1. 企業情報
建設技術研究所は、1963年に設立された総合建設コンサルタントの大手企業です。主に土木建設分野における専門的なコンサルティングサービスを提供しており、特に河川や道路分野に強みを持っています。事業内容は、国内建設コンサルティングが約69%、海外建設コンサルティングが約31%(2024年12月期)と、海外事業も一定の割合を占めています。従業員数は3,966人、平均年齢42.4歳、平均年収995万円です。東京証券取引所プライム市場に上場しており、サービス業に分類されます。
2. 業界のポジションと市場シェア
同社は日本の建設コンサルティング業界において上位に位置する大手企業です。特に河川や道路といった公共インフラ分野において強い競争力を持っています。高い技術力を背景に、技術士などの資格保有者の比率が高い点が特徴として挙げられます。具体的な市場シェアのデータは提示されていませんが、「総合建設コンサル大手」「建設コンサル上位」との記述から、業界内での確固たる地位を築いていると判断できます。
3. 経営戦略と重点分野
同社の経営戦略としては、海外市場への注力と新分野への展開が挙げられています。これは、国内の建設コンサルティング市場が成熟期に入る中で、成長機会を海外や新たな技術分野に見出しているものと推察されます。中期経営計画の具体的な施策に関する詳細な記述は提示されていません。
4. 事業モデルの持続可能性
建設コンサルティング事業は、社会インフラの整備・維持管理に不可欠であり、安定した公共投資に支えられる側面があります。国内市場においては、老朽化したインフラの更新や防災・減災対策の必要性が高まっており、安定した需要が見込まれます。また、海外市場への展開や「新分野への注力」は、将来的な市場ニーズの変化への適応と成長機会の追求を示すものであり、事業モデルの持続性向上に貢献するものと考えられます。高度な技術と多数の資格保有者による専門性が、事業の優位性を保っています。
5. 技術革新と主力製品
同社は、河川や道路分野における豊富な実績と技術力を基盤としています。その技術力は、多数の技術士などの資格保有者によって支えられています。主力製品やサービスとしては、国内および海外における土木建設コンサルティング全般であり、具体的には洪水・干ばつ・津波対策、河川管理・海岸保全施設の耐震化対策、港湾・海洋インフラ、交通計画、橋梁設計などが挙げられます。これらのサービスが同社の収益を牽引しています。
6. 株価の評価
現在の株価2,982.0円に基づくと、以下の指標が算出されます。
* PER(会社予想): 13.14倍
* 業界平均PER(サービス業)17.0倍と比較すると、現在のPERは業界平均を下回っています。
* PBR(実績): 1.32倍
* 業界平均PBR(サービス業)1.8倍と比較すると、現在のPBRは業界平均を下回っています。
これらの指標から見ると、現在の株価は業界平均と比較して割安な水準にあると評価できます。
7. テクニカル分析
現在の株価は2,982.0円です。
* 年初来高値:3,275円
* 年初来安値:2,044円
* 50日移動平均線:2,983.84円
* 200日移動平均線:2,626.96円
現在の株価は50日移動平均線と同水準にあり、200日移動平均線を上回っています。年初来高値からは約9%下落していますが、年初来安値からは約46%上昇しています。直近10日間の株価推移を見ると、3,000円前後での攻防が続いており、一時的に2,972円まで下落した後、終値は2,982円となりました。中長期的な上昇トレンドの中にあり、短期的にはやや調整局面にある水準と見なすこともできます。
8. 財務諸表分析
売上高:
2021年:74,409百万円
2022年:83,485百万円(対前年比 +12.2%)
2023年:93,057百万円(対前年比 +11.5%)
2024年:97,678百万円(対前年比 +5.0%)
過去12か月:97,726百万円(対2024年比 +0.05%)
売上高は過去数年にわたり増加傾向にありますが、直近の過去12か月では前年同期比でほぼ横ばい、直近四半期では前年比-4.10%と減少しています。
利益:
営業利益は2023年に10,011百万円とピークを迎えましたが、2024年は9,397百万円、過去12か月も9,397百万円とやや減少または横ばいの傾向にあります。
純利益も2023年に7,534百万円を記録しましたが、2024年は6,746百万円、過去12か月は5,642百万円と減少傾向が見られます。
収益性指標:
* 粗利率(過去12か月): 29.06%
* 営業利益率(過去12か月): 9.62%
* ROE(実績): 11.60% (LTM: 9.25%)
* ROA(過去12か月): 6.17%
営業利益率約9.6%はサービス業としては高水準です。ROEは10%前後で推移しており、株主資本を効率的に活用していると言えます。
財務健全性:
* 自己資本比率(実績): 70.1%
* 流動比率(直近四半期): 2.80倍
* D/Eレシオ(総負債/自己資本比率)(直近四半期): 0.85%
自己資本比率70.1%は非常に高く、財務基盤が非常に安定していることを示しています。流動比率も2.80倍と短期的な支払い能力に優れており、D/Eレシオも非常に低く、有利子負債は極めて少ない状態です。
キャッシュフロー:
* 営業キャッシュフロー(過去12か月): 5.02B百万円
* フリーキャッシュフロー(過去12か月): 2.97B百万円
営業キャッシュフローはプラスであり、事業活動から安定的に資金を創出しています。フリーキャッシュフローもプラスを維持しており、投資や株主還元に充てる十分な資金があることを示しています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り(会社予想): 2.52%
- 1株配当(会社予想): 75.00円
- 配当性向: 36.92%
同社の配当性向は36.92%であり、安定した配当支払いを行っていると評価できます。5年平均配当利回りは2.64%です。直近の自社株買いに関する具体的な施策は開示されていませんが、「自社(自己株口)」保有の記載があり、株主還元策の一つとして自社株買いも視野に入れている可能性があります。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価の直近変動傾向: 直近10日間の株価は3,030円から2,943円の間で変動し、全体としてはやや不安定ながらも2,900円台後半で推移しています。
- 52週間の株価変動率(30.08%)はS&P 500の変動率(16.76%)を上回っており、市場をアウトパフォームしている状態です。
- 信用買残は増加傾向にあり(前週比+14,300株)、信用倍率は16.10倍と買残が多い状況です。
- 過去12か月の実績EPSが203.07円に対して、会社予想EPSが226.86円と増益予想であること、そして次回の決算発表が2025年8月に予定されていることが、今後の投資家関心に影響を与える可能性があります。ベータ値0.29と市場連動性が低い特徴があります。
11. 総評
建設技術研究所は、国内建設コンサルティング市場で強固な地位を確立し、海外展開や新分野への注力で成長戦略を描いています。財務基盤は自己資本比率70.1%と極めて健全であり、安定したキャッシュフローを生み出しています。売上高は過去数年堅調に増加してきましたが、直近の利益にはやや減少傾向が見られます。株価は業界平均PER、PBRと比較して割安な水準にあり、配当利回りも安定しています。中長期的な成長に期待が持てる一方で、直近の売上・利益の動向や市場ニーズの変化への適応力が今後の注目点となるでしょう。
12. 企業スコア
- 成長性: C
- 3年間の売上CAGRは約9.5%と中長期では成長していますが、過去12か月の売上高は前年比でほぼ横ばい、直近四半期売上成長率(前年比)は-4.10%と減少傾向を示しているため、成長性は停滞していると評価しました。
- 収益性: A
- 過去12か月の営業利益率9.62%は、サービス業としては相対的に高水準であり、ROEも10%前後を維持しているため、高い収益性があると言えます。
- 財務健全性: S
- 自己資本比率70.1%、流動比率2.80倍、D/Eレシオ0.85%と、全ての指標において非常に高い水準で、極めて健全な財務状況にあると評価しました。
企業情報
銘柄コード | 9621 |
企業名 | 建設技術研究所 |
URL | http://www.ctie.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
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