桜井製作所（7255）企業分析レポート
個人投資家の皆様へ
本レポートでは、株式会社桜井製作所（証券コード：7255）について、皆様の投資判断の一助となるよう、多角的な視点から分析した結果をお届けします。
1. 企業情報
桜井製作所は、自動車部品製造事業と工作機械製造事業を二本柱とする企業です。特に、乗用車のトランスミッションケース、バイクや乗用車のシリンダーヘッド、自動変速機のバルブボディなどの自動車エンジン部品製造に強みを持っています。同時に、自動車生産ライン向けの専用工作機械（デバリング、ミリング、多軸機など）の設計・製造も行っています。近年は、航空機部品や特殊な加工精度の部品製造にも事業領域を拡大しています。日本国内に加えて、ベトナムにも子会社を保有し、現地生産体制を構築しています。
連結事業区分では、自動車部品製造が売上高の81%を占め、工作機械製造が19%となっています（2025年3月期データ）。
2. 業界のポジションと市場シェア
桜井製作所は、自動車生産ライン用専用工作機および自動車部品の分野において、業界では中位に位置しています。技術力と製造ノウハウを活かして、顧客の多様なニーズに対応できる点を強みとしています。ベトナムでの現地生産は、国際的な競争環境において、コスト競争力や海外市場への供給力強化に貢献している可能性があります。一方で、自動車産業のEVシフトや、原材料価格の高騰といった外部環境の変化は、事業に与える影響が課題として挙げられます。具体的な市場シェアの情報は開示されていません。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣が掲げる具体的なビジョンや中期経営計画の詳細は、提供された情報からは明確には読み取れません。しかし、事業内容の記述から、自動車エンジン部品と自動車生産ライン用専用工作機を両輪としながら、航空機部品分野への拡大を目指していることが伺えます。直近の決算短信では、自動車部品製造事業における汎用機部品の受注増や、工作機械製造事業における専用工作機械の受注増加が、当期の売上・利益に大きく寄与しており、これらが現在の重点分野であると考えられます。
4. 事業モデルの持続可能性
桜井製作所の事業モデルは、自動車部品の安定的な量産と、自動車生産設備向けの専用工作機械という、異なる顧客ニーズに対応する二本柱で構成されています。自動車部品事業は、自動車産業の動向に直結し、EV化の進展が今後の収益構造に影響を与える可能性があります。工作機械事業は設備投資に左右されますが、高精度・専用性の高い製品は景気変動耐性を持ちやすい側面もあります。航空機部品への参入は、成長分野への多角化と、技術力の活用による事業の持続性向上を目指すものと見られます。ベトナム子会社による海外生産は、グローバルなサプライチェーンの変化への適応力を示すものです。
5. 技術革新と主力製品
桜井製作所の主力製品は、乗用車トランスミッションケース、二輪車・乗用車シリンダーヘッド、自動変速機バルブボディなどの高精度な自動車エンジン部品です。工作機械では、デバリング、ミリング、多軸・多頭機、特殊専用機などを手掛けています。これらの製品は、長年培ってきた精密加工技術や専用機の設計・製造ノウハウに基づいています。近年拡大している航空機部品製造も、これらの技術開発と独自性を活かした展開と考えられます。収益面では、連結事業構成から、自動車部品製造事業が最も大きく貢献しています。
6. 株価の評価
- 現在の株価: 594.0円
- 1株当たり利益（EPS 会社予想）: 7.72円
- 1株当たり純資産（BPS 実績）: 1,465.44円
- 株価収益率（PER 会社予想）: (連)76.94倍
- 株価純資産倍率（PBR 実績）: (連)0.41倍
現在の株価は、1株当たり純資産（BPS）1,465.44円と比較してかなり低い水準にあり、PBRは0.41倍と、業界平均PBRの0.5倍を下回っています。これは、企業の資産価値に対して株価が低く評価されていることを示唆します。一方で、会社予想の1株当たり利益（EPS）7.72円に基づくPERは76.94倍と非常に高水準です。これは、予想利益が現状では低いことに起因している可能性があります。なお、過去12ヶ月の希薄化後EPSは60.23円であり、これに基づくPERは約9.86倍となります。直近の第1四半期決算では大幅な増益を達成しており、今後の利益改善が期待されるものの、会社予想EPS基準では高評価となります。
7. テクニカル分析
現在の株価: 594.0円
年初来高値: 640円
年初来安値: 480円
50日移動平均線: 598.74円
200日移動平均線: 563.30円
現在の株価594.0円は、年初来高値640円と年初来安値480円の中間よりやや高値寄りです。50日移動平均線（598.74円）をわずかに下回っていますが、200日移動平均線（563.30円）は上回っており、中長期トレンドは上昇基調にあることを示唆しています。直近10日間の株価は594円から601円の狭い範囲で推移しており、出来高が非常に少ない日が見られるため、流動性が低い点に留意が必要です。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去数年間、45億円から55億円台で推移しており、変動が見られます。2024年3月期は55億円と増加しましたが、2025年3月期の会社予想では49億円と減少傾向です。しかし、直近の2026年3月期第1四半期（2025年4月1日～6月30日）では、売上高14億4,421万円（前年同期比+27.9%）と大幅な増収を達成しています。
- 利益: 営業利益は過去に赤字を計上する期もあり、不安定な推移でした。2023年3月期、2024年3月期は営業損失でしたが、過去12ヶ月では1億6,356万円、直近の2026年3月期第1四半期では1億93万円の営業利益を計上し、黒字転換と大幅な利益改善が見られます。
- キャッシュフロー: 2026年3月期第1四半期連結累計期間のキャッシュ・フロー計算書は作成されていないため、詳細な分析はできません。
- ROE（株主資本利益率）: 実績は4.39%ですが、過去12ヶ月では6.78%と改善傾向にあります。
- ROA（総資産利益率）: 過去12ヶ月では2.71%と、やや低水準です。
- 自己資本比率: 実績65.9%、直近四半期で67.2%と非常に高く、財務の健全性が極めて高い状態です。
- 流動比率: 直近四半期で1.81倍と、短期的な支払い能力に問題はない水準であり、健全です。
- D/Eレシオ（負債資本倍率）: 直近四半期で31.23%と低い水準にあり、負債依存度が低いことを示しています。
9. 株主還元と配当方針
桜井製作所の配当利回り（会社予想）は0.84%であり、1株当たり配当金は5.00円（会社予想）です。配当性向は、提示されたPayout Ratioでは16.60%となっています。しかし、2025年3月期の実績配当が年間30.00円であったのに対し、2026年3月期の予想配当は年間10.00円と大幅な減配予想となっています。これは、通期業績予想の保守的な見通しが影響している可能性があります。自社株買いなどの具体的な株主還元策についての記述は提供情報にはありませんが、主要株主に「自社(自己株口)」が含まれており、過去に自社株買いを実施した実績がある可能性はあります。
10. 株価モメンタムと投資家関心
過去1年の株価変動はS&P500の変動率と同程度（約17%）であり、相対的には市場全体と連動した動きを示しています。直近10日間の株価は横ばいから小幅な高下動を繰り返しており、明確な上昇・下降の勢いは見られません。出来高が非常に少なく、日によっては売買が成立しない「-」表記の日もあるため、市場での流動性が低いことが伺えます。信用買残は76,800株ありますが、信用売残は0株であり、信用倍率も0.00倍となっています。これは、売り圧力が少ない一方で、流動性の低さが需給に影響を与える可能性を示唆します。直近の第1四半期で示された売上・利益の回復傾向は、今後の株価への好材料となる可能性があります。
11. 総評
桜井製作所は、自動車部品製造と工作機械製造を中核とし、航空機部品分野への展開も図る企業です。過去数年間は利益面で不安定な時期がありましたが、直近の2026年3月期第1四半期決算では、売上高が前年同期比約28%増、営業利益が黒字転換と大幅な改善を見せており、業績の回復基調が示されています。財務体質は自己資本比率が約67%と非常に高く、流動比率、D/Eレシオも優良な水準であり、極めて健全です。
株価の評価では、PBRが0.41倍と資産価値に対して低く、割安感がある一方で、会社予想のEPSに基づくPERは非常に高く算出されます。通期の配当予想は前期から大幅な減配となる見込みであり、株主還元策に影響がある点には注意が必要です。市場での出来高が少ないため、流動性が低い点は投資する上で考慮すべき要素の一つです。直近の業績回復の勢いが今後も持続するか、注目されます。
12. 企業スコア
- 成長性：A
- 過去12ヶ月の売上高は前年同期比で減少傾向（約-10.4%）にある一方で、直近の2026年3月期第1四半期決算では売上高が前年同期比+27.9%と大幅な伸びを示しており、企業の短期的な成長モメンタムは強いと評価できます。通期予想は減少傾向ですが、直近の好調な四半期業績が今後の予想に影響を与える可能性も考慮しました。
- 収益性：B
- 過去12ヶ月の営業利益率は6.99%、直近四半期の営業利益率も約7.0%です。過去には営業損失を計上する期もありましたが、直近では大幅な利益改善が見られます。EBITDA率は過去12ヶ月で19.46%と高い数値を示していますが、安定した高収益性というよりは、回復途上であると評価し、中立的な「B」としました。
- 財務健全性：S
- 自己資本比率は直近四半期で67.2%と非常に高く、流動比率も1.81倍と健全です。総負債を自己資本で割ったD/Eレシオも31.23%と低い水準にあり、負債依存度が極めて低い強固な財務体質を維持しているため、「S」と評価します。
企業情報
| 銘柄コード | 7255 |
| 企業名 | 桜井製作所 |
| URL | http://www.sakurai-net.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 自動車・輸送機 – 輸送用機器 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.2)」によって自動生成されました。
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