務諸表分析
- 成長
- 売上高(LTM):75,113百万円(前年比+11.5%)
- 3年CAGR(2022→LTM):約+12.3%
- 収益性(LTM)
- 粗利率:約12.7%(9,563/75,113)
- 営業利益率:約4.7%(3,519/75,113)
- EBITDAマージン:約13.4%(10,033/75,113)
- ROE(実績):約3.0%、ROA(LTM):約1.2%
- 金利負担:利息費用 942百万円(増加傾向)、EBIT/利息 ≈ 5.6倍
- キャッシュフロー(LTM)
- 営業CF:約110.7億円、レバードFCF:約21億円(黒字)
- 財政状態(直近1Q)
- 自己資本比率:45.2%(前期末44.6%)
- 流動比率:約166%
- D/E(簿価ベース):約0.78倍
- セグメント(2026年3月期1Q)
- 売上:物流 18,998百万円(約92.9%)、不動産 1,581百万円(約7.7%)
- セグ利益:物流 1,267百万円(利益率約6.7%)、不動産 490百万円(約31.0%)
- 留意点
- 利払いの増加、資本集約度の高さに伴う減価償却の負担。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 2025年3月期:年35円 → 2026年3月期予想:年58円(中間29円・期末29円)
- 予想配当性向:約36%
- 自社株
- 期末自己株式:約139.6万株(発行済の約4.6%)。新規の自己株買い有無は未記載。
- 方針
- 配当を中心とした還元。足元は増配予想。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 52週騰落:+31.2%。上昇トレンド継続、直近は高値接近。
- 関心を高める要因
- 新設物流拠点の稼働率改善、国際物流の拡大、増配方針。
- 不動産賃貸の安定収益、都心再開発エリアの進展。
- リスク要因
- 利払い増・金利動向、荷動きの鈍化、為替・通商政策、労務コスト上昇。
11. 総評
- 物流×不動産の組合せで、増収基調と利益率の底上げが進展。1Qは計画線上で、セグメントでは物流の稼働率改善と不動産の高採算が寄与。
- バランスシートは自己資本比率45%台、流動比率も良好。一方で、金利上昇下の利払い増と資本集約度は継続的な注視ポイント。
- バリュエーションは、PERは業界平均を上回る一方、PBRは1倍を下回る水準。増配により配当利回りは過去5年平均を上回る。
- テクニカル面では上昇基調で高値圏。信用買い長のポジション動向には留意。
(本レポートは情報提供目的であり、投資判断を推奨するものではありません。)
12. 企業スコア
- 成長性:A
- 根拠:LTM売上+11.5%、3年CAGR約+12.3%と継続的な伸長。
- 収益性:B(中立)
- 根拠:営業利益率約4.7%、EBITDA率約13%台。業界平均との差は定量データ欠損のため中立評価。
- 財務健全性:A
- 根拠:自己資本比率45%台、流動比率約166%、D/E約0.78倍。CFも安定的に黒字。
参考データ
– 2026年3月期1Q(前年同期比):売上+15.9%、営業利益+71.8%、純利益+50.6%
– 会社予想(2026年3月期):売上 780億円、営業利益 37億円、純利益 33億円、予想EPS 113.93円、配当 58円
– 株価・出来高:年初来高値 2,171円、年初来安値 1,456円、3カ月平均出来高 約22.9千株
企業情報
銘柄コード | 9324 |
企業名 | 安田倉庫 |
URL | http://www.yasuda-soko.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 運輸・物流 – 倉庫・運輸関連業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.1)」によって自動生成されました。
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